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両親の人生、兄の人生

子供の気持ちに寄り添えない親ということで、たくさん書いてきましたが、決して両親の事が嫌いな訳ではないのです。

二人ともとても真面目な人で、ほんとに一生懸命働いて、私達を育ててくれました。
子供達の為に生きてきた人生だったといっても過言ではありません。

兄は、未熟児で生まれ、生死をさまよったそうです。
その事もあってか、父は兄の事を溺愛し、何処に行くのにも連れて行っていたそうです。
私よりも可愛がっていたらしい…

それなのに、今は、早く死んでくれたらいいのにと、父は言います。
本心かどうかはわかりませんが、兄を残して死ぬより、兄の死を見届けてから死にたいようです。

元農林事務次官の父親(当時76歳)が息子(当時44歳)を殺した事件があった時も、気持ちがすごくわかると言っていました。何か事件をおこしてしまうくらいなら、早く死んで欲しいということでしょうか。

そんな話を聞いていると、両親の人生は、いったい何だったのだろう?兄の人生って、いったい何だったのだろう?と考えてしまい、
とても悲しい気持ちになります。

こうなる前になんとかできなかったのか?
もう、遅いのか?

いや、道はあると思うのですが、両親にいくら市役所等に相談に行こうと誘っても、
このままでいいと言います。

近々、私は息子達と引っ越さなければいけないので、このまま両親を置いて行くのはとても心苦しく、一緒に行こうと誘いましたが、
この歳で知らない土地で暮らすのも嫌だし、
とにかく兄を一人残してはいけないと言います。
特に母親は、自分が産んだ子だから、最後まで(自分が死ぬまで)、側にいて、世話をしてちゃんと見届けたいのだと言います。

自分達が死ぬまでは、親としての責任を果たす。
でも、死んだ後の事までは、考えられないといったところなのです。



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