ひきこもりの経緯③
前回の続きです。
その後、暫くして、兄がお店を持ちたいと言い出しました。
寿司店です。
良さそうな賃貸物件も探してきていましたか、貯金だけでは資金が足りないので、お金を貸して欲しいと頼まれました。
しかし、その頃の私は専業主婦で、息子も小さかった為、貸せるようなお金はありませんでした。
兄は、父親や伯父にも相談したようですが、
「商売は難しい、そんなの上手くいくわけない!」と頭から反対され、貸してはもらえませんでした。
もちろん、父親や伯父が言うように、お店を持っても上手くいかなかったかもしれません。
でも、あの時、もしお店をもっていたら、兄の人生も変わっていたかもしれません。
それから、お店を持つ事を諦めた兄は、やはり大学を出て、ホワイトカラーの仕事がしたかったのだと言いました。
私からすれば、大学を出ているかどうかということがそんなに大事だとは思えないのですが、その事を言うと、「大学を出てるお前には、俺の気持ちは一生わからん!」と言われました。
父親が素晴らしいと思っている、大学を出て名の通った企業に就職すること、又は公務員になること、それこそが人として最良の道という考え方が、兄の頭の中も支配してしまっていると思いました。
そんなこんなで、兄はそれ以来一切働かなくなりました。
長い、長いひきこもりの始まりとなったのです。
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