文字だけの、見えない君を探してる。 第十四夜 不安
金曜日がやって来た。完全に疲れた。
でも、あのノートを見ずにはいられない。
わたしは何故、こんなにも系列店を掛け持ちしているのか。
しばらく歩いていると、一軒の店が見えてくる。
店の戸には、のれんがかけられており、そこには『おあいそ』とある。
奇妙な寿司屋は、今日も同じ場所に存在していた。
かなえは、店の戸を開けた。
数人の男性客が黙々と回転寿司を食べている。かなえに目を向ける者はおらず、店内は異様な空気が漂い静まり返っていた。
奥では店主らしき人物が寿司を握っている手が