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文字だけの、見えない君を探してる。

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2021.5/11スタート。『文字だけの君』の、その後のストーリー。 “鋤柄直樹(仮)“にいつか逢えると信じ、探し続ける中条かなえ。かなえは、寿司屋『おあいそ』に通い詰めていた。… もっと読む
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記事一覧

文字だけの、見えない君を探してる。 第二十夜〈最終回〉 90分間の常連客

日曜日、かなえは外にいた。 そして突然、雨が降り出した。 「えっ、雨!?今日そんな予報じ…

佐藤そら
2年前
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文字だけの、見えない君を探してる。 第十九夜 宿れ、言霊

金曜日、かなえは、あの店へと向かった。 しばらく歩いていると、一軒の店が見えてくる。 店の…

佐藤そら
3年前
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文字だけの、見えない君を探してる。 第十八夜 ホンモノの鋤園

月曜日、オフィスに行くと桃華がうなだれていた。 「!?」 「あ、かなえ先輩。おはようござ…

佐藤そら
3年前
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文字だけの、見えない君を探してる。 第十七夜 雨は美学

金曜日がやって来た。 かなえは、先週の鋤柄への問いの答えを知るために、あの店へと向かった…

佐藤そら
3年前
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文字だけの、見えない君を探してる。 第十六夜 ニセモノの鋤園

カオス鋤園さん問題から、一夜明けたオフィス。 かなえは、桃華に聞きたいことがあり過ぎた。 …

佐藤そら
3年前
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文字だけの、見えない君を探してる。 第十五夜 嘘つき

また火曜日は巡って来た。 かなえの足は、あの店に向いていた。 暗闇の中に、明かりがついた…

佐藤そら
3年前
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文字だけの、見えない君を探してる。 第十四夜 不安

金曜日がやって来た。完全に疲れた。 でも、あのノートを見ずにはいられない。 わたしは何故、こんなにも系列店を掛け持ちしているのか。 しばらく歩いていると、一軒の店が見えてくる。 店の戸には、のれんがかけられており、そこには『おあいそ』とある。 奇妙な寿司屋は、今日も同じ場所に存在していた。 かなえは、店の戸を開けた。 数人の男性客が黙々と回転寿司を食べている。かなえに目を向ける者はおらず、店内は異様な空気が漂い静まり返っていた。 奥では店主らしき人物が寿司を握っている手が

文字だけの、見えない君を探してる。 第十三夜 桃華旋風

火曜日、仕事終わりのオフィス。 かなえのもとに、新入社員の塚本桃華がやって来た。 「かな…

佐藤そら
3年前
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文字だけの、見えない君を探してる。 第十二夜 嫉妬?

まだ、『ことだま』での出来事が頭から離れないでいる。 しかし、今日わたしには行かないとい…

佐藤そら
3年前
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文字だけの、見えない君を探してる。 第十一夜 再会

火曜日がやって来た。 今日は、“文字だけの君”が来ると言った日だ。 わたしは会う気はない。…

佐藤そら
3年前
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文字だけの、見えない君を探してる。 第十夜 約束の場所

金曜日、かなえは、気になり過ぎてあの店へと向かっていた。 しばらく歩いていると、一軒の店…

佐藤そら
3年前
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文字だけの、見えない君を探してる。 第九夜 鋤柄手法

火曜日がやって来た。 かなえの足は、あの店に向いていた。 鋤柄さんの件で舞い上がっていたが…

佐藤そら
3年前
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文字だけの、見えない君を探してる。 第八夜 悶絶案件

金曜日、かなえは、それでもあの店へと向かっていた。 しばらく歩いていると、一軒の店が見え…

佐藤そら
3年前
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文字だけの、見えない君を探してる。 第七夜 鋤園直子(仮)

火曜日がやって来た。 心の傷はまだ癒えていない。 かなえの足は、考えることもなくあの店に向いていた。 暗闇の中に、明かりがついた一軒の店が見えてくる。 店の戸には、のれんがかけられており、そこには『ことだま』とある。 奇妙なラーメン屋は、今日も同じ場所に存在していた。 かなえは、店の戸を開けた。 数人の男性客が黙々とラーメンを食べている。かなえに目を向ける者はおらず、店内は異様な空気が漂い静まり返っていた。 店内には一台のテレビがあり、テレビの横には一冊のノートとボールペ