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披露宴

昨日の天気は最悪だった。小降りな雨に、方向の定まらない強風。傘を裏返す人を何人も見た。湿度…。水分量が多くないか?ここはお水の国ですか?昨日の私は、誰かがわざとめちゃくちゃな天気にしているかのように、誰かに腹を立てた。

今月、披露宴の仕事をして丁度2年になる。

「美しく晴れると書いて、美晴。美晴は数年前に他界し、今日。息子の結婚式の為天国から応援してくれたんだと思います。」

今日初めて会った新郎新婦、その親族と友人。知らない2人の人生、平凡な日常の中で特に多くの人の心に残るであろう人生の一瞬に、私は触れている。

そっか、数年前にこの世を去った美晴さんという女性が、息子の大事な結婚式に今日、美しい晴れを用意してくれたのか。

自分の人生なのに、自分が主役じゃない瞬間を感じる。

2021.6.5

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