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褒められ下手を治すために始めた自己肯定感日記

「ありがとうございます...でも、たいしたことではないんです...」

これが長年の私の口癖だった。誰かに褒められると、まるで熱湯から逃げるように、すぐさま否定の言葉を返していた。その習慣を変えようと、今年から始めたのが「自己肯定感日記」だ。

きっかけは上司との面談

「君は自分の成果を過小評価しすぎているよ」

年初の評価面談で、上司からそう指摘された。確かに、プロジェクトで良い結果を出しても「チームのおかげです」と言い、新しいアイデアを提案しても「まだ荒削りですが...」と前置きをつけていた。

その習慣が自分のキャリアの足かせになっているかもしれない—。その気づきが、変化へのスタートとなった。

自己肯定感日記のルール

日記を始めるにあたり、シンプルなルールを設定した:

  1. 毎日、自分を褒められるポイントを最低3つ書く

  2. それぞれに対して「なぜそれが褒めるべきことなのか」を具体的に説明する

  3. 「でも」「けど」などの否定的な接続詞は使わない

  4. 小さなことでも必ず書き留める

最初の壁

始めてみると、想像以上に難しかった。「今日は何もうまくいかなかった」と思える日もある。そんな日は、「朝きちんと起きられた」「締め切りを守れた」「同僚に笑顔で挨拶できた」といった、当たり前に思えることも書き留めることにした。

次第に気づいたのは、その「当たり前」が実は当たり前ではないということ。日々の小さな努力や習慣が、実は大きな価値を持っていたのだ。

変化の兆し

日記を続けて3ヶ月が経った頃、少しずつ変化を感じ始めた。

まず、褒められたときの反応が変わってきた。「ありがとうございます」と素直に受け止められるようになった。相手の言葉を打ち消すのではなく、その評価を受け入れる余裕が出てきたのだ。

また、自分の成果を適切に伝えられるようになった。プロジェクトの振り返りで、「ここは私が工夫した点です」と、躊躇なく話せるようになった。

思わぬ副産物

自己肯定感が高まるにつれ、他者を褒めることも上手くなってきた。相手の努力や工夫を具体的に言語化する習慣が身についたからだ。

「この資料、データの見せ方が分かりやすいですね。特にグラフの色使いが効果的です」

このように具体的に褒めることで、チーム内のコミュニケーションも活性化してきた。

新しい発見

日記を続ける中で、自己肯定感の本質に気づいた。それは、完璧を目指すことではなく、努力のプロセスを認めること。失敗も含めて、自分の行動のすべてを受け入れることだ。

たとえば、プレゼンがうまくいかなかった日。以前なら「自分はダメだ」と落ち込んでいただろう。今は「緊張しながらも最後まで話し切れた」「質問に誠実に答えられた」という点を評価できるようになった。

これからの課題

まだ完璧とは言えない。特に精神的に疲れている時は、否定的な思考に流されがちだ。でも、それも自分の一部として受け入れられるようになってきた。

日記を始めて気づいたのは、自己肯定感は一朝一夕には育たないということ。毎日の小さな気づきと承認の積み重ねが、少しずつ自分を変えていく。

この習慣は、きっとこれからも続けていく。なぜなら、自分を認め、受け入れることは、人生の質を高める大切な投資だと信じているから。

そして、この記事を読んでいるあなたにも伝えたい。
あなたは、今この瞬間も、たくさんの「褒められるべきこと」を積み重ねているはずだと。

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