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悪魔の葬儀屋

「ねぇねぇ、知ってる?」
 短い昼休憩の間に少しでも疲れを取るため腕を枕にして眠っていた私は、どこからか聞こえる甲高い声で目が覚めてしまった。重い頭をゆっくりと起こせば若い女性が二人、手作りだろう弁当を突きながら楽しげに話している。どこの部署の人だろう……まずうちの部署ではない。うちの人間なら全員の顔はわかるし、何より数えるほどしかいないので知らない人どころか記憶が怪しい人もいない。
 若い二人はまわりを気にした様子もなく、よく通る声が人の少なくなった食堂に響いていた。
「最近『悪魔の葬儀屋』って話が流行ってるんだって」
「なにそれ、都市伝説かなにか?」
「そうそう、そんな感じ! なんかね、急に疲れたなーとか、なんかだるいなーと思ったら急に眼の前が真っ暗になって、気がついたら目の前にスーツの男が立ってるの。で、その男に『死にたいと思いますか?』って聞かれるんだって。そこで『死にたいです』って答えたら棺桶に入れられて火葬場に連れて行かれて焼かれるの。しかも! その火葬場は化け物が姿を変えててね、棺桶ごとバリバリって食べられるんだって! すごくない!?」
「いや、すごくはないって……。というか、誘拐? それ、『死にたくないです』って拒否したらどうなるの? 拒否しても連れて行かれるの?」
「いや、『死にたくない』って答えたらスゥって消えちゃうんだって」
「なるほど、一応対処っぽいものがあるのね。都市伝説っぽいといえばぽいけど、どうなのそれ」
「一部では流行ってるんだって。楽に死ねるからーって」
「ダメな方の流行り方だった……。絵美、関わっちゃダメだからね? あんたはそういうの鈍いから本当心配だわ……」
「えー? そんなことないけどなぁー」
 その後も二人はとりとめない話を続けていたが、睡魔に負けた私はしびれて感覚のなくなった腕に突っ伏した。

***

夜。真っ暗なオフィスの中、自分の叩くキーボードの音だけがオフィスに響く。モニターからの光だけがこの世界の唯一の明かりだ。
「…………。」
 無言で画面を見つめながら「どうしてこうなってしまったのか」と益体もないことを考えていた。
 はじめは、普通の仕事量だった。残業も殆どなく定時に帰ることができていたし、無茶な仕事内容を振られることもなかった。いつからかどんどん仕事が増えていって、時間内に処理できないから残業になって。残業したくないから作業スピードを上げたらもっと仕事を増やされて。結局残業することには変わりがなくて、でも作業スピードを下げることはできなくて。
 必死で仕事をしているのに終わりがない。必死で食らいついているのに終わりがない。
 仕事の内容も徐々に変わっていった。最初はサイトを維持するための作業だったり、修正だったりとそんなことばかりだったのに、数字を管理するようになってから私の周りがガラリと変わってしまった。目標の数字に届かないから怒鳴られる。朝から呼び出され、立たされる。昼には「このままの売上だと目標達成できないから」と呼び出されて夕方過ぎまで会議。もちろん、会議をしているから作業なんてできない。できないけど、仕事は貯まる。作業ができるのは終業時間の1時間前。1時間で終わる仕事内容じゃないから当然のように残業。日付が変わる前には帰れるが、それは「終バスがなくなるから」というだけで、更に遅い時間にバスが出るなら私の残業時間ももっと伸びただろう。一応役職持ちということで「みなし残業」だ。だから時間はどれだけ遅くなっても会社としては問題がない、関係がない。もちろんタイムカードは正常の時間のうちに押されている。押した後にもう一度席について仕事を続けるのだ。特に珍しいことでもなくなった。
 新しい人は入るけど、あまりの環境に長くは続かない。ひと月で辞めてしまう人が多かった。辞めていく背中を見ても何も思わなかった。ただ、「また人が減ったな」としか思わなかった。
 いつからだろう……。何も感じなくなったのは。怒鳴られ、脅され、搾取され。会社と家を往復する日々。何も変わらない日常。何も変わらない私。今の私は生きているのだろうか、それともただ死んでいないだけなのだろうか。わからない。自分が何もわからない。
「…………?」
 ふと、急に視界が暗くなったような気がした。パソコンのモニターはついているけど、明るさが少し落ちたような……。疲れで目が霞んだのかもしれない。そう思って目をこすってもモニターの光は明るくなるどころか更に暗くなった。
「…………。」
 明るさを最大値まで上げる。一瞬、手元が見えるまで明るくなったもののすぐに暗くなった。今のモニターはホタルの明かり程度まで落ちている。キーボードに印字されている文字さえ見えなくなった。
「…………。」
 あり得ない。
 ゾワゾワと、妙な感覚が足元を這い回る。寒くもないのに震えが来て、思わず腕をさすった。
 あり得ない。
 どんどん、視界が暗くなってくる。自分の席以外暗闇に飲まれてしまった。窓の外には文明の光が宿っているはずなのに、今はそんなものは無かったかのように黒い何かが存在しているだけだった。
 ――あり得ない。
「……――『死にたいと思いますか?』」
 耳元で、何かが聞こえた。
「!?」
 思わず後ろに飛び退いた。ガシャン、椅子が倒れる音が響く。書類が宙を舞う。でも、今の私にはそれらを気にする余裕は無かった。
「こんばんは」
 黒い世界の中、薄いモニターの明かりに男が一人、照らされていた。よれたネイビーのスーツを着た、気だるそうな男だ。へらりと笑ってはいるが目に光がない。私を取り囲む闇と同じ色をしていた。そのあまりにも人間らしさの感じない表情に寒気が一層強くなる。思わず男から目をそらした。……どこからか、粉っぽい、胸に留まるような奇妙な匂いがした。どこかで嗅いだことがある気がしたが、それが何かは思い出せない。
「人間、生きていれば人生に疲れることもあるでしょう。こんなクソみてぇな仕事場で働いていれば特にそうだ。人が入ってもすぐに辞めていく。どうにもこうにも、上手くいかない。良くなる気配は一向にない。こんな環境で仕事を続けりゃあ、体が壊れるのが先か、心が壊れるのが先か……。なら、壊れる前に楽になるのも一興じゃあないか、なぁ?」
 男がそう問いかける。感情のない声で問いかける。
「…………。」
 男の言葉に、私は頷きかけて――体が固まった。
 私は今まで、「苦しい」とも「辛い」とも思っていなかった。いや、気づいてなかった。気づけないほど心が疲れていたのだ。
 そうだ、私は辛かったのだ。――死にたいと、思ってしまうほど。
「――っ!」
 そう思った瞬間、言いようのない恐怖が全身を駆け巡った。ガタガタと体が震える。カチカチと奥歯が鳴る。
 気づけば私は両腕で自分を抱きしめていた。まるで、何かから身を守るように。見上げれば男と目があった。黒い、黒い目だ。光を吸い込んだように黒くて重い、光のない何かがそこにはあった。まるで人ではない何かに、理解の及ばない異形に見られているような感覚だった。
 ――死ぬ、殺される。
 ぶわっと冷や汗が吹き出した。私は今、何を目の前にしているのか理解した。愚鈍な私は今になってようやく気づいたのだ。あれが「死」そのものだと。気だるくも薄い笑みを浮かべるあれは私を死に追いやるナニカだ。人の形をしたナニカだ。私はそれが怖かった。何よりも恐ろしかった。
 身を守るようにして震えていると、頭上で息を吐く音が聞こえた。長い、長い溜息だ。思わず肩が跳ねる。目をつむり身をかがめて俯いていると、「今日もハズレだ」と小さく声が聞こえた。
 はずれ……ハズレとは、一体なんのことだろう? 疑問に思った私はあれほど恐怖していたにもかかわらず、顔を上げてしまっていた。ぱちり、男と視線が合う。男の目は先程までの恐ろしげな黒い目ではなく、どこか鈍い光を放つ焦げ茶色の瞳になっていた。
「は、ぁ……」
 肺から空気が抜けた。今の男は死んだような目をしているが、さっき見たときよりもまだ人間らしい目をしていたのだ。肩から力が抜ける。体中を駆け巡っていた恐怖が徐々に収まっていくのを感じる。
 ――だから、だろうか。
「あ、の……ハズレって、なんですか?」
 気がつけば私はそう口にしていた。ほとんど無意識だった。自分でも何を言ったのか理解できずに口を抑える。あれだけ恐ろしい目にあったのに、自分は一体何をしているのか。これでまた男の目に光が無くなったらどうするのか。考えただけでまた体が震えてきた。
 一人焦る私をよそに、いくらか人間味の戻った男はこちらを気にした様子もなく首元をさすっていた。
「……生きたい、と思うことは悪いことじゃない。誰だって死にたくはないさ。『死ぬのが怖い』と思うお前のその感情は、人間として当たり前のもんだ。……だが、世の中には追い詰められすぎて死ぬことが救済になるヤツもいるんだよ。俺はそんな人間を苦しませず楽にしてやることを生業としている。死にたくないと思うヤツを連れて行くのは俺の矜持に反するんだ。だからお前は『ハズレ』なんだよ」
「…………。」
 答えてくれるとは思わず、私は呆然としてしまった。眼の前の男はこちらに興味がなくなったのか、面倒くさそうにあくびをしている。よく見れば目元にクマがあった。あまり眠れていないのだろうか。それにしては頭に寝癖の跡がついている。
「生業って、どういうことでしょうか」
 私は自分の意志で男に問いかけてみた。恐怖はあったが、それよりも男への興味が上回った。
 ――けれど。私の問いに答えたのは、男ではなかった。
 男の後ろから闇よりも暗いナニカが溢れた。ナニカは絡まり、溶け合い、一つの形を取った。人の形をしているが顔はない、奇妙なナニカ。見ているだけで精神が不安になってくる。長く見続ければ恐怖で頭がおかしくなるような……。私はとっさに顔を伏せた。どくどくと心臓がうるさいぐらいに早鐘を打つ。
【吾が人間の魂を求めているからだ】
 奇妙な物体はそう言葉にした。鼓膜を突き抜ける甲高い声のような、地を這うほど低い声のような、不思議な音だった。あまり長く聞いてはいけないと本能が告げる。
 耳をふさごうかと悩んだが、次に聞こえてきたのは異形の音ではなく、あの男の声だった。
「俺はこの悪魔に人間の魂を引き渡すことを『生業』にしている」
 両腕を広げながら首を傾げる男は大道芸人のような……あるいは、十字架に磔にされたような姿だった。
「……昔は俺も、お前と似たような境遇だった。会社に使われ搾り取られ、身も心もボロボロになった。けど、俺は死にたくなかった。徐々に命が削られるのを感じてはいたが、生きることを諦めたくなかった。そんなときだ、コレが目の前に現れたのは。死ぬ直前の人間の目の前に現れ、魂を持っていく悪魔だ。悪魔は俺を殺そうとしたが、当然反抗した。死にたくないから抗った。そしたら何故か気に入られちまってな……。一つ、契約をすることになった」
「…………。」
「『お前を生かす代わりに、他の人間の魂を捧げろ』ってな。俺は考えることなく頷いた。生きることができるなら何でも良かった。けどまぁ、悪魔に魂を売った俺だが絞り粕のような良心は残っててなぁ。死を望んでいるヤツの前にだけ現れることにしたのさ。それでも人間、本当に死ぬってなりゃあ受け入れることが出来ずに発狂したりするもんだが、一定数はそのまま受け入れるヤツもいる。そんなヤツらを悪魔に引き渡してるんだよ、俺は」
 言い終わると男は頭をかきつつ重い溜息をついた。
「……なんでこんなこと話しちまったかなぁ」
「?」
 ボソボソと小さい声で話すので聞き取れなかった。聞こえるところまで近づこうとした私の目の前に手がかざされる。びっくりして顔を上げれば、指の隙間からこちらを伺う男の顔が見えた。
「生きたいのなら、さっさとこんな仕事辞めちまえよ」
 あ、と思うまもなく視界が黒に塗りつぶされた。光がなくなったと気づいた頃には、世界は元の姿に戻っていた。薄暗いオフィスに、私のデスクを照らす明るいモニター。窓の向こうには、家に灯る文明の光があった。
「あれは……夢?」
 私の意識はまだ、夢と現の間を彷徨っていた。現実と思うにはあまりにも非合理的で、夢と言うにはあまりにもはっきりし過ぎていた。
 辺りには胸につっかえる妙な匂いが少しだけ残っている。
「……帰ろう」
 重い体を無理やり動かし帰り支度を済ませ、家路についた。
 もう、仕事をする気にはなれなかった。

次の日、私は会社に辞表を出した。社長とか会長の顔は見たくなかったので、事務室に置いてきた。後の手続きが面倒だけど、今の私にはこれが精一杯だった。
 会社を出た私は、少しだけ胸のつかえが下りたような気がした。会社をやめることに恐怖と不安を感じていたが、いざ辞めてみると心を縛る鎖が解かれた気がしたのだ。まだ前を向いて歩く元気は戻っていないが、死を望むようなことはない。それは、私にとって大きな前進だった。
 そのまま家に帰り、ベッドに横たわる。昼間に仕事をしていないことに若干の罪悪感を感じるが、何とも言えない充足感があった。ようやく――本当に、ようやく、私は開放されたのだ。
「……あの人、今日もいるのかな」
 寝転びながらぼんやりしていると、昨日の出来事を思い出した。恐ろしくて、どこか人間味のある人。怖くて恐ろしい目にあったけれど、私を地獄から救ってくれた人。冷たくて、利己的で、でもおせっかい焼きのお人好しな人……。
 私はベッドから起き上がると、動きやすい格好に着替えた。なんとなくもう一度あの人に会いたくなったからだ。流石に昼間から活動していないだろうから探すのは夜だ。私は夜になるまでネットで調べ物をした後、日がとっぷりと暮れたのを確認してから行動を開始した。
 夜の街に無計画で繰り出す。暗くて心細くなるが今の自分には昼間の明るさよりも居心地が良かった。そのまま気の赴くまま歩いて行くと、町外れの広い土地にたどり着いた。田舎にある、用途の分からない空き地だ。……空き地のはずだ。
「なに、これ……」
 そこには形容し難い構造物があった。黒い何かがねじれながら天に向かって伸びている。土台の部分は大きく、車一台なら簡単に飲み込めそうな広さがあった。ここでも、あの粉っぽい、表現しにくい匂いが漂っている。
 私は恐る恐る構造物に近づいた。黒いそれは光を反射しにくいのか鈍い色をしている。硬そうにも、柔らかそうにも見えた。ゆっくりと手を伸ばす。あと少し、あと少しで指先に触れる――。
「わぁっ!」
「ひょわぁ!?」
 後ろから聞こえる大きな声に思わず飛び上がった。荒ぶる心臓を抑えながら振り向けば、そこにはよれたネイビーのスーツを着た、眠たげな男が立っていた。
「葬儀屋さん!」
 彼の姿を見て思わず顔が緩む。……そういえば、最後に笑ったのはいつだったか。こんな風に嬉しい気持ちになったのはいつ以来だろうか。
 そんな悲しいことを思いながらもニコニコしながら彼を見ていると、男はぎょっとしたような顔をした。
「葬儀屋さん……? あの、どうかしましたか?」
「え、あー、いえ、別に、なにも」
 モゴモゴと口の中で言葉をつまらせつつ、彼は頭をかく。……髪の下、うなじの付近に変な模様が描いてあるのが見えた。
「と、いうより、あなた、なんでこんな場所に来たんです? ってか、普通の人は見えないし近寄れもしないはずなんだが……」
「……あなたに会いたいと思って、闇の深い方へと歩いてきたんです」
 私がそう答えると、彼はものすごい速さで後ろを振り返った。そこには闇より暗いナニカがぼうっと突っ立っていた。あの日見た『悪魔』だった。
「あ、あの! 何か手伝えることはないですか?」
 彼の様子は気になったが、私はここまで来る間に考えていたことを早く彼に伝えたくて少し早口になりながら想いを口にする。
「は……はぁ!?」
 彼は今度こそ驚いた顔をした。眠たげに細められていた目が見開かれる。……うん、ちょっと可愛い。
「私、あなたに助けられたんです。自分が辛かったことに気づけて、会社をやめることが出来て。ようやく開放されたっていうか……。あなたには感謝してもしきれないんです。だから、今度は私があなたを助けたいんです!」
「いや、そういうのは――」
「何かお手伝いすることはありませんか? 私、何でもしますから!」
「ちょ、いや、だから、」
 彼は視線をさまよわせたあと、後ろの悪魔に目を向けた。男の視線を受けた悪魔の顔がパカリ、と大きく横に裂けた。……どうやら笑っているらしい。悪魔らしい笑い方だった。
「あー……」
 気の抜けた声を出したあと、彼は手を目に当てて天を仰いだ。とても疲れた様子だった。私は手を組み、そっと息を呑む。断られたらどうしよう。私だって思いつきで言ったわけではない。彼の手伝いをするっていうことは、悪魔の手伝いをするっていうことだ。それがどういう意味を持つか――それくらい、覚悟の上なのだ。
「……本当に、何でもするんですか?」
「は、はい」
「本当の本当に?」
「はい。何でもします。……私、あなたの力になりたいんです」
 じっと、彼の目を見つめる。優しい光を宿す茶色の瞳がこちらを見ている。彼が、私を見つめている。そのことに体温が上がっていくのを感じつつも、私は決して目をそらさないように彼のことを見つめ続けた。
 いつまで見つめ合っていたのだろう。
「――分かった」
 彼は目を閉じて軽く息を吐くと、ふにゃりと笑みをこぼした。今まで見たことがない優しい顔だった。
「……!! ……!?」
 顔がますます熱くなる。指先の感覚がない。なんだか視界も歪んできた。
 静かにパニックになる私の頭を、彼はあやすようにゆっくりとなでた。
「そこまで言うなら――俺と、地獄の果てまで付き合ってもらうぞ」

「ねぇねぇ、知ってる?『悪魔の葬儀屋』の話」
「知ってる知ってる、生きることに絶望した人の前に現れる怪奇現象だよね」
「そうそう。急に視界が暗くなって、後ろから男に声をかけられるんだ。『死にたいと思いますか?』って」
「死にたいって答えると、苦しみもなく楽に殺してくれるんだよ」
「生きたまま棺桶に詰められて、火葬場に連れて行かれるんだ。そのまま悪魔の扮した火葬場に入れられて棺桶ごと食べられる」
「でも、死にたくないって答えると女の声で『生きたいなら逃げなさい』って言われるんだ」
「その言葉通り逃げ切れば助かるんだけど、逃げないままだと棺桶に入れられて殺される。じっくりじっくり、火に炙られて殺される」
「その場から逃げられても、死にたいと思えばいつでも葬儀屋はやってくる。ちゃんと生きたいと思うまで、何度でも何度でもやってくる」
「生きたいと強く思わなければ、逃げられない。死にたくないと強く思わなければ、逃げ切れない」
「何度も何度も、死にさそわれる」
「何度も何度も、死にいざなわれる」

――巷では、そんな噂が囁かれるようになったという。

photo by Luca Bravo(https://unsplash.com/@lucabravo/)

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