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私が結婚できなかった、たった一つの理由

こんにちは。ご覧いただきありがとうございます!
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現実感はいまいち付いていっていないながらも、結婚の話はどんどん進んでいる。式場の内金も入れたし、結婚指輪ももうできている。プロポーズ的なこともしてもらったし両親の顔合わせもやった。

そう、私は結婚しようとしている、というか、むしろもう婚約していると言って良い。

相変わらずこだわりが強く、要領が悪く、お風呂に入るのに1時間半もかかり、料理はもう5年以上やったことがなく、寝る時には耳栓とアイマスクと口テープが必須なこの私が、明るく楽しく愛情あふれる自己完結型オタクで、家族友人みんなが絶賛する好青年(もうアラフィフだから青年じゃない!好おじさん??)と結婚しようとしている。

「あれ?どうやらワタシ結婚できそうにないぞ」と思い始めてから20年余り、私は、自分の数えきれないくらいたくさんの欠点を直さないと、結婚ということはできないのだと思い込んでいた。

と同時に、欠点だらけの私が欠点を直したらそれはもはや別人じゃないか、という腑に落ちなさも感じており、私が私でなくなるぐらいなら、ひとりでたくましく生きて行ってやろうではないかと開き直っていた。

そんな私が、何ひとつ欠点の是正なんてしないまま、結婚しようとしている。自分がいちばんビックリしている。

私だって若い頃には、『この人と結婚するために』とか『ルールズ』といった結婚に到達するための法則本を買ったりもした。『この人と結婚するために』は、読まずに数年放置して捨ててしまったが、結婚した友人が絶賛していた『ルールズ』は続編まで買ったし、なんなら何回か実行しようともした。

だが結局、今の恋人には、法則的なことすら気にもかけなかった。
なんだかしらんが、マッチングアプリで最初のメッセージ一往復したときから妙に喋りやすく、これまでの恋愛よりも圧倒的にらくちんに無理せずに当たり前のようにひとつひとつのステップが進んでいた。

45歳過ぎまで独身で、おっさんばかりの職場で何年も暮らして干物女も軽く通り過ぎた第三形態ぐらいだというのに、こんなことがあるのである。

婚礼写真も撮り終わったいまになって、私にはわかっていることがある。
何百回も私が自分自身に発した問い「なんで私は結婚できないのか?」に対する答えを、いま、私は知っている。

答えは「独身でいたいと思っている男性と付き合っていたから」だ。
多分、それだけのことだったんだ。

断絶期間もあったものの、足掛け20年くらい、元カレとはすったもんだしていた。付き合い始めると元カレは徐々に私にイライラしはじめ、やがて別れて、半年ぐらいするとまた元カレから連絡が来て、ついヨリを戻すという不毛なループを何サイクルも繰り返した。

その間、彼はずっと、結婚には気乗りがしない、まして子供は欲しくない、という価値観をことあるごとに示しつつ、私が去って行きそうになると「あなたの気持ちもちゃんと考えるから」的な譲歩を匂わせた。

うまくいかない恋愛というのは愛憎いりまじるものだ。そんな元カレを何回恨めしく思ったかしれない。

最後の最後、もうこれ以上は待てないと期限を切って、結論を出すように要請した私に、数週間検討した彼が伝えた言葉は「あなたのことは好きだけど、自分は結婚という制度はどうしても納得がいかないんだ」であった。
(このニュアンスを、誰か、わかるわかる!と言ってくださる方がいたら、なんだかお仲間感で、嬉しい)

今はわかる。そもそも結婚願望がない人は、結局は結婚しないのだ。
いくら一時的に譲歩を匂わせたところで、それはただの先延ばしでしかない。ヨリを戻すとすぐに、仕事が…とか、親の状況が…とか、「当面は結婚ができないムード」を散りばめはじめる元カレを相手に、一喜一憂していた私が愚かだったのだ。

私は面倒くさくて偏屈なこじらせだから、やはり偏屈な元カレとしか合わないのだと、外の世界も見ようとせずに決め付けていた。私がバカだったし、たぶん、元カレを失いたくない変わりたくない私が臆病だった。
今はもう、元カレへの黒い感情は何もない。好きという気持ちと一緒に、憎しみも消えたんだろう。

愛犬が虹の橋を渡るのを見送って1年経って、人生後半を一緒に歩くパートナーがいたらいいなと強く思うようになった。何年も長い間、婚活なんてしたくないと思っていたけれど、一歩踏み出そうと思った。
そういうタイミングで、今の恋人に出会えた。

心の準備ができたから、出会えたんだろう。

こうやって自分からアクションしたら出会えるのなら、もっと早くに活動すれば良かったのかも…と何回か思った。そうしたら出産適齢期のうちに結婚できたのかもしれない。でも、そうしたら、相手は今の恋人ではない。
お互いの、逢うべきときに、出会えたってことなんだろう。

私は、いまが良くて、相手は彼が良い。
そもそも、たらればの話をしても何の意味も無いんだけどね。

30歳を過ぎた独身女性、40歳を過ぎた独身女性、45歳を過ぎた独身女性…。いくら自分の人生を頑張っているつもりでも、周囲から届く「アナタはもう市場価値が低いですよ」という様々な情報に、メンタルを削られてきた長い長い時期。

でも結局、統計は全体的な傾向なのであって、個人の幸せはケースバイケースだ。私は、最も市場価値が高いであろう20代で、幸せな結婚には至らなかった。けれども、市場価値なんて下がり切ったアラフィフのいま、大好きなパートナーに出会えて、とても幸せだ。

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