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短編 (感謝状)

僕は君の中の僕
君は僕の中の君

僕はあの日の君の姿をじっと見つめながら
君の中を旅していたのかもしれない
君の見ている景色、思うこと、感じている空気、聞こえている音…
その瞬間にある君の全てをどうにか知り得ることはできないものかと心静かにじっとその呼吸する姿、言葉を出す口や指や脚の動き一挙手一投足全てを観察してしまっていたんだと思う
その纏っている存在感そのものを、体感すると言うよりは探るかのように…

そこに当たりも外れもない
いま、その瞬間の君を僕は知りたかった
そして僕の事をどんな風に見ているのか
そこまで知り得ることができないか…
そんなことまで考えていたんだ

それはとても窮屈だと思うし
僕は間違っていたのかもしれない
でも
僕にとってその瞬間がとても幸せで心地よかったんだ。何者にも変え難いとても大切な時間だったんだ。
君の事を好きになれて良かったと
いつも暮れになる度に思うし
年が明けても同じように思えている事
それがまたとても幸せでね
こんなこといつまでも続くわけないと
ずっと思っていたのに
今もそんなふうに思っていたのに

どうしてもダメなんだ
君無しの僕は
もう存在する事ができなくなってしまったんだ

居てくれてありがとう
その存在がなかったら
きっとこんな感情を知ることもなかっただろう
これからもよろしく
いつまでもなんて言わない
僕が嫌になるまでお付き合いください

ありがとう…
本当にありがとう


大切な君へ
僕からの感謝状
届きますように☆。.:*・゜




これは、浅草へ初詣に行く途中に突然湧いてきた言葉をメモしたところから始まった物語です
夕陽を背に進む道のり
通り過ぎる街並み
人の流れ
揺れるバスの中
ふとこんなストーリーを思い描いて
退屈しのぎをしていました

日常の中に常にフィクションを綴っている
年中無休の思考なのですが
こうした形に残せることはかなり少なく
これからは、少しでも多く残せたらいいな
なんて思っています。

この話のきっかけの日にとった
夕日に染るスカイツリーです
雷門前の横断歩道を渡りながら撮りました


お読みいただき
ありがとうございましたm(*_ _)m

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