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愛される人

今日はとてもホッコリしている。
私の心の中に♡このハートみたいな形の暖かいものがある・・・気がする。

私は、ダブルワークで2箇所のバイトに行っている。今日はCafe勤務の日。
 ホールの担当なので、キッチンは一切やらない。もちろんここでも、安定の最年長。
色んな意味でどっしりしている。

今日は、ご予約のお客様の中で、奥様にサプライズのお祝いをされるお客様がいらっしゃる。数日前に予約台帳にお食事の後サプライズと書かれた。
 「良いなぁ」素直にそう思う。

どうやら、ご主人が何日か前に来店され、この日に、サプライズでお祝いしたいと伝えにみえたらしい。

私は、もうすぐ結婚30年近くになるんだけど、こんなこと1度もしてなし、してもらったことも無い。
結婚当初は主人の誕生日にプレゼントを用意したり、食事を豪華に作ったり、外食したり、ケーキを用意したりしたものだ。

 子供も産まれ、子供中心になり、夫婦の誕生日を祝うことは無くなっていったのです。

過去に「誕生日なのに何もしてもらってなーい」って、言ったことがあるんだけど、その答えが
「おれ、小遣い制だし、余裕ない。好きな物いつも買ってるんだから、買ってこればいいじゃん」って言われたのです。

子供が大きくなってきた頃、子供たちが親の誕生日というのを気にしてくれるようになり、「母さんの誕生日だよ、ケーキどうする?」とか言うようになり、誰かが買いに行き、夕飯の後にケーキを食べるという儀式的なものが、今は私だけでなく家族の誕生日にも行われている。

盛り上がることも無く「おめでとー」って言って、食べた後は皆、各自室へ戻っていく。

子供たちがまだ、社会人になる前などは、それなりにノリも良かった。
スマホでバースデーソングを流しながらケーキを持った子供がリビングに踊りながら登場し、部屋を暗くして、ハッピーバースデーを家族で歌い、キャンドルを消し「イェーイ」とか言い、誕生日の人は今年の抱負を述べるというまでの流れを動画を撮りながらやっていた。

今は、部屋を暗くすることも無く、歌もたまにしか歌わない(歌うんだ?!笑)ケーキもあまり食べられなくなり、小さいホールケーキで充分になってきている。

今、思い出したことがある。
誕生日はお祝いしてもらうんじゃなくて、産まれてきたことを親に感謝する日だ!みたいなのありませんでした?

それもわかるけど、やっぱり自分の誕生日を祝って欲しい日だよね?
その中で本人が「ありがとう」って、少しだけ日々関わる人たちへ感謝の気持ちを、
心の中でもいいから思える誕生日だとしたら?それは、この1年幸せに過ごしてこれたんだね。ってことで良くない?

いかん!話が脱線しました。

そんなご夫婦が来店された頃には、周りのテーブルも埋まってきていて、他のお客様もこのサプライズに気づいたら一緒に拍手とかしてくれるのかなあ?とか思いながら、各テーブルにお料理を運んで、ランチの時間はバタバタと過ぎていった。

優しそうなご主人と、優しそうな奥様。
そう、どちらも優しそう。
2人の表情はとても穏やか。

食事が終わる頃をみはからって、キッチンへサプライズのスウィーツを作り始めるタイミングを伝える。
ご主人、ドキドキしてるかなあ?
奥様、この後の展開知らないのかなぁ?
 ソワソワしてしまった。

もう1人の学生バイトの女の子は
「私が、ドキドキしてきちゃった」と言っていた。
もう・・・可愛いなぁ。
お料理のお皿を下げてきた。

奥様、帰ろうとしないでね。
ご主人、ほら、会話してつないでおいて。
スウィーツのプレートを出すまでの時間がとても長く感じられた。
ご主人は奥様とは反対側の窓の外の景色を見ている。
キッチンから声がかかり
私がプレートを、学生の子がデザート用のカトラリーを持って後ろから着いてきてくれた。
「お待たせ致しました。ご主人様から、奥様へお誕生日のお祝いプレートです。本日はおめでとうございます。」みたいなことを言ったと思う。私の記憶力問題!

 奥様のお顔がちょっと驚いた表情になり、その後とても優しい、嬉しそうな笑顔になったのを横目で確認!
宜しければお写真、撮りましょうか?
お2人で並んでどうですか?とお声掛けすると、
奥様が「ぜひ」と仰って、若いバイトちゃんが、スマホを受け取り撮ってくれた。
私じゃ、きっと上手く撮れない。
ありがとう、若い君!

2人がその後、どんな会話をしたかもわからないけど、一緒にプレートのスウィーツを召し上がってしばらくしてから、お店を後にされました。

仲良しの夫婦。お互いがお互いを思っているのがわかる。おいくつくらいなんだろ?
お子様はいらっしゃるのかな?
お誕生日サプライズは今回が初めてなのかな?
ご主人のお誕生日には奥様何をするんだろう?
色々思った。

今、私たち夫婦は、お互いのことを考える時間もなくなり、気にかけることも無く、毎日パターン化された生活リズムを刻み続け、マイペースに生きている。

こんな私たちが、この夫婦のように、そっと寄り添って、日々の中で、お互いの事をおもったり、考えたりして、横に並んで同じ方向を向き、人生を歩んで行くことは無い気がする。

色んな夫婦がいる。

今の、私たち夫婦の姿は、私たちが作ってきてしまったもの。
私がしてきた事が、主人をそうさせたのだし、それはもちろん反対の立場もしかり。

今日、サプライズでお祝いされていた奥様はきっと、日々、ご主人の事を思い、寄り添い、助けて、同じ方向を向いて来られたんだと思う。そして、今も愛されているし、これからも愛される。そして、サプライズでお祝いしてあげたい!とご主人に思わせるのだ。

そういうことだよ、私。
私はそれが、上手く出来ないんだよ。
それも私だし、私の人生なんだよね。

冒頭、してもらったことがない
なんて言ってるところだよ!私よ!

愛される人には愛される理由がある

そう思った出来事でした。

皆様はどんな夫婦でしょうか?
パートナーの心にも気持ちにも寄り添っておられますか?


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