空通信vol._101【姫路の大学生が送る】姫路の魅力発信インタビューVol.32【コワーキングスペースmocco 梶原さん】
「今を120%、150%で生きること、人に生かされる人生ではなく、自分の意思で生きることが大事。」
こんにちは!コミュニティスペース空の宮下です。
今回、建築事務所とコワーキングスペースを運営している梶原さんにインタビューをさせていただきました。
理系大学出身ながら、なぜ人とのつながりや出会いの場を作っているのか?を聞いてきましたので、ぜひご覧ください!
▼生物が好きだった学生時代
神戸市出身の梶原さんは学生のころから生物が好きでした。
いろんな生き物に触れていた結果、近畿大学の遺伝子工学科へ入学。
卒論は”真珠の人工培養と解析”という見事に理系ど真ん中な学生生活を送っていたそうです。
今もお付き合いのある同級生には科学者も多いのですが、なぜ科学者の道からサラリーマンの道へ進んだのでしょう。
「科学者になるには道のりが険しい。助手から始めて教授になるというキャリアに魅力を感じなかったんです。当時の僕は早く社会に出てお金を稼ぎたいという思いが強かったですね。」
近畿大学を卒業後、MR(医薬情報担当者)として製薬会社へ新卒入社。薬を使って人を助けるというミッションに惹かれ、入社を決めたそうです。
梶原さんのキャリアのスタートは、「困っている人のためになる」仕事であるMR職でした。
▼MRから建築士へ
MRとして3年ほど働いた梶原さんは自分がMRにあまり興味を持てなくなっていることに気づきます。
「自分がやりたいことってなんだっけ?」
そう考えた梶原さんは、高校時代を思い返します。
ここで自分が生物が好きであったと同時に建築にも興味があったのですが、物理を専攻していなかったことで建築系の大学に進まなかったことを思い出します。
「まだやり直せる!」
ここから梶原さんの修行の日々が始まります。
まずは建築士の資格をとるために大阪の夜間専門学校へ入学。当時26歳の再スタートです。
一級建築士の資格を取るためには、2年間の勉強と実務経験を4年積まないと試験を受けることができない。
最短で資格を取るために、昼は設計事務所でバイト、夜は専門学校で勉強という日々が続きました。
専門学校を卒業後、バイトしていた設計事務所へ入社し、その後姫路に戻るまでの約10年間を過ごします。
MR時代に病院を回っている中で、病院を建築してみたいという思いになったこともあり、医療への関わり方を変えてみようと思ったことも設計を目指した理由の一つだったそうです。
打ち合わせを積み重ねて、建物ができた瞬間の達成感は格別だと梶原さんは語ります。
その後、姫路へ帰ってくるタイミングがあり、そこで独立して設計事務所を立ち上げる決意をしました。
▼独立のハードル
深く戦略立てをせずに独立したため、当初は仕事を見つけることが大変だったそう。
「事務所は構えずに自宅で開業したが、扱う仕事はほとんど大阪府から発注を受けたもの。姫路にいる意味ないやん!と最初は思いましたね。」
今では笑って話す梶原さんでしたが、様々な努力を行っていたそうです。
2012年に梶原さんに転機が訪れます。
今では一般的になった「コワーキングスペース」ですが、約10年前ではまだまだ世間に浸透していませんでした。
ですが、梶原さんは「コワーキングスペース」に大きな魅力を感じ、惹かれていくようになります。
「個人の設計事務所はなかなか仕事を取りにくい。だけど、コワーキングスペースを開くことでいろんな人が集まり、自分の設計の仕事や利用者同士で全く新しい取り組みが始まったら面白いだろうな」
こうして梶原さんはコワーキングスペースを開くことになります。
「当初は今とは別の場所にコワーキングスペースがあったのですが、そこを借りることができたのは人脈があったおかげで、自分だけでは開業まで進めるのは難しかった」
人とのつながりによって、自分がやりたいことが前に進んでいくという経験は、コワーキングスペース内のつながりから新しい事業を始めることができる可能性を感じさせる出来事でした。
▼コワーキングスペースmoccoのオープン
↑現mocco姫路
自分が建築士であることもあり、コワーキングスペースmoccoの設計はすべて自分で行いました。
設計だけでなく、内装も自分や知り合いの手を借りて作り上げ、完成した際には
「自分の城ができた!」
という気持ちになったそう。
ですが、設計することと運営することは話が別。
コワーキングスペースがまだ浸透していないオープン当時は経営を安定させることに苦労します。
「とにかくいろんな人に使ってもらって、知ってもらおう」
今のmoccoで行っているイベントにもつながっていくのですが、現在以上にいろいろなイベントをしていたそうです。
「ビール、おでん、パブリックビューイング、ご当地キャラ、クラブなど様々なイベントを行うことで、認知を広げて行きました。」
イベントや認知が広がることで、徐々にお客様も増えていきます。
そして、2017年、姫路駅前の現在の場所へ移転。
自分たちで作った家具はほとんどそのまま持ってきており、当時の魂をそのまま引き継いでいる部分もあります。
駅前に移転したことでお客様の数はかなり増えたそう。
ですが、コロナの影響により一気にお客様の利用が減少。
「このままだと、設計もコワーキングもどっちも立ち行かなくなってしまう。」
そう考えた梶原さんは、”自分には何が求められているのか?”を考えた結果、”自分の力をコワーキング事業へ注力する”ことを決めます。
2店舗目のコワーキングスペース出店を考えている際に、お客様から、加古川にも出してほしいという要望が多くなったこと、商圏も悪くなくいい物件が見つかったことで加古川への出店を決意。
コロナ真っ只中の2021年1月にmocco加古川をオープンしました。
↑mocco加古川
▼コワーキングスペースが提供する”情報との出会い”
「今、自分に求められているのは自分だけが動くのではなく、みんなでmoccoを盛り上げていく為の土台を作っていくこと」
梶原さんはmoccoでは現場で動くのではなく、moccoの中のイベントや取り組みを企画し、みんなに動いてもらうようにする”マネージメント”に力を入れています。
様々なイベントを行う中で、播磨エリアで一般向けに話す機会の少ない方に登壇してもらい、”予定調和にない情報に出会う”ことの楽しさを広げていきたいと梶原さんは語ります。
「例えば音楽アプリで知っている曲を聞くよりも、ラジオで自分の知らない曲に出会う方が新しい選択肢が増える。」
「これまでに調べようと思ったこともない情報と出会うことで、自分にとって新しい選択肢が増え、その人が幸せと思える人生を選択できるようにしたい。」
情報過多な今の世の中で興味があると自覚している情報だけでなく、知らなかっただけで心の奥底では興味のあることだったという情報との出会いの場をmoccoでは提供していきたい。そのために様々なイベントやmocco内でのコミュニケーションも活発に行っています。
みんなが大学に行って就職するからという理由で進路を決めようとしていた高校生が、新しい情報と出会うことにより、新しい選択肢を見つけたといったこともmoccoではあるそうです。
▼遠回りの人生でも、気づいたら意外といいところにいるもの
梶原さんは人生における大切なこととして、
「今を120%の力で取り組むことが大事。それで失敗や後悔しても、気づいたら意外と理想に近づいていたりするもの」
と話してくださいました。
「人に生かされるのではなく、自分の意思で選択して決める。その意思に対して全力で取り組むから、新しい次の選択肢が生まれる。」
この記事を読んでいる学生の皆様にも心当たりがあるのではないでしょうか?
「みんな就職するから興味もない会社に行く。」
「安定しているから、この仕事に就きたい。」
価値観こそ人それぞれですが、10年後、20年後の自分が過去を振り返ったときに後悔しない選択をすること。
そのために様々な情報に触れ、チャレンジをしていくことが大事なんだと、このインタビューを通して感じました。
◆◇◆◇◆店舗情報◆◇◆◇◆◇
店舗:mocco姫路
住所:兵庫県姫路市南町76 姫路城陽ビル4F
TEL: 079-287-9717
Open:9:00 - 21:00 ※年末年始のみ休み
ホームページ:https://moccomocco.net/
Twitter:https://twitter.com/moccohimeji
Facebook:https://www.facebook.com/moccocoworking
店舗:mocco加古川
住所:兵庫県加古川市加古川町篠原町13-3加古川まるいビル1F
TEL:079-497-5959
Open:9:00 - 21:00 ※年末年始のみ休み
ホームページ:https://moccomocco.net/kakogawa/
Twitter:https://twitter.com/moccokakogawa
Facebook:https://www.facebook.com/moccokakogawa
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?