発達障害の息子が憑依されていると専門家に言われ浄霊師を紹介された話について

はじめに

前回までの「憑依現象」についての背景知識と理論を踏まえて、私と息子が一般的に霊能者と言われる方などに「憑依」されていると言われた現象について考察してみたいと思います。

このような出来事を、一般的には一笑に付して霊能者側の誤った解釈として終わらすか、真剣に捉えて怯え何らかの霊がとりついてしまった、と解釈するのかの二者択一だと思われます。

つまり、「憑依現象」をあるものとして扱うか、無いものとして扱うか、という二択です。

おそらくこのような現象や体験は、経験があっても多くの人は語らないだけで、陰では沢山の人が混乱し、悩んでいる事柄なのだろうと考えます。

なぜなら科学が発達した現代社会においても。心霊現象を扱う人は昔からいるし、宗教や信仰は人間の死と存在を問いかける根源的、本能的現象なので無くなることはありません。

しかしながら、この分野は表層的な社会から忌み嫌われるか、馬鹿にされるか、無視されるかばかりでほとんど進歩していません。

つまりその分野で長くご活躍されている霊能者と言われる人々の知識や能力の差がありすぎることや、知識自体が100年前の知識からアップデートしていない場合が多いです。

つまり、施術者と依頼者の間で作られる古い世界観にはまり込み、その世界はますます現代の価値観や考えから乖離しています。

そして霊能者と言われる側は、客観的なチェックをされる機会が皆無なのでエゴが増長し、場合によっては人格障害や精神病理を呈したりもしていますが気がつきません。

そうなると自分の言動がクライアントを脅す結果になることが、単純に気がつかづ、側から見ると詐欺行為にしか見えない状況になっているのに気がつきません。

では霊能者側が詐欺行為を単にしているのでしょうか!?意図的な詐欺でなくとも、彼ら自身が何らかの精神疾患や病理的な現象だが、気がつかづにいるのでしょうか!?

私はヒーラーやチャネラー、リーディングや霊能者と呼ばれる方々と多く関わってきました。私の主観ですが。彼らが嘘を言ったり単純に精神的な疾患や問題を抱えている、というような様子はあまり感じた事はありませんでした。

しかしながら、霊能者と言われる人々と話をしていてよく思うのは、彼らはリーディングやヒーリング的な才能は有りながらも、あまり宗教やスピリチュアル、認知科学や心理学、そして哲学的な知識が殆ど知らないことに気がつかされます。

仏教の「空」の概念もあやふやだし、「非二元」「ノンデュアリティ」という言葉すらも知りませんでした。

釈迦の空や、非二元の概念は、心理学では無意識、物理学では相対論という感覚です。

空や非二元をスピリチュアルの世界で難解ながらもメジャーな概念として扱わなければ、カルト的な現象は永遠に消えず、本当の意味での救いはないだろう、ということを明記したいと思います。

私は、霊現象があるかないか、という二者択一の枠組みではなく、単に人間の認識理解がそのような現象をまだ捉える知識と理解能力が育っていないだけなのでは、という仮説を立てています。

霊がいるかいないか、という古いパラダイムではなく、霊とは何らかの「情報処理システム」のことを指し、その霊という巨大な情報処理システムの中に、生きている者や、霊魂とされる者も存在しているのだろうと考えています。

息子の発達障害

息子は保育園に預けている時から、発育が遅いな…という認識を夫婦でもっていました。絵を描かせると、通常の発育年齢に比して、3年以上遅れているような感じです。

言葉もあまり話しませんでした。手先が異様に不器用で、鬼ごっこなどの単純な遊びのルール理解がどうしても分からず、同年代の子どもと遊べませんでした。

また、保育園でも言われた指示が分からない、友達と関われない、状況判断が出来ていない、表現力が乏しい、こちらの伝えたいことを理解できない…というように色々心配することが多かったです。

就学前には発育検査では、視力検査のやり方が100人以上いる児童の中でどうしても理解できず、泣いてしまって、親が呼び出されました。

特別支援学級に行くか、通常学級に在籍するか非常に迷いました。そこで発達検査を取り、どれくらいの能力があるのかを調べてみることにしました。

結果は平均域の力はあるものの、視覚認知や書字の能力が極端に遅れていて、学習障害児の発達プロフィールを示していました。

平均域の力があるようには見えなかったので、ちょっと驚きました。

どれくらい能力が上がるか、家庭療育を含め様子を見ることにし、担任の先生と連携しながら通常学級に在籍をとりあえずすることになりました。

ところで私も妻も臨床心理士と公認心理師の資格を持ち、特に障害児療育や教育分野で働いていたので、息子の発達の能力のアセスメントについては少しは理解しているつもりでした。

これまで自分が知っている療育や教育方法以上のアプローチを息子に試してみたい・・・というのが私の当時の気持ちでした。

そうして様々な療法を行ったり、調べたりしました。

食事療法や体操法、日本ではまだ知られていない海外の発達障害の改善メソッド、サプリメント、気功、エネルギーワークなど、お金に糸目はつけづやれるだけのことはやってみようと毎日奮闘していました。

そんな時に「ニューロフィードバック療法」というものを知ることが出来ました。

ニューロフィードバック療法を受けに行く

        <ニューロフィードバック療法>
ニューロフィードバック療法は、脳機能の直接的な訓練であり、脳がより効率的に機能することを学びます。                           現実の脳の状態を電気的脳活動、即ち脳波によって瞬時に観察し、その情報を本人に返します。また、自分の行動をより適切なパターンに変えることで、脳に報酬を与えます。これは段階的な学習プロセスです。ニューロフィードバックは、バイオフィードバックを脳に直接適用して、自己調節する訓練です。自己制御は良い脳機能の必要な部分で、システム(中枢神経系)がより良好に機能することを可能にします。

発達障害にも有効であるということで、あるクリニックに息子を連れて、妻を含め家族で行くことにしました。

ニューロフィードバク療法自体はオカルトでも何でもない、きわめて科学的な療法のように見受けられました。

紹介してくださる先生も大学で研究をされている方で、とても親切で受容的にこちらの状況を察してくださるという雰囲気でした。

ニューロフィードバク療法は、ビデオゲームを適切な形で進行させることにより、有用な周波数の脳波が促進されることで症状の改善を見込むものです。

簡単な脳波計を息子に付けて、パソコンの画面に映るゲームを視覚で見ることで、脳波の波形がパソコン上にフィードバックされます。

そうして、その脳波計のパターンから、息子の状態が分かると同時に、肯定的な刺激も受けられるというものであったように思えます。

ニューロフィードバックを行なっている最中、息子の脳波を見ている、施術者の大学の先生の表情が心なしか硬くなっていくような印象でした。

私達夫婦は、一応臨床心理士であることも告げていたので、どんな結果が出ても驚かない覚悟はありました。

その先生がおもむろに

大学の先生:「あの、スピリチュアルなどには関心がありますか・・・?」と私たち夫婦に聞いてきます。

予想外の言葉に私は「・・・はい、一応気功の勉強をやってみたり、瞑想も長年続けたりしています。スピリチュアルの世界観を独自で研究もしているつもりなので、違和感はありません。」と伝えました。

大学の先生:「なかなか言いずらいのですが、この脳波の波形では、ニューロフィードバックはできません。『憑依現象』の波形が出ていますので・・・」と言います。

私は、最初、何を言われているのかを飲み込むことに時間がかかってしまいました。

その先生の主張では、息子には何らかの霊が憑依しているので、その憑依霊の波形が出ている。つまりその憑依霊が邪魔をして、息子の正確な脳波の波形が見れない、ということでした。

そうして、脳波の波形が見れないために、ニューロフィードバックが出来ないといいます。そのため、料金も返金するとのこと。

私は何が何だか分からないことと、納得が出来ない気持ちでいっぱいでした。

私は波形が見られないのは、憑依現象ではなく、「機械の不備である」という解釈が一般常識的であろう、とその先生に言いました。

大学の先生:「嫌、機械は正常です。何度も確認しています。」

私:「確率的に憑依現象がこんなに簡単にに発見されるのであれば、学校や児童相談所、病院でもニューロフィードバックで波形を取る時に頻繁に憑依の波形が出るでしょう。

そのたびにいちいち、ニューロフィードバック療法が出来ないというのであれば、まったく使えない器具ということになる。憑依現象はそんなに高い確率で出るわけがないのでは!?」

と伺いました。

大学の先生:「お父さんがそのような反応を示すのはもっともです。この機会が壊れていないという証明のために、息子さん以外の方が脳波の波形を取ってみて、通常の波形が出ていたらこの機械は問題ないということになるでしょう。どなたか試してみますか?」

と聞かれました。正直私は、直観的に、あまり自分自身が良い波形がでるという自身がありませんでした。

何故なら、このnoteのプロフィールにも書いていますが、その時からわずか数年前に私の母がむごい自殺をしており、私自身がその心労から完全に回復している自信がなかったからです。

また、母だけでなく、続けて親戚が自害していた時期であったので、何らかの霊現象が私や息子に起こっているのではないか?という大きな不安が私をたじろかせました。

そんな私の心境を妻が察して、「では私がその脳波を測ってみます」と自ら志願してくれました。

私は心底ほっとし、妻に感謝しました。まだ母の自死のストレスを引きずっている私よりも、妻の方が冷静でしっかりしていたので、安心しました。

妻もニューロフィードバックを測る

妻も息子と同じようにセッティングし、脳波の波形を取りました。

大学の先生「・・・うーん」

「・・・申し訳ないのですが、奥様も同じように憑依現象の波形が見られます。」とその先生は申し訳なさそうな表情で語りました。

私は半ば半分笑いながら、「この文脈で言うならば、この機械が壊れているという証拠なのでは!?」とつっこみましたが、大学の先生は「そんなことはないです」と言うばかり。

そして大学の先生は「なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいです。せめて料金を返金させてください」というばかりです。

私は何が起こっているのか、頭の中を整理しようとしました。

大学の先生には、私たち夫婦が臨床心理士であり、発達障害の専門職に就いているということは知っています。

つまり、同業者なわけです。そんな同業種でありながら、「嘘」や「デマ」「いいかげんなこと」をいうことは、その先生のデメリットでしかありません。

私たちが業界でこのクリニックのことを言うことで、その先生の評判が地に落ちる、というリスクがあるのに、と考えました。

そうなると、自分のリスクを承知の上で、このような一般的には荒唐無稽な話をしているということは、ある種、誠意のある方なのかもしれない、という思いが湧きました。

そして、そんな思いとは別に、「本当に憑依現象ならば、何とかしなければならないのでは?」という不安もありました。前述したように、その時の私は家系的な問題に自信が持てていなかったからです。

また、同時にその先生に、曖昧で訳の分からない説明を貴重な時間を使って行うことへの怒りも感じ始めました。

妻は苦笑いをしているのみです。

私は、母の自死の出来事からまだ立ち直っていない時に、またわけのわからない出来事にはまりこんでしまった、と思考がぐるぐるしていました。

結局、時間をかけて色々話をしたところなので、料金は返金せずに支払いました。

大学の先生は、このような場合に良く紹介する浄霊師さんがいるという話をし、二人の浄霊師さんの名前を出して紹介してくれました。

私は、金銭的な面も考慮して、料金がよりリーズナブルな除霊氏さんの電話番号を伺うことにしました。

妻は、そのようなスピリチュアルの話は昔から好きではないので、浄霊には関心は持っていないようでした。

妻にも憑依現象の波形が出ていたということで、気にはなっていましたが、とりあえずここは息子の方を先に対応しようということで、浄霊師さんに連絡を取り、息子と一緒に出掛けることにしました・・・

つづく



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