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2022年3月に読んだ本《前半》


 久しぶりの更新です。これまで、本を読んだらすぐにTwitterに投稿して*いましたが、これまでよりも読む本の量が少し増えたので、Twitterに投稿するのは、なんとなく「読んだよ!」と言いたい本だけに限定して、それ以外の本はこちらで紹介したいと思います。

 Twitterでは、投稿するのは「アタリ本」だけにしようと言った気がしますが、そもそも「アタリ本」というのはどのような本のことを言うのか漠然不明確ですし、感動した本とかだとハードルが上がってしまってなかなか投稿できなくなってしまいかねず、また、投稿するために「アタリ」そうな本を選んで読むようになると、読書体験の幅が狭くなってしまいそうなので、あくまで、“なんとなく「読んだよ!」と言いたい本“ということにします。

 例えば、年間5冊だけ本を読むという人がいたとすると、その人は相当厳選してその5冊を選ぶことになると思います。そうでなくとも、本を読了すること自体が年間5回しかないイベントなので、その5冊は、全部「読んだよ!」と言いたくなっても不思議ではありません。しかしながら、ひと月に10冊以上読むとなると、別にいちいち「読んだよ!」とは言いたくならない、というのが本音です。
 また、1年で5冊読む人がする読書と、ひと月10冊読む人がする読書はおそらく全く違うもので、映画をたくさん観る人とそうでない人みたいなのと同じかもしれませんが、「選ぶよりも読んだ方が早い」「明らかにホームランにはならなさそうだけど、100冊以上読むうちの1冊なら読んでもいいか」といったマインドで本を読み始めることもしばしばです。これは年間5冊とかではありえません(もちろん、どちらが読書体験として優れている、といった話ではありません)。
 というわけで、「全部Twitterに投稿する」ということにしてしまうと、読まない本が出てきたり、後回しにする本が出てきたりしかねないので、noteとTwitterを使い分けようと思ったわけです。

*どうでもいい話ですが、「Twitterに投稿する」と「Twitterで投稿する」のどちらが正しいのでしょうか。プラットフォームとしてのTwitterを強く意識すると、場所の格助詞「に」を使いたくなりますが、情報発信ツールとしてのTwitterを強く意識すると手段の格助詞「で」を使いたくなりますね。……「で」には場所の用法もあるわけですが、対象の意味もある「に」と異なって、「で」の場合はその場所の内部にいる感じがあり、ツイ廃感が出てしまいかねないので、とりあえず「に」を使っておきました。

まず、3月に読んだ本は、計14冊です。
都合上、4月に入ってから読了した本で、このnote執筆までに読んだ本も紹介します。というわけで、計16冊です。

同一著者の本で最も多かったのは、瀧本哲史さんの本です。3冊読みました

1.僕は君たちに武器を配りたい

2.武器としての交渉思考

3.読書は格闘技

 以上の3冊です。1.は「僕武器」という名称で知られている本で、これから社会に出ようとしている若者たちに向けて、投資家的な思考をすることの大切さを説く本です。「コモディティ人材にはなるな!」というメッセージが繰り返し出てきます。今では「コモディティ」という言葉はかなり浸透していますが、本書出版年である2011年時点ではどうだったのでしょうか。
 2.は、これまた社会で生き抜くために重要なスキルである「交渉」について述べた本です。「ロマン」と「ソロバン」がなければ相手は動いてくれない、「BATNA」を見極める、など、交渉において重要な基礎概念が登場します。交渉の目的は、「自己にとって有利な状況を相手に飲ませることではない」というのはその通りで、合理的に考えれば、そもそも一方的に不利な条件、あるいは「メリット<デメリットになる条件」で交渉がクローズするはずがなく、ゆえに交渉が成立するときは常にwin-winになる、というのは肝に銘じておくべきでしょう。いきなり自分の願望の説明から入ると、交渉になりえません。
 3.は、本の読み方として、①著者の考えと格闘しながら読む(著者vs.読者)、②複数の視点から書かれた本を対照して読む(著者vs.著者)、③①と②が組み合わさったバトルロイヤル、を意識して読むことで、本をたくさん読んでも読みっぱなしにならず、しっかり自分の血肉になるというコンセプトで書かれています。本の内容は、瀧本先生が、さまざまなジャンルでひたすら③をやり続ける、というものです。ブックガイドにもなり、ここで紹介されていた本も早速いくつか買ってしまいました。もとから本を読むときは、「ほんまかいな」と心の中で思いながら読むたちでしたが、もっと意識的に実践していきたいと思います。

次に多かったのは、樺沢紫苑さんの本です。以下の2冊を読みました。
4.アウトプット大全

5.インプット大全

 こういう本はまとめて一気読みするに限ります。どちらもTips集といった感じです。内容の重複も多々ありますし、著者の主観に偏っていると思えなくもないところも多々ありますが、総じて通覧する価値のある本だと思います。個人的には、インプットとアウトプットの比率は3:7(筆者は2:8を推奨)くらいにすべきというのは肝に銘じておこうと思います。勉強の仕方としてインプット偏重気味であり、思い返せば大学入試の勉強は、問題を解きまくっていた時期に成績が急に伸びたような気がしなくもないです。法律の勉強はアウトプット偏重でいきたいと思います。
 実は今これを書いているのは、アウトプットを実践しようと思い立ったからでもあります。
 本書では、10冊の本を読むよりも、3冊でいいから感想を共有するなどのアウトプットする方が断然よいと述べられていました。本を読んでも、内容を聞かれて答えられない人が多いとのことです。瀧本先生の「読書は格闘技」も同様の問題意識から文章が始まりました。瀧本先生流のアウトプットが「バトルロイヤル」であり、これは、アウトプットしながら、読む本の数も稼げる(=インプットも増やせる)良い方法だと思いました。

ベストセラー本だと、以下の3冊を読みました。
6.サピエンス全史 上

7.「原因と結果」の経済学

8.嫌われる勇気

 6.はツイートもしましたが、「共同主観的」「想像上の秩序」というフレーズを使って、人類の繁栄を説明するところが面白かったですね。似た論稿はたくさんあるようには思いますが、それらと比較して、あけすけに言い切っているところがウケたのでしょうか。個人的には、中学生の頃に読みかけて、1章くらいしか読まずに今に至る、マクニールの「世界史」を読んだときの方が感動が大きかったような気がします。教科書的でない歴史書のうち、何を最初に読んだか、が大きいだけかもしれませんが。「下」もいつか読む。「ホモ・デウス 上下」もいつか読む。「21Lessons」も多分いつか読む。先は長いですね。
 7.今年こそは統計の勉強をするぞ!
 8.自己啓発書と言われる本を読んだことはほとんどありませんでしたし、少なくとも読了したものとしては最初の一冊となりました。アドラー心理学に精通する哲人と、生き方に悩んでいる青年の対話形式で話が進んでいきます。その形式から敬遠する人も多いようですが、AudioBookで聞くとたいへん面白いのでおすすめです。2人の声優さんが、迫真の演技で掛け合いをするので、飽きないと思います。内容的にはよくわからんところもなくはないし、最終盤まで哲人に食い下がっていた若者が急に納得し始めるところには裏切られた?感もありますが、個人的には新鮮な経験で、総じて良かったと思います。

いわゆる古典も読みました。
9.夜と霧 新版

 これもツイートしましたが、収容所に関する、感情がのった細かな描写からの、「生きる意味」についての考察には、よりいっそう重みが感じられます。「嫌われる勇気」読了後の次の1冊が本書だったので、フランクルが仲間にかける言葉などにアドラーっぽさを感じてしまっていて、先入観というか、ノイズのある読み方をしてしまっているかもと反省しながら読んでいましたが、フランクル自身アドラーに師事していたということが著者紹介にあり、あながち間違いではなかったのかもしれないと思いました。

あとはバラバラです。
残りは《後半》で書きます(分け方を間違えたかもしれない。あまり書くことがなさそう)。

またね。

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