最後には真実という強い軸に戻ってくるドラマ「エルピス」
「エルピス-希望、あるいは災い-」最終回。
一つの冤罪事件を中心に社会の縮図や、抗えない力が渦巻き。時には飲み込まれ、それでも戦い、真実にまっすぐに向き合う。
1話から最後まで、真実という決して揺らぐことのない事実があったから、
浅川(長澤まさみ)が日々の忙しさに流されて向き合うことを辞めても、
岸本(眞栄田郷敦)が、信じたい人から希望を奪われても、
いつか、ここに、真実に戻ってくると信じられた。
2人を繋いでいたのは、一つの冤罪事件。
だけど、それをきっかけにお互いがお互いの事を信じるに値する希望に変化していた関係性が、あまりにも自然で強かった。
一緒にカレーを食べて、一緒に牛丼を食べる。
それがどれだけ大事で必要なことだったのか全話通して気づかされました。
やっぱり、戦うことって体力がいることで食べて走って声をあげることが必要だったのかもしれない。
そして、善玉なのか悪玉なのかも掴めない斎藤さん(鈴木亮平)に気持ち良く振り回され、流されることも悪くないなと思わされ、何度もこの人の存在感と纏う雰囲気に、今が良ければそれで良いと思考を停止させられた。
たぶん、後に善玉と悪玉の数をコントロールするのは斉藤さんなんだと思う。
いや、もう始まっているのかもしれないけど。
それでも、村井さん(岡部たかし)みたいにコントロールされない人が一定数居て、それもまた、テレビの前に居る見ていることしか出来ない私たちの希望になった。
最後に、ずっと真実と社会と向き合った作品が
この世に本当に正しいことなんて無いから
代わりに夢を見よう。
と締め括られていて、
私はこの言葉で、世界が少しだけ明るく温かくかんじられた。
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