部活史上いちばんのわがまま
高校二年生の秋、顧問の先生に大きなわがままを言いました。
高校生直木賞というイベントがあって、それに参加したいんです、と。
先生がなんとか校内で話を通してくれて参加できることになりました。部員たちで回し読みをしたり議論したりを繰り返して、2020年4月には東京にある文藝春秋のオフィスに向かえる、そのはずでした。
しかし、新型コロナウイルスという猛威を振るうウイルスのために延期、オンライン開催となりました。去年の様子をホームページで見て楽しみにしていたのにと正直落ち込みました。
でも、迎えた当日。終わる頃には楽しさと疲れが合わさった、何だかよくわからない感情が残りました。自分の意見を誤解されず受け取ってもらえるように言うことの難しさ、自分の思う良さと他人の思う良さの違い。うまく話せない自分への苛立ち。今まで感じたことのない難しさに驚いた一日でした。
のちに、ホームページで感想文の掲載やオール読物のなかにある特集に自分の意見が掲載されているのを見て、わたしの思いがほかの人に伝わっているんだと感動しました。
今日、後輩たちが受け継いで高校生直木賞に参加しています。本来ならば、言い出したわたしが卒業しているので参加しなくてもいいのに参加すると決めた後輩たちに感謝の気持ちしかありません。