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コメンタリーから魅る『スターウォーズ エピソードⅥ/ジェダイの帰還』

あらすじ:惑星タトゥイーンへと向かったルークとレイアは、大悪党ジャバ・ザ・ハットに捕らえられていたハン・ソロの救出に成功。修行を続けるため再び惑星ダゴバを訪れたルークは、ヨーダから驚くべき自身の出生の秘密を明かされる・・・

コメンタリー:ジョージ・ルーカス、キャリー・フィッシャー、ベン・バート、デニス・ミューレン

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ルーカス:ジョージ・ルーカスです 本作では製作総指揮と脚本を担当しました

ミューレン:ILM視覚効果監修 デニス・ミューレンです

フィッシャー:キャリー・フィッシャーです

バート:サウンド・デザイナーのベン・バートです 本作では録音ミキサーも兼任しました

ルーカス:本作の監督R・マーカンドは俳優の扱いに長けていた 彼の『針の眼』を見て感銘を受けたよ 非常によくできたサスペンスだ。当時すでに映画制作はテレビの現場に近かった 実は双方の指揮体系はかなり異なっている。テレビの世界では製作総指揮がすべての権限を持ち脚本のアイデアも提供する 監督はその指示に従い映像化を行うという立場だ。劇場用映画ではもっと監督の権限が大きい 最近は昔ほどじゃないけどね。僕は監督と共同で制作するのが好きだ 互いに対する敬意を払える相手で作品の方向性やトーンを明確にしておけば非常にうまく作業を進めることができる

マーカンドは才能があり人柄もよかったが、特殊効果を多用した大作はこれが初めての経験だったので『帝国の逆襲』と同様に僕が監督をサポートしていた 大がかりな作品なので1人で仕切るのは不可能だ 大勢の人の協力が必要になる。幸いこの作品では美術関係などで以前と同じスタッフを採用できた 僕にとってはとても楽だったし、監督にも “彼らに任せれば大丈夫だ” と伝えられた。技術上の問題などを彼が悩む必要はない 演技指導やストーリー展開に意識を集中できる。互いに信頼していたから “任せろ” と言えた 本当は監督だって不安になるはずだ しかし彼は時間をムダにせず “慣れている方法でやってくれ” と言ってくれた。当時 特殊効果はまだ新しい技術で仕上がりが予測しにくかった 実際に何度か試してみないとうまくいくか分からない この手の映画では信頼が大事だ。監督は指示通りに仕上がることを信じ、スタッフに技術効果を任せる

『ジェダイの帰還』は旧三部作の最終章だ 映画を完成させるため多くの内容を付け足すことになった 元の脚本の残りはわずか 冒頭のジャバの宮殿の一連も付け足した部分だ。オリジナルの物語は原始的な生活を営む民族が帝国を倒すという内容とルークと父親の話だけ 一番最初に書いた脚本の中ではわずか20ページほどの内容にすぎない 僕は100ページ分を新たに書いて1本分の内容にした。人気の出たハンやタトゥイーンも再登場させたジャバもやっと本作で思い通りに映像化できた 元はもっと大きな役だった 結局タトゥイーンとジャバの場面だけで映画の4分の1を占めている

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