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想い出づくり。

「人生を振り返った時、確かな想い出が欲しい!」適齢期を迎えたOL3人が“青春の証明”を探していく…。脚本家・山田太一のオリジナル書き下ろしドラマ。出演は、森昌子、古手川祐子、田中裕子という美女3人の意表をついた組み合わせ。このトリオに柴田恭兵が絡み、さらに児玉清、前田武彦、坂本スミ子、佐藤慶とベテランが親の世代を演じる。また、当時ではテレビ界初の試みとして注目を浴びた緑山私塾から18名が出演するのも大きな話題をよんだ。

ドラマのテーマソングが良いですね。脚本も良いし、若かりし頃の田中裕子さんが素敵です。

下記は、池谷香織(田中裕子)の父親を演じる佐藤慶さんの名台詞です。

『年とっていくとな、若いということが眩しいような気がするもんだ。身に染みて若さから縁遠くなるような気がするもんだ。周りは中年の皴よったもんばかりでな。会合だっていったって皆、40、50ばかりで・・・。急に気が付くと、若いということからずっと遠く離れてしまっている。俺には何も縁もねぇ。若いもんは口はきく。だけんでもかけ隔ててハイとかイイエとか言っているだけだ。そんなことは当たり前のことだが、その当たり前のことがゾッと身のすくむような、寂しいような、恐ろしいような気がするときがあってな・・・。役所の昼休みで若いもんが賑やかにしゃべくってる。弾けるように笑ってる。本嫌いの女を好きになった男は本を読む女は女性の良さが失ってしまうとか、気の強い女を狙っている男は女性にも自己主張がなければとか一般論を言う。一般論にかこつけて気を引いてる、腹探ってる。一緒に気を引いたり、気を引かれたり。そんな中さ、こっちもとけ込んでいって恋愛論をやってみてぇと思って傍さ寄っていくと、さぁっと空気が変わっちまってこんにちはとかあら何か御用ですかとかと・・・。こっちももっともらしくいやぁ皆元気がいいなと言って笑ってその場をごまかして離れるんだけども、なんか忌々しくてな。しかしな、役所のもんが役所の前ででっけぇ声を出すななんて嫌がらせ言ったりしてな。ホステスを追っかけて色事でねぇと言ったらそれは嘘だ。ただ、ちょっとニュアンスが違ったんだな。その女子(おなご)は俺に若いもんと喋るような口をきいてくれた。そこさ行くと俺はまだ若いもんにとけ込んでるような気がした。溺れたんだな。ここで溺れなければなんか生きてるバランスがとれねぇような気がした。呑めねぇ酒なめて、呑んだような気になって・・・』


日々観た映画の感想を綴っております。お勧めの作品のみ紹介していこうと思っております。