フィルムで撮影していた頃 『熱風音楽市場魅惑の東京サロン』という長い名前のバンドに出会いました
こんにちは。 フリーランスのカメラマンです。 主に人物、舞台イベント撮影などのお仕事をしていますが、個人で撮影している太陽の写真のイメージ写真を宣伝や装丁などのイメージに使用して貰ったりもしています。 カメラマン歴が気がついたら長くなっている のですが、今回はフリーランスカメラマンになった当時にフィルムでまだ撮影していた頃のお話を書こうと思います。
『熱風音楽市場 魅惑の東京サロン』という後に『テイチク』からメジャーデビューをしたバンドが立ち上がる瞬間にカメラマンとして独立した1997,8年頃に出会いました。。名前からも感じ取れるかもしれませんが、昭和テイストを全面に出したバンドでした。その後、ジャマイカで行われたレコーディングにも同行してジャケット写真や動画の撮影をして、『バナナビート』と言うデビューシングルのミュージックビデオ撮影も担当しました。。『バナナビート』のMVは宮崎のシーガイヤで撮影しました。『熱風』はメンバーがどんどん変わり、バンドの名前も『ヒルタナユミと魅惑の東京サロン』に変わり、立ち上げ当時から居るのはダンサーのNanaちゃんのみでも何故かずっと続いていた不思議なバンドでした。。声をかけてくれたバンドのプロデューサーの人とは撮影し始めて何年も経ってから、『そう言えば何処で最初に会ったんだっけ？』『どこでしたっけ？。』といった感じの会話を交わしたのを今でもよく覚えています。来る者は拒まず、去る者は追わずと言うスタンスの緩い感じが肌に合い、ずっと撮影を続けさせて貰ったバンドです。
クラブアジア、クロコダイル、ブエノス東京、歌舞伎町のクラブハイツ、六本木にある様々なライブハウス、品川プリンスホテルでのクリスマスディナーショーなど、彼らを撮影する為に本当に様々な場所に足を運びました。当時はカラーポジフィルム・モノクロフィルムでの撮影です。毎週末のように撮影させて貰っていたライブ撮影のギャランティは貰っていませんでした。楽しいから撮影にいくと言う感じです。行ける時に行く。そのスタンスは当時の自分にはあっていたような気がします。プロとしては失格なのかもしれません。撮影すればフィルム代、現像代がかかります。それらに関しては請求させて貰っていました。後に、宣伝やジャケットなどに使用して頂いた時にギャランティを頂いたりしましたが、やはり変わっていく彼らの写真を取り続けるのが面白かったから続けていたのだと思います。彼らを撮影させて貰った事によって得た経験はその後のカメラマン人生の基礎になり、お金には変えられない時間と経験になりましたが、今思うと、やはり若かったから出来たのだと思います。
モノクロ写真は自分でプリントしました。特に画像を加工しているわけではありません。当時、ソラライジング効果に凝っていてプリント最中にワザと光被りをさせて、定着液の時間も短くしたりして色々と遊んでいた中で出来た一枚です。 フィルム撮影が面白いのは現像するまでどう映っているか解らない。この一言につきます。 撮影したフィルムを現像所に出して現像を待つ時間はワクワクしたり、心配したり、あの時間はとても贅沢な時間だったなとデジタルになった今は思います。
写真は本当に不思議です。 得に人が写っている写真は。。 当時全く気にも止めなかった写真が時間が経って見返すと全く違って見えます。 20年経って見返しても、写真に映る彼らとても素敵で、写真を撮る事はやっぱり楽しいなと思います。
ジャマイカで撮影した 『バナナビート』のジャケットです。ジャマイカの写真はまた、別の機会に紹介させてもらおうと思います。
hanautabay のチラシのモデルは当時ジャケットのデザインを担当していたデザイナーさんです。彼にモデルになって貰ってバンドの皆んなで彼の肌を黒く塗って撮影したのですが、彼らと様々な事にチャレンジしてゼロからヴィジュアルイメージを作りあげていく作業はとても楽しかったです。現在、仕事で撮影させて貰う事が多い舞台も、様々な才能の集団が集まりゼロから作品を作り上げていきます。。
様々なジャンルの才能が集まって表現する人とその『エネルギー』を写真に写す事に魅了されているから、今でもこの仕事を続けているような気がします。
おまけ
採用されずボツになったベースの Osawa Isuto さんのテストで撮ったポラロイド写真です。（mamiya RZ 6✖️7)バルセロナ出身の Isutoさんは現在はブリーランスのミュージシャンとして様々な音楽活動を続けれていますが主に CANTO! というグループと小野瀬雅生ショウというグループで活躍されています。ライブの様子など色々と上がっているようですのでよかったら覗いて見てください。
Romaさんの新作 イメージビデオ
『熱風音楽市場 魅惑の東京サロン』の音源をネットで探したのですが、残念ながら探せませんでした。ブックオフでバナナビートのCDを販売しているのでリンクを貼らせて頂きます。
当時ギター担当だった福島志郎さんは現在はフリーカメラマンに転身して、同業者になりました。当時、写真撮られるのがバンドの中では一番好きではなかった印象が強いので、人生って不思議ですね。2011年にギャラリー冬青で開催した個展『ゆらぎ太陽』の記事がアサヒカメラに掲載されたのをきっかけに展示を見に来てくれて再会しました。現在は色々と教えて貰う事が多いとても信頼出来るカメラマン仲間の一人です。
online のモデル募集しています。
現在、当時お世話になった クラブアジアなどライブハウスの経営が厳しいというニュースを聞きました。
クラウドファンディングが始まっているようです。 興味がある方は見て見てください。
時々、見てくれると嬉しいです。