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犬とマルタとそれから考えたこと

いろいろな出来事が重なり、犬を飼っている家族のもとで暮らし始め、はや二カ月、犬と生活しているせいか、今まで気にしてこなかった「マルタの犬」について考え、新たな発見をし始めている。

犬種について

マルタでは、長毛犬を見ることは珍しく、一般的に短毛犬が好まれていると感じる。理由は明白で、マルタの日差しは強く、気温が高い夏が長いため、長毛犬にはハードな気候なのだ。とはいっても、長毛犬のアメリカンハスキーや、ゴールデンレトリーバー、シェットランド・シープドッグをごく稀に見かけることはある。短毛犬でよく見かけるのは、イタリアングレーハウンドやアメリアンスタフォードテリア、チワワなどだ。日本が誇る, 柴犬やわさお風の犬もときたま見かけることがある。

また、マルタで買われている犬の特徴として、小型犬と中型犬が多いことが挙げられる。マルタ人の友人によると、マルタでは庭付きの家は多くなく、アパート(日本でいうところのマンション)や一軒家でも庭なしの物件が多いため、そのようなタイプの犬種が好まれるそうだ。ちなみに、現在一緒に住んでいるマルタ人家族の二匹の愛犬はどちらも短毛犬の小型犬と中型犬である。

友人の愛犬、生後半年の中型短毛犬

ハーネスと犬

犬と暮らすようになり、犬の散歩が日課になって以来、「首輪問題」について考えるようになった。現在の生活が始まる前までは、犬のリードが首輪につながっているのか、ハーネスにつながっているかなどは気にしたことはなかった。しかし、いざ自分が犬を散歩に連れていくと、結構、犬は気ままに歩くわけで、車が来て危ないときにリードを引っ張る。その際、犬が首輪は犬にとって息苦しくないのかを考えるようになったというわけである。

マルタでは、ハーネスをつけて散歩している犬が首輪派の犬よりも多いように思う。先週参加したドッグマラソンのイベントでも圧倒的にハーネス派が多かった。(走ることが目的のイベントだったためかもしれないが)ちなみに、一緒に暮らしている二匹の犬たちもハーネスをつけて散歩している。

コロナ後のマルタと犬

日本でも、コロナ過にペットを飼う人達が増加したというニュースを聞いたことがあるが、それはマルタでも同じだったようだ。しかし、パンデミック後、働き方がコロナ前より柔軟になったとはいえ、外で再び働く人たちが増え、コロナ過に飼い始めたペットの世話ができなくなり、動物保護施設に連れていく人たちが増えているそうだ。現在のマルタの法律では、マルタにいるすべての犬は個体認証と識別のためにマイクロチップの埋め込みが義務図けられている。しかし、”Time of Malta” (マルタで発行されている新聞)に記事によると、マイクロチップの埋め込まれてない野良犬が増加しているそうだ。背景には、ブリーダーに関する法律の緩さと、ペットフードの値上がりも関係しているのではないかということだ。

ニュース記事:James Cumming, Number of abandoned dogs roaming the streets is 'spiralling out of control', Time of Malta 
https://timesofmalta.com/articles/view/number-abandoned-dogs-roaming-streets-spiralling-control.1018554 

ドッグチャリティーイベントについて

先週の日曜日、友人が参加するというドッグマラソンのチャリティーイベントに参加してきた。このイベントの参加費はマルタの犬の保護施設へ寄付される。イベントは毎月第一日曜の午前に車の通行が禁止される道路で行われ、往路と復路で2.5kmとなる。参加者は5kmと2.5kmのどちらかを選び、飼い犬と一位を目指す人もいれば、楽しくランニングをする人もいる。150匹以上の犬が集合したため、あちこちから犬の吠える声が聞こえ、なかなかのカオスな状況であった。会場には犬たちのための水飲み場が設けられており、ゴールした参加犬にはメダルが授与されていた。また、イベント中に撮られた写真は、イベント後にフェイスブックに投稿されるため、参加者たちは後日愛犬との写真を探して、ダウンロードできるという仕組みになっている。また、このイベントは飼い主達にとってもコミュニケーションの場となっているようだ。参加した友人は、愛犬の姉妹犬を飼っている参加者に出会い、嬉しそうに連絡先を交換していた。

マラソンイベントの会場(封鎖中)
左の写真はランニング中の写真、右の写真は会場で偶然出会えた友人の愛犬と姉妹犬
大型犬からダックスフンドのような小型犬まで、いろいろな犬種の犬が参加していた

ちょっと思うこと

よく、「新しいことにチャレンジするは大切だ、自分を育ててくれる」、みたいなメッセージをSNSで見かけるが、そのフレーズを見る度に、それはわかっているんだけど… という気持ちになる。しかし今回、これまでに経験の無い、犬と暮らすことを体験していて、そのメッセージに対する感じかたがちょっと違くなったなあと思う。というのは、新しいことをすると、今まで気にならなかったことが気になるようになり、疑問が出てくる。そしてそのなぜを考える時間が自分を知る時間にとなり、また、なぜを深堀するために取った他者とのコミュニケーションの時間(対面の会話だけではなく、本やインターネットの検索も含む)が自分に小さな成功体験くれる。そして、それが自分に小さな自信をくれる。なんとなく、今のわたしはそう思う。

最後に

今回はマルタに戻ってきて始まった犬との生活の中で、気がついたこと、
疑問に思ったことを書いてみた。

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