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【vol.05】 PUNIO忘備録:ショウガナイズ北千住

姫路から帰ってきた足で、僕はそのまま北千住に向かった。
あいみょんの歌でしか知らなかった北千住は、結構栄えてた。

改札を抜け、飲み屋街を通り、大通りをまっすぐ行ってタピオカ屋を曲がる。
セブンイレブンが見えて、その横の路地を入って白い門が見えた。
”ショウガナイズ北千住” 黄色く塗られた細長い木の板に筆で書かれてた。

呼び鈴を押しても反応はなく、『その上に大きな声で呼んで下さい』の張り紙が。
「ごめんくださーい!」「はいはい〜」

扉が開いて、ポカリを持って出てきたのがポールさんだった。
「今禁酒中なんだごめんね」差し入れのアサヒビールは共有ビールになった。
ポールさんは禁酒だとポカリを飲むんだ。

奥にもう一人いた。グリーンカレーを食べながら出迎えてくれたのは、ながりなさん。妖精みたいな人だった。

ビールを飲みながら3人で話した。北千住の話。空き家の話。そして僕がギャラリーをやりたいと思ってる話。

話してる途中で、としお君が帰ってきた。としお君、本名がとしきのとしお君。「えーこれもらっていいの?」聞きながらもうビールを開けてた。

自由な大人たちとビールを飲んで、僕は楽しくなってきた。

で、一通り話し終わって、としお君が

「で、いつから住むの?」

「へ?あ。7月からお願いします!」

そんな感じで決まった。半ば強引に、てかもはやノリで、いや、(いい意味で)騙されて、入居が決まった。

町田に帰って母さんに話した。息子が姫路に行ったと思ったら急に家を出てくと言い出した。「おお、そう、いいじゃない。」こういう時の母さんはいつもより逆にリアクションが薄い。いつもは大袈裟な人だから面食らう。

そういえば家を出る最後の日、一緒に家で、ホットプレートで焼肉をしながら、ちょっといいワインを飲んで、話した。(実はその時の話、録音してるんだよね。今久しぶりに聴いてるんだけど、ひたすらに愛だ。話すときの思考は母さんに似てるんだと思った。母さんの教育方針の裏側、それに対する思いの話がむちゃくちゃおもろい)

当日、蓮が迎えにきてくれて、写真撮って、家を出た。

すぐ帰って来れる距離だから、少しも寂しくはなかった。

黄色の看板
千晶と蒼天

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