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ベタな話。

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ベタな話。今回はオチが予想できるとか、手垢のついた話であるとか、最近のトレンドについて意見するような話ではない。
私の飼っている熱帯魚の「ベタ」、タンゴ君の話である。私が彼を迎えたのは今年の四月末。もうかれこれ四か月になるだろうか。熱帯魚の即売会で、一目ぼれして買ったのが彼であった。
何と言ってもその大きさである。一般的にペットショップで扱われているものは5センチ程度、ハーフムーンや、ダブルテールでもそれくらい。こちらの彼はおよそ10センチ程度。ハチャメチャに大きい。ジャイアントハーフムーンと言われる品種で、カラーの区分はキャンディギャラクシー。迎えた時はもっと小さかった様に思う。

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探したがこんなぶれた写真とは……色柄もずいぶんおとなしい、白や透明の部分が多く残った状態で迎えたタンゴ君。なんだかすごく小さかったんだな……ということが今ではしみじみと感じられる。このころ少し臆病さもあったのか、今でもその気があるがこの後に尾びれが何度もボロボロになる時期を乗り越えてここまで育った。大きくなった、本当に大きくなった。

最近は水質も安定し、定期的な水質検査でも問題なくクリアしてくれている。30センチキューブ水槽の中に彼は一匹だけ、人間でいえば50坪に一人、そんな感じである。とても贅沢な空間ではあるが私はこれでいいと思っている。水量はおよそ22リットル、ジャイアント系のベタだとしてもこれだけあれば不自由することはないだろう。通常のベタでも、7リットル程度は欲しいと言われているため、体調およそ1.5倍、表面積2.25倍と考えれば十分余裕を持った水量で暮らすことをかなえてあげられているのかな、と。

うん、ここまで冷静に語ってきたが、彼、とんでもなく可愛いのだ。私がベッドら起き上がるとすかさず寄ってきて餌を取り出すかどうかを観察し始める。さっき餌をやったのにその後の昼寝に入ろうとしても餌か餌かと言わんばかりの興奮ぶり。本当に餌の時間で私が餌のパッケージを取り出そうものなら、水槽のガラス面の前でクルクルクルクルと舞い始める。落ち着け、餌が嬉しいのは分かったから落ち着け。餌をつまんだ指が水面に見えると一目散に泳いでゆき、落ちてくるものを見渡してきょろきょろとする。そんなに大事か。そんなに。毎日三回少量ずつ与えているだろう……?

そんな調子のため、彼は日が昇り、カーテンの隙間から光が漏れてくると水槽奥の寝床から水槽手前の水草の上でうたたねし始める。そう、私が起きるのを監視しているのだ。ベッドからそっと水槽に注視すると、彼はこちらを視界に入れてぼんやりしている。部屋の電気を付けずにゆっくりと起き上がってもそれを見逃さない。彼に食事を出し、私は食事をどうするか考える。彼が先、私は後。そうして私の一日は始まる。

この先の記事は、支援へのお礼のみです。ベタ用餌一袋分の支援を頂ければ、タンゴ君の食事確保の手助けとなります。

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