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現代短歌を、読んでみよう。

短歌、ほとんどの人は「百人一首」辺りを思い出すのではないだろうか。あるいは、俵万智「サラダ記念日」を思い出す方も居るかもしれない。
多くの人は「短歌ってよく分からない」「読み解いたりなんて一人ではできないよ」という感想も多い、というか、短歌、と言われると身構えてしまうのは誰だってそうだと思う。未知のものは、やっぱり人間恐いもの。
だから、今日は何となくの流し読みでも、ここまででも構いません。
この記事は、「現代短歌って、肩の力を抜いて楽しめるよ」という趣旨でまとめています。また、当記事はAmazonのアソシエイトとして、りんたろうは適格販売により収入を得ています。書店に行こうね!

まずはこの記事。300首が紹介。

まずは現代短歌集を一冊、買ってみましょう、なんて言われたら不安でいっぱいになります。そこで、noteにまとめて頂いている記事がありますので、そちらを始めにご紹介。この記事だけでもとっても楽しい短歌、心に響く短歌があると思います。

ご本人も作家として活躍中の工藤吉生さん。現在『世界で一番すばらしい俺』を短歌研究社から出版しておられます。この紹介記事には様々な作家の方の300首の短歌が紹介されていて、この記事だけでも現代短歌の多くの側面に触れることができます。

私が初めて買った短歌集 安福 望『食器と食パンとペン わたしの好きな短歌』

……絶版本のため価格がとんでもないことになっていますね、プレミア付きコレクターズアイテム価格です。一般的な中古品は2022年11月現在3,000円前後で推移しています。この短歌集はブログ「食器と食パンとペン」にてイラストレーター安福望さんが一首ごとにイラストを添えた多数の作家の短歌作品が収録。Twitterアカウント「食器と食パンとペン」にて、作品も公開されています。心の落ち着く、ほのかに温かみを感じる作品が詰まっていて、ページをめくるごとに穏やかな気持ちにさせてくれます。私の持つ一冊は、安福望さんにサインを頂いたものですが、持ち歩いては読み、人に勧め、今ではかなりボロボロになってしまっています。それくらい私の心をつかみ、現代短歌の世界へ踏み込むことを押してくれた、思い出の一冊。この記事を書いている時も、なんだか懐かしい気持ちで一杯です。

短歌はもっとポップでもいい、激しくてもいい。 木下 龍也『きみを嫌いな奴はクズだよ』

こちらはよりポップで、また短歌の様々な挑戦的な表現も含んだ短歌集になっています。少し笑える短歌から、世界に対する情熱までを強く表現した短歌まで、様々な方向からのアプローチで構成されていて、是非一度は読んでいただきたい一冊。

眠れない夜には。タイトルの意味まで染み渡る一冊 岡野大嗣『たやすみなさい』

ちょっと奇妙なタイトルのこちら。このタイトルの意味については、1ページ目に書かれています。心を落ち着かせ、暖かい毛布にくるまれているような気持ちにさせてくれる短歌が収録されたこの本は、私の寝る前の読書ではお気に入りの一冊。優しい気持ちの短歌が詰まったこの本には、短歌の持つ心を動かす力が存分に秘められています。友人に紹介すると「それ良いね、一冊買おうかな」という反応も寄せられるほど、響くものがあります。
これを読んだあなたに、良い眠りが訪れますように。

心をえぐる31音。短歌が持つ魔力。 宇野 なずき『花で汚れる』

あなたはTwitterで「誰ひとりきみの代わりはいないけど上位互換が出回っている」という短歌を目にしたことはありませんか? あの短歌を詠んだのがこちらの宇野 なずきさん。上記の短歌が収録されているのは既に電子書籍のみの『最初からやり直してください』(kindleにて無料)。その作者の作品集を実本の形で入手できるのがこちら『花で汚れる』。こちらも現代人に大きく刺さり、時としてページをめくる手を止めてしまいそうになるような、心を激しく揺さぶる短歌で構成。私は初めて読んだとき、一日寝込みました。それほどに力強い短歌が納められており、『たやすみなさい』とはまた違った意味の短歌の力を感じさせられました。閲覧に、少し覚悟の必要なこの一冊は、間違いなく短歌への印象を揺るがしてくれます。

教科書の印象だけでない。横恋慕から、不倫まで。 俵万智『チョコレート革命』

教科書などで『サラダ記念日』を読んだことがある人も多いのではないだろうか。ささやかな日常の幸せ、暖かい愛情を感じる短歌の印象を持つ人も多い俵万智さん。しかし、他にも女性の持つ視点からドロリと濃い、後ろめたさまで感じるような愛情について詠んだ短歌も多く発表しています。中でも不倫などをテーマにした短歌を多く収録するのがこちらの『チョコレート革命』。胸が苦しくなるほど強い愛から、日常の中でしまい込んでいた感情の箱が開いて思い耽る一首まで、甘さと苦さが絡み合ったビターな一冊。
余談ですが俵万智さんのエピソードで好きなのが「俵万智さんって、まだ生きてたの!?」というツイートに、「まだ生きてますよー」と本人がリプライした、という話。Twitterも日々更新されております。

思春期の屈折した恋愛を緻密に描いた一冊 工藤吉生『世界で一番すばらしい俺』

17歳、思春期の真っただ中の男子高校生の視点で詠む、純粋で、純粋すぎるが故に屈折し、舞い上がったり、絶望したりといった感情をこれでもかという表現で詰め込んだ一冊。また、冒頭で紹介した現代短歌のまとめ記事の作成者でもあります工藤吉生さんの短歌集です。私が読んだとき、胸が詰まる思いで読み切ったことを思い出します。今でもこの本を読むときには少し覚悟を決めて、読むことにしています。31音の持つ力、良くも悪くもその31音で、人間の心は揺らぐことがあります。人の心を、美しい言葉で暗くする。そんな短歌の魅力を感じ取れるのではないでしょうか。

最後に

ここまで、様々な短歌集を紹介させていただきました。リンク先では試し読みが可能なものもありますので是非楽しんでみてください。そして願わくば、書店で現在扱っているものについては、直接書店にてお求めいただければと思います。ページをめくり、その短歌を書面で感じる。その事の楽しさに触れることを、この記事をお読みになった皆さんには感じていただきたいと思います。以上で、この記事を締めさせていただきます。

この先は、支援いただいた方へのお礼のみとなっております。ご支援頂ければ私が紅茶を片手に短歌集をめくり、皆さんにまた、紹介出来る日への糧となります。

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