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モーツァルトと出会った日

「一番好きな作曲家は誰ですか?」
先日とあるインタビューでこのように質問され、すぐに「モーツァルト!」と答えました。今日は、それほど私が愛してやまないモーツァルトの楽曲と自分の関りについて語ります!

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
Wolfgang Amadeus Mozart
1756年1月27日 - 1791年12月5日
ザルツブルク生まれの作曲家


初めて歌ったオペラアリア

話を進める前に、こちら記事をお読みください。↓

高校1年生のころ、初めて声楽のコンクールに出場するにあたり、歌う曲を選ばなければなりませんでした。1曲は課題曲、もう1曲は自由曲。当時オペラなどの知識がほとんどなかった私は、まず音楽家である母に相談しました。

母が自由曲に薦めてくれたのが、
モーツァルトのオペラ『フィガロの結婚』でケルビーノが歌うアリア「恋とはどんなものかしら(Voi che sapete )」。

前奏が聞こえてくるだけで、幸せな気持ちになれるこの曲に私は魅了され、自由曲に即決しました。
母がこの曲を薦めてくれた大きな理由としては、ケルビーノが、女性が演じるお小姓、つまり男性役だからです。私の歌の恩師であり、当時音楽教科の担当教員だった浦田玲子先生(『高校時代に音楽の道へ進む決心』参照)にも相談したところ、すぐに賛成してくださいました。

コンクールで歌った後には、聴きに来てくださった浦田先生に
「木村君が歌っている姿が、本当にケルビーノに見えてきたよ」

と言われ、嬉しかったことをよく覚えています。

これが、私が初めて歌ったオペラアリア、そして初めて歌ったモーツァルトの声楽曲となりました。また、オペラにはこのようにズボン役と言われる、女性が歌う男性の役があるんだな、ということを学びました。


ケルビーノは歌えない?

その後、コンサートでも何度かこの曲を歌ったことがあるのですが、留学先のイタリアではこんなことがありました。

レッスンに通っていたルイージ・スキファーノ先生(『スキファーノ先生のレッスン室~なぜか私はときどきそこに戻る』 参照)に聴いてもらおうと持ち掛けたところ、

「この役は女性が歌うもので、君がオペラの役として歌うことは絶対にないから練習しても意味ないよ」

と門前払いされ、聴いてもくれませんでした。先生いわく、ケルビーノは100%女性が配役されるということです。

そもそもケルビーノは、男性であるカストラートが歌った役ではなく、女性が男装して歌うズボン役として作曲されています。
最近はカウンターテノール(ソプラニスタも含む)がこの役を歌う演出もあるようですが、私が調べた限り、カウンターテノールがオペラに出演するようになったのは20世紀後半になってからですので、カウンターテノールがケルビーノを歌う演出があったとしても、本当に近年のことではないでしょうか。

いずれにせよ、とても魅力的な「恋とはどんなものかしら」。またいつか歌いたいです!

こうしてモーツァルトのさまざまな声楽曲と出会っていきますが、続きはまた次回をお楽しみに!

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