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離職問題について考えよう

※最初に

これは、ボク「科学的に考える人」が、会社の社長および経営層の方々が日頃不安に思っていることを言語化し解説するコラムです。
ビジネスに関係しない方にはあまり興味がない内容と思いますので、あらかじめご了承いただけると幸いです。

このコラムは、割と高めの熱量で書いていることから、長文になっているものと思われますのでご注意ください。また主観的な内容も多いので「コイツはこんなことを考えているんだなあ…」という程度に思って、軽く読んでいただけると助かります。
そして、気が向いたらコメント/DMなどいただけると嬉しいです。ひとつひとつ丁寧にお返事したいと考えています。

なお、ボク自身が長年物流業界に身を置いてきたことから、内容が物流寄りになりがちであることを前もってお伝えしておきます。

それでは、どうぞ。


2022年の日本の平均離職率は15.0%

離職問題を考えるにあたり、まずは「離職率」に触れておこう。

一口に「離職率」と言っても、人によってその定義が曖昧な場合が多いので、ここでは、厚生労働省に倣って「一年間の離職者数÷従業員数×100」を計算式として%表示にする。ただし、母数の「従業員数」は変動するので、一年の間のいつの時点の従業員数を母数とするかを決めておいて、毎年同じ日で変動を見なければならない。
月次で観測する場合も同様で、毎月同じ日(月末時点にするのが通常と思う)の従業員数を母数として「一カ月間の離職者数÷従業員数×100」で計算しよう。物流業界では一年間の内、月によって入離職の波動があるので、月次で算出した上で、前年同月と比較するのが良いだろう。

厚生労働省の雇用動向調査データについて

さて、以下は厚生労働省が発表している 令和4年(2022年)雇用動向調査のデータである。

参照元: https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/23-2/index.html

令和4年(2022年)の日本の平均離職率は15.0%、その中で運輸業/郵便業の離職率は12.3%である。また入職率は10.2%なので、この年は入職した人より退職した人の方が2.1ポイントほど多かったようだ。

現実的な数字に直すと…

仮に労働者(従業員だけでなくパートタイマーや委託労働者も含めたいので「労働者」という表記をする)100人の物流会社があったとして、上記の入職/離職率を当てはめてみると、一年間に10人ほどの人が入職し、12人ほどの人が離職している計算になる。あくまでも厚生労働省が把握しているデータを元にした平均値であり、ここには日本郵政の入離職者も入っているので、若干違和感はあるかもしれないが、みなさんの会社と比較してどうだろうか?

離職対策を進めるにあたって必要な考え方

人材が辞めてしまうと、代わりの人を採用しなければならず、また新人に対するトレーニングが必要になる。そこには採用費と教育費がかかるので、実質的な利益減となる。ましてや、退職する人が会社にとって有能な人材だったりすると、損失はさらに大きくなる。

有能な人材が辞める理由

さて、一般的に言われている「有能な人材が辞める理由」は以下の通りだ。
-- 待遇に不満がある
-- 人間関係に不満がある
-- キャリアアップの機会がない
-- 会社の将来性に不安を感じる


では、離職対策として、経営者は何をするべきなのだろうか?

離職対策1: 評価制度を整えること

まず、評価制度を整えることが重要だ。有能な人が正当な評価をされ、それにふさわしい待遇が与えられる仕組みを作りたい。
日本平均の離職率がおよそ15%だ。つまり、どんな会社であっても一定数の人材が辞めて行くのは仕方ない。そう考えると、可能な限り離職率を下げることも重要だが、有能な人材が残っていくような(言い方を変えると、どうせ辞めるなら無能な人材が辞めていくような)仕組みづくりが必要だ。
できるだけ公正な評価制度を整えて、有能な人たちにスポットが当たるようになれば、それは彼らの待遇に対する不満や人間関係の不満が軽減されるはずであり、さらに将来的な離職率の低下にもつながっていくはずだ。

離職対策2: 会社が常に変化していくこと

その次に重要なのは、会社が常に変化していくことである。可能であれば成長する方向に変化したい。
経営者は会社を成長させて、有能な人たちが目指すべき次のキャリアを用意すべきだ。少なくとも、定期的に組織を見直して(年功序列制が幅を利かせるような社風ではなく)有能な人たちが活躍できる場所を創出していることを社内にアピールしたい。そうすると、有能な人たちが会社の将来性に対して不安を感じることも軽減されるだろう。

今すぐ取り組むべきこと

労働者の離職に悩んでいるならば、まずはデータを取って、今の自社の離職率が前年や前月と比べて、もしくは日本の平均に比べてどのような状態になっているかを把握することから始めよう。これは入職/退職の記録が残っていれば非常に簡単なことだ。
そして、会社を停滞させないことだ。常に会社を変化させ、有能な人材にスポットが当たるような仕組みづくりを進めていくことが重要だ。


あとがき

最後まで読んでくださってありがとうございます。

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