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孫子の兵法について学ぼう - 虚実篇~軍争篇

さあ、水曜日だ。
水曜日は「孫子の兵法」について書いていく。

このシリーズはかなりボクの思考のバイアスがかかったことを書きそうだ。…っていうか、前回「軍形篇~兵勢篇」について書いたが、かなりボクのアレンジが加わった内容になったと思っている。

が、引き続き暖かい目で読んでいただけると幸いだ。


6. 虚実篇- 相手の弱みを突いて主導権を握る

「善く戦う者は、人を致して人に致されず」
- 戦が上手い人は、相手の作戦に乗らず、こちらの作戦に相手を乗せようとする。

つまり「主導権をどう握るか」だ。
孫武は、常に敵よりも先に戦場に赴くようにしていたそうだ。先に現地入りしていれば、その場の地形や気象条件などを把握することができ、余裕を持って戦うことができるが、敵よりも遅れて戦場に到着すれば苦しい戦いを強いられることになる。

だが、単純に「待ち合わせには相手より早く現地に着くようしろ」ということが言いたいわけではない。その場のイニシアティブをどう掌握するか、ということが重要だ。最近は、いろいろなところで「商談やプレゼンの時に話を有利に進めるための心理テクニック」みたいなのが簡単に入手できるので、そういうのを参考にしてみるのも良いかもしれない(ただし、ボクはその効果についての保証はしない)。

「攻めて必ず取るは、その守らざる所を攻むればなり。守りて必ず固きは、その攻めざる所を守ればなり」
- 攻撃するときに、その攻撃が成功するのは、敵が守っていないところを攻めるからだ。逆に守備に回っているときに、その守備が上手くいっているのは、敵の攻めてこないところを守っているからだ。

現代では、なかなか一対一で戦うような場面は少ないが、何か事を為そうとするならば、みんなが守りを固めているところに突っ込んでも勝算は少ないってことだぞ、みんな!

そして、もう一つ。
「兵の形は水に象る。水の形は高きを避けて下きに赴く。兵の形は実を避けて虚を撃つ」
- 戦の形は水のように流動的であるべきだ。水が高いところから低いところに流れるように、物の隙間に染み込んでいくように、敵の手薄なところを突くべきだ。

思考を柔軟にしよう。
固定化された勝ちパターンなんてないんだ。大勢の人が群がっているところに勝機は無い。手薄なところを突くんだ。自分の人生は自分で主導権を握って、他人がやってないことを堂々とやっていこうじゃないか。

7. 軍争篇 - 勝負を有利に運ぶための駆け引き

「その疾きこと風の如く、その徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如し」
- 作戦行動するときは、風のようにすばやく動き、林のように静かに構え、火のように激しく攻め、山のようにどっしり構えることが重要だ。

これは、皆さんよくご存じだろう。
武田信玄の「風林火山」の旗印の引用元だ。

ここで重要なのは「動」と「静」の対比だ。
普段からなにかと浮ついていて、落ち着きのない人は信用されづらいだろう。また、いつもイライラしていて、すぐに怒りを顕わにする人も、警戒されることはあっても、友好的な感情を向けられることは少ないだろう。

普段は、あまり周囲の雑音に左右されず、精神的に安定していることが基本、だが動くべき時には、ためらうことなく迅速に行動できる。こういう人が最強なんだろうと思う。

そして、孫武はこうも説いている。
「善く兵を用うる者は、その鋭気を避けてその惰気を撃つ」
- 戦が上手な人は、敵の気力が充実しているときは戦いを避け、敵の気力が衰えたところを叩くものだ。

相手のモチベーションが高いときに勝負するなということであるが、逆にいうと、こちらのモチベーションが低いときに勝負するな、と言い換えることもできる。

そして、もう一つ。
「囲師には必ず闕き、窮寇には迫ることなかれ」
- 包囲した敵には、必ず逃げ道を開けておき、進退窮まった敵を追い詰めてはいけない。

これも自分に当て嵌めておこう。
逃げ道を作っておくんだ。逃げ道を作っておかないと、追い込まれたときに「捨て身の一撃」を出さざるを得なくなる。そんな行動が良い結果を生むことはない。

…以上、虚実篇~軍争篇はいかがだったろうか。
来週は、九変篇~行軍篇に触れていこうと思っている。


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