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SBG9「世のため」は保留しよう!

カテゴリー 5「世のため、人のため」より「自分のため」?

社会的意義から考えるのを止めよう!

「自分がやりたいことって何かな」って考えるときは、3つの要素があります。

①自分がしたいこと。

②社会が必要としていること、そして

③自分ができることです。


 どこから考えてみてもいいのですが、「世の中のため」を示す②を優先することはやめましょう。世の中のニーズに一致しているかどうかは、一旦保留しましょう。
 

 その理由は、「社会的な意義」よりも「個人の好き事」の方が動機付けとしては強力だからです。社会的な意義とは「国のため、家族のため」といったもので、このような動機付けは「外発的動機づけ」と呼ばれます。これに対して「自分のやりたいこと」、「好きだからする」といったものは「内発的動機づけ」と呼ばれます。
「外発的動機づけ」に基づいた行動は、この「理由づけ」をする人ほど、長期的にはパフォーマンスが落ちるという実験結果*もあります。

 「ご褒美がもらいたいから、お小遣いが欲しいから」、「親や学校の先生に叱られたくないから」といった外発的な動機に基づくものは、大半の人に対して「短期間で一定の効果を上げられる」というメリットがあります。「お菓子あげるから、涙くんバイバイだねぇ」といった、幼児期の子ども対しての母親の言葉がけなども、外発的動機づけを用いた例にあたります。
 

 一方の「内発的動機づけ」は、自分が本当にやってみたいことに気づいたり、実際にやってみようと決心するまでに時間を要します。幼児も成長するにつれて、「お菓子をあげるから」と言われても、相当慎重に価値判断を下そうとし、忖度するようになります。数あるやりたいこととそうでないことの中から、即時的な報酬よりも、たとえ先延ばしではあっても自分の考えに基づいた報酬に対して、より多くの価値を見出すようになります。お菓子を我慢してでも、やりたいこと、またはやりたくないことを考えられるようになるのです。

ここがサスティナブル!
 職業のような長期的な取り組みには、即時的な動機だけでは不十分です。持続(サス)可能(テイナブル)な動機であるためにも、内発的動機に基づいた「身近な自分事」から考え始めましょう。
持続的に困りごとや課題に取り組める自分を作るには「楽しいこと、好きなこと」といった「内発的動機」を大切にしましょう。
「楽しいことに取り組んでいる女性は美しい」。

*Amy Wrzesniewski, Yale University. 米国陸軍士官学校の生徒1万人以上を対象に10年間に渡っての調査


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