アリストテレス哲学とPDCAサイクルとOODAループを総合した「APO戦略」(仮名)を考える。その2

所で、私の活動フィールドは「介護福祉」の現場である。介護福祉という分野は、厚生労働省の統制によって、すでにPDCAサイクルが制度としてガッチリ組み込まれている。ケアマネが事前調査をして会議をし「居宅支援計画」とか「リハビリテーション計画」作成する(P)そのプランを施設職員などが実施する(D) 三か月ごとにサービス担当者会議を開いて評価する(C) 問題点などを見直しし、新たなプランを作成する(A) 福祉現場の仕事は、一応このようなサイクルに従って行われることになっているのである。また、近年ではPDCAサイクルの弱点を補強したSPDCAサイクルが採用されるようになった。これはPDCAとOODAループを総合したような理論になっている。このようなことで、医療や介護福祉の現場ではPDCAサイクルとOODAループの総合は、すでに行われている現実になっている”はず”なのである。しかし、介護福祉業界では、OODAループどころかPDCAサイクルの意義もさほど意識されていないと思う。というより、「戦略論」とか「マネジメント」という言葉が、深層心理の上では忌避されているようなところがあるのだと思う。良くも悪くも「思いやり」とか「良心」によって仕事をするべきと考えているのだと思おう。もちろん、それは悪い事ではない(それどころか非常に重要である)。しかし、本来、「思いやり」や「良心」と「戦略理論」や「マネジメント」が矛盾するわけではないのである。いや、このような批判には一理あって、冒頭に述べたように、PDCAなどを用いた「戦略理論」や「マネジメント」が、かつては戦争に勝利するために活用されたり、企業利益の最大化の為に活用されたこともあり、医療福祉業界の根底にある「奉仕の精神」などと矛盾するということは、あながちおかしな批判ではないはずである。というのもOODAループというのは、ベトナム戦争の敗戦の教訓から生まれた「軍事理論」であったということもある。

だからこそしっかりとした倫理思想によって、戦略、戦術理論などは制御される必要があるのである。

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