幸せな人生を生きるには?

では、早速アリストテレスの倫理学の内容に入っていきましょう。詳細は原典を参照して頂くとして、この記事では本質をがっつり取り出して紹介します。

善とは何か

アリストテレスは、まず、我々の日々の行動に探求の目を向けます。すると我々が、ある出来事や行動を「善い」「悪い」と判断していることが見てとれますが、そもそも何を善いとし、何を悪いとしているのでしょうか?例えば、酒を飲みすぎる事は「悪いこと」とされますが、何が悪いかと言うと、体に悪いのだと、体に悪いと何故悪いのかとさらに突き詰めて考えると、健康を失うことで、不幸をもたらすから悪いのだと言う。つまり、善い悪いの究極の判断基準は「幸福」にあるのだと言うのです。別の例で言うと、あの戦争、例えば太平洋戦争が日本にとって「悪い戦争だった」と言うことは保守派ですら認めるところだと思いますが、それは何故かと言うと、あの戦争が多くの日本人に「不幸をもたらしたから」であると言うことになります。そして、何故不幸な、悪しき戦争だったかと言うと、アリストテレスの倫理学の結論からすると、「よく考えないで行われた戦争だったから」と言うことになるのです。

それくらい、アリストテレスの倫理学と「か考えること」ー知性の働きは密接な結び付きを持っています。

結論から言いましょう。アリストテレスが言う幸福の本質は「知性を発揮して生きること」なのです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?