SEOが通用しない韓国でマーケティングするには?
タイトルの通り、日本のマーケターに「韓国ではSEOが通用しません」と伝えると皆さん驚かれます。
日本では「ググる」という言葉がありますが、韓国では「ググる」のではなく、『NAVER』で検索するのが主流です。
基本的に私も韓国語で何かを調べるときはGoogleを一切使わずもっぱらNAVERです。10年以上も使ってきているので、Googleを使って韓国語で検索するのは何か慣れないし気持ち悪い。情報も全然出てこないのでNAVERを使わざるを得ない。おそらく多くの韓国の方もこのような感覚だと思います。
そして実際にGoogleよりもNAVERの方が圧倒的に情報量は多く、日本での「ググれ」は通用せず、韓国では「네이버로검색해봐!!(NAVERで検索してみな!)」がスタンダードなわけです。
では、実際の数字を見てみましょう。
韓国国内では60%以上がNAVERで検索している
2017年NAVERの利用ユーザーが全体の85%でしたが、2019年末には58%まで減少。その代わりにGoogleが勢いを増している状況です。韓国内ではこのままGoogleの勢いに飲み込まれるのではないかという声もありましが、今年に入って60%台に回復。しかし依然としてGoogleの勢いがすごいことは言うまででもありません。
NAVERが勢いを取り戻した一つの要因として韓国科学技術院(KAIST)とともにAI専門人力養成及び技術拡大に伴い教育業務協約を結びかなりの改善があったとか?(http://it.chosun.com/site/data/html_dir/2020/05/15/2020051503105.html)
依然として韓国国内ではNAVERがメジャー。
となるとGoogleのSEOがほとんど通用しない現状です。
もしかしたら数年後はGoogleとNAVERの割合が逆転する可能性もあるかもしれませんが、直近ではまだまだ難しいでしょう。
そのため日本のマーケターが韓国でマーケティングをしようとして安易に日本流のSEOに手を出すと失敗します。
では、NAVERの中でSEOの最適化はされていないの?と言った声も上がるかもしれません。ここからはNAVER内のSEOについてお伝えします。
NAVER独自のSEOが存在する
韓国NAVERはGoogleのような検索エンジン、かつたくさんのサービスを検索エンジン上で利用できます。
NAVER上に掲載されているコンテンツには全てカテゴリーが決められており、ブログ・ニュース・動画・ショッピング・WEBサイト・知識IN(Yahoo!知恵袋のような機能)など総数50近くのカテゴリーに分類されています。
実際、NAVERで検索した時に上段に出てくる情報の多くがブログ情報です。 そのため企業のサイトが上位表示されることはほとんどなく、NAVER上で上位表示させていくには特定のテーマで持続的、長期的に、コンテンツを更新しているブログが上位表示される仕組みになっています。
実際に「BtoBマーケティング」で検索すると、まず上位に広告。
その次にブログ、知識iN(Yahoo知恵袋的な)
そしてやっとWEBサイトの項目が出てきます。
そもそもGoogleの場合このように分かれて表示はされませんよね?
NAVERで検索した際には、ほとんどこの「WEBサイト」のカテゴリーが上位に表示されることはありません。このNAVER独特の構造があるため日本国内で浸透しているSEOやWEBサイトのマーケティングが難しいと言われているのです。
NAVERマーケティングを制する者が韓国のWEBマーケティングを制する
いまだに韓国ではNAVERの仕組の方が人気を集めています。しかし、韓国の大多数の人が使用するNAVERではWEBサイトが殆ど機能しておらず、Google検索結果の上位にも表示されません。そのため、韓国においてWEBマーケティングを行っていくには、NAVERを攻略することが重要となってきます。
NAVERマーケティングの基礎
■ブロガーによるNAVERブログ
韓国で王道のNAVER内のSEO対策は「ブロガーによるSEO対策」です。業界によっては、ブロガーのブログ記事でのSEO対策が有効ではないニッチかつレガシーな業界もありますが、基本的にはtoC向け商材であればブロガーによるSEO対策が有効と言われています。
■NAVER独自の4つのライティングルール
NAVERブログを最適化するためには以下の4つのルールを抑えておく必要があります。
①キーワードの最適化
②専門分野に特化する
③記事を定期的に更新する
④広告性のある投稿は控える
①キーワードの最適化
NAVERは最初に読まれる値を重視する「頭括式タイトル」のキーワード配置になっており、キーワードを先に書かないと上位表示は期待できません。そのため様々なキーワードで検索を欠けてみましたが、前半の10文字以内にそのキーワードが出現するタイトルがほとんどでした。どのキーワードで検索してもらいたいのかを決めたらあとはタイトルを最適化することが重要です。
②専門分野に特化する
専門分野を持ってブログを運営することで、特定分野において専門家NAVER側に判断され上位表示で有利となります。アクセスの有無にかかわらず、密度の高いキーワードを基に運営したブログは信頼されやすいです。
ブログからの集客を強化したい場合は、専門分野に絞ってブログを運営することをお勧めします。
③記事を定期的に更新する
NAVERでの検索結果を見ると、上位表示されている記事はどれも公開日が新しい記事が多い傾向にあります。定期的に情報を更新し続けることがNAVERアルゴリズム的に望ましいとされています。
④広告性のある投稿は控える
ブログには「共感」「コメント」「スクラップ」があり、これらが多いほどアクティブなブログと判断され上位表示にも有利になります。あまりに広告性の多い投稿に関しては共感やコメントを集めづらいため、まずはユーザーにとって有益な情報を発信していくことが重要です。
■企業アカウントのNAVERブログによるSEO対策
ブログカテゴリーが上位に表示されやすいことは変わらないため、企業アカウントでNAVERブログを運営している企業も多く存在します。toCに関しては個人ブロガー、toBに関しては企業アカウントでの運用といった具合で使い分けるのがいいでしょう。
SNSを活用するならインスタグラムを!
韓国でTwitterをビジネスとして使っているケースはほとんどありません。
実際「マーケティング」というワードで検索しても数年前のツイートが表示されるくらい閑散としてます。
その代わり韓国人はインスタを使う割合も多く、ビジネスシーンで日本よりも活発に使われている傾向にあります。
実際「マーケティング」の日本語のタグの件数は20.1万に対し、韓国語では53万件超え。
そのほかのキーワードでも検索してみましたが、ほとんど日本を上回るタグの件数でした。
そのためインスタグラムを活用してマーケティングを行うこともオススメです。
このnoteを通して伝えたいこと
「マーケターとして既存の知識や常識を常に疑う必要がある」ということ。
ゼロベースで考える。日本で当たり前のSEOが効かない国に行ったらどうするのか?そういった視点があるだけでこれからのマーケティング施策に対してもっと本質的に捉えることが可能になってくるのではないでしょうか?
構造が違うだけでマーケティングのフレームワークはほとんど変わりません。
今までやってきた手法だけでなく、違った方法や環境下でもマーケティングができるように日頃から思考を鍛えていきましょう💪
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コロナ収束まで、国境なき医師団に寄付させて頂きます。