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【騒音の神様】09 神様、喫茶店で愚痴る。(激突体育会系暴力編)

神様は喫茶店に入り、コーヒーを飲んだがさっぱり味が分からなかった。腹が立って腹が立って仕方がなかったのだ。
「ああ、腹立つ。なんであんなに子供を殴る必要があるんや。スポーツは面白いものちゃうんか。殴り飛ばして大人のいいなりにするためのものか。口も汚い。軍隊なんか?少年兵か?違うぞ。もう戦争は終わってるぞ。」
知らない間にコーヒーカップは空になり、神様が口をつけても何も入ってこない。
「空か。マスター、おかわりたのんます。」
神様のイライラしながら吸うタバコの煙がモクモクと立ち込める。ふと、目の前に座っている花守に目が行くと、花守はじっとどこかを見つめている。神様は花守に言った。
「ああ、花守君、ぶつぶつ言うてすまんな。腹が立って仕方ないんや。あと、ここの勘定はわしが払うから。たまには、わしに奢らせてくれ。」
と言うと花守は
「ありがとうございます。頂きます。」
と落ち着いて言った。神様はそれからも独り言のようにぶつぶつと話し始めた。
「しばらく、工事現場よりスポーツの場所に行ったほうがええんかもしれん。子供達がぼろくそにやられてるのを、黙って見てられん。あんなことしてたら、子供の本心の言葉が出てこんようになる。あかん。あれはあかん。」
花守は黙って神様の話しを聞いていた。花守は自分が何をすべきかは分かっていた。

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