四百三話 嫌だな怖いなぁ
「ごきげんよう」「神のご加護を…」
朝の清冽な空気の中、女子生徒の挨拶がこだまする…。
学校の校門をくぐると、そこは身も心も清らかな乙女の園…。
そう、ここは神田ミカエル女学院…。
中庭の大天使ミカエル像が、通う女子生徒たちを守護している…。
天界の大天使ミカエルは、ここに通う女子生徒たちを見て何を思うか…?
その御心は、まさに神のみぞ知るということなのだろう…。
ここに三年間通えば、お淑やかなお嬢様になって卒業できるという…。
制服は翻さないように、静かに歩き…。
清廉潔白で文部両道、それでいて純粋無垢な心を持った乙女たち…。
この学院には、そういった生徒しか存在しないのです…。
否、今日から新たに校門をくぐった、たった一人の生徒を除いて。
バイトでお友達になった…。
眠子さんのお家でお泊まりしている私。
眠子さんは今流行りのVRゲームの原作者で。
ゲームのシナリオも担当しているという…。
結構すごい人なのであった…。
眠子さんはゲームのシナリオを…。
寝る前にある程度書き上げて…。
私と一緒に寝よう〜という眠子さん…。
私はベッドで眠子さんに抱きつかれて…。
抱き枕のような状態になってしまうのだ。
寝る前に眠子さんが書いている…。
ゲームのテストプレイヤーになってほしいと。
言われたのだけれど…。
私はほとんどゲームをしたことないので…。
(子供の時やったなんとかクエスト以来かな?)
あとは簡単なスマホゲームしかやったことない。
お友達と一緒にやってもいいと言われたので。
初めてできたギャルのお友達藍さんと…。
一緒にゲームのバイトしてもいいかなぁ?
と思う私であった…。
学校ではすれ違いばかりなので…。
もしかしたらゲームの中では一緒にいれそう。
そんなことも考えてしまう私…。
そんなことを考えているうちに…。
私も寝てしまうのであった…。
朝起きて、私は勘違いしちゃって。
自分の家で寝坊しちゃったと思ってしまう。
ここは眠子さんの家で学校も休みだ。
隣では眠子さんがまだ寝ていて…。
なかなか起きない眠子さん…。
私は起こそうとして頑張るのだけれど。
ついには眠子さんのお母さん…。
圭子さんまで眠子さんを起こしに来た。
圭子さんの大きな声でようやく…。
起きた眠子さん…。
私は眠子さんを連れて…。
ダイニングテーブルまで行くのであった…。
ダイニングキッチンのテーブルには…。
すごい美味しそうなホットケーキがあって。
え?今はパンケーキと言うんだっけ…?
まぁ、とにかくあったかくて…。
ふわふわもちもちそうな…。
美味しそうなパンケーキがあったのです…。
パンケーキは圭子さんが作ってくれたようで。
お皿に人数分用意されていたのである…。
テーブルには四つのパンケーキが…。
私、眠子さん、圭子さんの分…。
あれ?1つ多くないですか…?
なんでだろう?不思議だなぁ?
私はなんだか空恐ろしくなってしまい。
いやだなぁ、こわいなぁ…。
なにかあったらいやだなぁ…。
そう思ったそのとき…!?
薄ら寒い空気がサッーと吹いてきたのです。
うわぁぁ、なんだ!?この空気…!?
今は初夏ですぞ…!?
そして、1つ多いパンケーキの向こうを…。
見つめたら、なんとそこには…。
真っ黒なレディーススーツを着た女性が…。
ボッーと椅子に座っているじゃないですか!?
私はびっくりしてしまい…。
ヒィと小さく悲鳴をあげてしまいました。
人間、あまりにびっくりすると…。
大きな声は出ないのですね…。
スーツの女性は真っ黒な髪をしていて…。
前髪もすごく長くて垂れ流しているので。
顔の表情さえもよくわかりません…。
日本では有名なテレビから出てくる…。
霊のなんとか子さんにそっくりじゃないですか!?
その人が生きてるのかそれとも…。
ここには存在しない摩訶不思議な…。
霊的な存在なのかも…。
私には判断がつかなかったのです…。
私はいやだなぁこわいなぁと思いながらも。
パニックになってもしょうがないと思い。
ダイニングテーブルの椅子に座ったのです。
周りには眠子さんも圭子さんもいるし…。
大丈夫大丈夫と心に言い聞かせました…。
眠子さんがなんとその女性に…。
話しかけているではないですか!?
私は大丈夫かな?と思ったのですが。
眠子さんとその女性は…。
お互い知己の仲だったようです…。
なんとその女性は…。
眠子さんが原作をしている…。
ゲームの会社の運営の方だったのです…。
私は寝ぼけているのか…。
その女性が怖い存在なのかと…。
勘違いをしてしまったのでした…。
いやぁ、早合点早合点…。
話してみるとその女性…。
結構いい人そうだし…。
お名刺もいただいしてまって…。
私は勘違いをしてしまい…。
申し訳ないなぁと思うのでした…。
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