三百十二話 原宿

「ごきげんよう」「神のご加護を…」

朝の清冽な空気の中、女子生徒の挨拶がこだまする…。

学校の校門をくぐると、そこは身も心も清らかな乙女の園…。

そう、ここは神田ミカエル女学院…。

中庭の大天使ミカエル像が、通う女子生徒たちを守護している…。

天界の大天使ミカエルは、ここに通う女子生徒たちを見て何を思うか…?

その御心は、まさに神のみぞ知るということなのだろう…。

ここに三年間通えば、お淑やかなお嬢様になって卒業できるという…。

制服は翻さないように、静かに歩き…。

清廉潔白で文部両道、それでいて純粋無垢な心を持った乙女たち…。

この学院には、そういった生徒しか存在しないのです…。

否、今日から新たに校門をくぐった、たった一人の生徒を除いて。


ずっと天使側の人間に狙われていた私だったけれど。

どうにか天使側の人間を退けることができて…。

ふと我に帰ると、犠牲者の身体が置き去りになっていた。

私は犠牲者の人が死んでいるのかと思ったのだけれど。

グレモリーによると、生きているというので…。

弱っている犠牲者の人を助けてあげることにした。

助けた方法は、あ、あの恥ずかしくて言えません…。

なんとも言えない助け方をしてしまって…。

なんだかすごい申し訳ない気がするけれど…。

生きていて本当によかった…。


その人の名前は宮園花子さんという名前で…。

アレな助け方をしてしまったので、お風呂に入れてあげることにした。

そのあと、私たちは寝ることにして…。

ベッドに4人で寝るのはきついので私はソファーで寝ることにした。

朝起きると花子さんがたいへんと騒いでいた。

花子さんは制服が燃えてしまったので…。

私のを貸してあげることにした。

花子さんは私と一緒の学校だったのである。

花子さんに他にも色々貸してあげて…。

無事に学校に行ったのである。


そのあと、残りのグレモリーと藍さんと私は…。

朝食をいただくことにした…。

朝食はコーンフ○ークで…。

いつもの簡単なものだった…。

でも、子供の頃食べた味で懐かしい…。

フレークを食べて朝食を終えた…。

私たちはスマホを見て時間を潰していたけれど。

藍さんが暇だつまんないーと言い出した。

要はどこか出かけたいと言っているらしい…。

私は学校を謹慎中なので、出かけるのはまずいと思う。

でも、グレモリーは咎めないのであった。


藍さんはまだつまんないーと駄々をこねている。

私はそんな藍さんに、どこか出かける?と尋ねた。

藍さんはパァーと明るい顔になり、行く行く!と言う。

私はまだ不安だったけれど、出かけると言ってしまったので…。

致し方ない。まだパジャマだったので着替えてくることにした。

藍さんも一緒に着いてきて着替えるみたい。

着いてこなくてもいいのに…。

まだ私は着替えを見られるのが恥ずかしいのだ。

藍さんはそんなことも梅雨知らず…。

大胆にすでに下着姿になっている。

いつもの真っ黄色な派手な下着…。

黄色い花みたいで綺麗だなぁ…。

「ノアっち、またあっしの胸見てるし」

すぐに視線がばれてしまう私であった…。


私たちは出かけられる私服に着替えた。

藍さんに触れられて、認識されないようになっている…。

らしいのだけれど、大丈夫なのかな…?

私はまだまだ不安なのだけれど…。

藍さんはお出かけお出かけーとすごい喜んでいる。

いいなぁ陽気で…。私も気持ちを切り替えないと。

もし先生に見つかったら、その時はその時だ…。

「それで?どこに行くの?藍さん」

私は藍さんに聞いてみた。

藍さんは私の格好をしげしげと見つめている。

「ノアっち、いつもおんなじ格好っしょ?」

私の服が気になるらしい…。

家出した時の格好のままの私…。

もちろん洗濯はしているのだけれど…。

あと、翼さんからもらった服持って来れなかったのもつらい。

翼さんの事を思い出して、ちょっと涙ぐんでしまう…。


「うわぁノアっち、ごめんだし。何か事情があるんだよね?」

藍さんは仕切りにごめんごめんと謝ってくれる。

別に藍さんのせいじゃないし…。大丈夫だよ…。

私は少し気弱に応えるしかできなかった…。

でも、このままじゃ藍さんに悪いと思って…。

私は無理して笑顔になって、藍さんと腕を組んだ。

「藍さん気にしないで!一緒に行こ!」

私はギュッと藍さんの身体に寄り添う。

藍さんもいつものギャル制服風ファッションだった。

でも最近涼しいというか寒いのでカーディガンを着ている。

藍さん、カーディガン似合うなぁ。

それにミニスカートだけど、寒くないのかな?

あとルーズソックスなんて履いてる。


「それじゃグレモリー出かけてくるね」

私たちはグレモリーに行ってきますと言って家を出た。

あ、どこ行くか決めてない…。

「ノアっちの服を見立てに行こうと思って」

藍さんが以心伝心のように答えてくれた。

そうか、藍さんが私の服を選んでくれるのかな?

藍さんオシャレそうだし、ちょっと楽しみになってきた。

あ、でも私お金ないや。どうしよう。

「大丈夫だし!あっしに任せてちょうだい!」

藍さんが頼もしく言ってくれる。

「ノアっちの服だから原宿に探しに行く?」

原宿かぁ。あまり行ったことないなぁ。

ゴスロリの服とかあるかなぁ?

「ノアっちの好きそうな洋服いっぱいあると思うし」

藍さん、私の考えていること何でわかっちゃうの??

そっちの方がスキルっぽい…。

何はともあれ、原宿に向かう私たちであった。

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