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三十二話 人の作りしモノ

流行が過ぎたアンドロイドに絡まれている私。
また前みたいにチヤホヤされたいんですって?
秋葉原も何回も来てるから、案内なんていらないし。
でも、こんなにかわいいメイド型アンドロイド放っておけない…。
少しは話に付き合ってあげようかな?

「わかった、わかったから。少しは付き合ってあげるわ」
「わぁ!ありがとうございます!」
私がそういうと、アンドロイドは抱きついてきた。
ものすごい大きな胸を押し付けてくる。
推定バスト95センチ以上あるだろうか…。
ポヨンポヨン。
マショマロみたいに柔らかい感触。
その柔らかさはまるで天上の絹の様…。
いや、そうでなくて!?
これは飽くまで作り物の胸よ。
落ち着くのよ、ノア…。
すぅ…はぁ…すぅ…はぁ…。
深呼吸する…。
すると、桃みたいなすごいいい香りが鼻腔を擽った。
こ、これはこの子の、アンドロイドの体臭なのか?
あぁ、ダメだ。この香り嗅いでるだけで、脳が蕩けそう…。
「どうしたんですかぁ?」
アンドロイドが私の顔を、覗き込んでくる。
可愛らしい上目遣いでだ…。
この子は作り物だ。作り物だ…。
私は自分に言い聞かせた。
アンドロイドの子は、少し屈んでまだ上目遣いで、私のことを見ている。
その魅力的な七色の瞳に、惹き込まれそうだ。
私は慌てて、視線を逸らした。
逸らした先には、アンドロイドのたわわに実った胸があった。
メイドにような格好だが、エプロンの胸部が開いていて女の子らしいブラウスが露になっている。
エプロンドレスというのだろうか?
ブラウスに包まれた豊満な胸が、強調される作りになっている。

「どこ見ているんですかぁ?ずっと黙ってて…」
アンドロイドは私の視線に気づき、怪訝な顔をしている。
やばいと思って、また視線をあらぬ方向へ逸らした。
「私の胸見てたんですかぁ?エッチ…」
ば、バレていた…。
「でも私のことそんなに見つめてくれるなんて嬉しい…」
顔を赤らめ、恥ずかしそうに俯くアンドロイド。
かわいい…。
アンドロイド相手に胸キュンしそうな私。
いやいやダメだ。この子は人の子等の作り出した人造人間。
「こんなところで立っていてもしょうがないですよぉ」
今度は私の腕を掴んで、腕を組んできた。
ムニョン!
また柔らかい感触が、私の腕を襲う。
「アキバの街ならどこでも案内します!行きましょう!」
半ば引き摺られるように、私はついていった。

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