九十一話 摩耶
メイド喫茶店『天使の扉』で開店準備して、開店を迎えご主人様、お嬢様をお待ちしている私。
翼さんが、ドアの札を開店に変え、いよいよだと思い、私の緊張は頂点を迎えた。
翼さんは私の緊張を察して、私の手を握ってくれた…。
私は恥ずかしくも、嬉しくなり、緊張が少しは緩和された…。
ずっとこのまま翼さんと、手を繋いでいたい…。
そう願っていたら、非情にもカフェのドアのカウベルが鳴った…。
ドアを開け、最初のご主人様?お嬢様?が入ってきた…!?
「お…お…おか…おかえ…」
あまりの緊張にお帰りなさいませご主人様も言えない私…。
「お帰りなさいませ!……あら、また遅い出勤ね摩耶まやちゃん…」
翼さんの反応を見ると、どうやら客ではないようだ…。
「翼さん、おはようっす…」
気だるそうに翼さんに挨拶する少年…?
アッシュに染めた無造作なショートカット、小さな丸顔に度が強そうな眼鏡をかけている。
フードがついたパーカーを着て、下はものすごい際どいホットパンツを履いている。
一見少年だけど、ボーイッシュな女の子なのだろうか…?
ホットパンツから伸びた色白な細い脚が綺麗だった。
その脚には縞模様のニーソを履いている。
青と白の縞模様で、すごい可愛かった…。
「毎回遅いぞ、摩耶!」
店長からも激が飛んだ…。
摩耶という人物は、どうやらこの店の店員らしい。
「すみませんっす、着替えてくるっす…」
全然済まなそうにしないで、更衣室に向かっていった…。
更衣室から出てきた摩耶は、ブルーを基調にした爽やかなメイド服を着ていた。
摩耶のメイド服も、ものすごいミニスカートになっていた…。
あれじゃ、パンツ見えちゃうよ…。
っていうか、見えた!パンツが見えた!!
摩耶のパンツは、縞模様のニーソと同じ模様の、縞々パンツだった…。
青の縞々模様が眩しかった…。
縞模様、可愛いな…。私も真似しようかな…?
でも、似合うかなとか思っていた…。
「あ、摩耶ちゃん、今日からうちで働く乃亜ちゃんよ…!」
翼さんが、私のことを摩耶に紹介してくれた…。
「我!漆黒の闇より出でし堕天使ノア!」
思わず中二病で、自己紹介してしまった…。
「今時、中二病っすか、古いっすよ…。まぁ、よろしくっす…」
中二病に古いも新しいもあるのか!?ぐぬぬ…。
ちなみに、摩耶は眼鏡を外し、可愛い瞳が強調されていた。
コンタクトでも入れているのかな…?
私は中二病挨拶を貶されたので、摩耶の顔を睨んだ…。
摩耶も私の視線に気づき、睨み返してきた…。
私はこの時気付いたのだ。可愛い見た目だがこいつは相容れない存在だと…。
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