百一話 恋人繋ぎ?

メイド喫茶店?『天使の扉』で働くことになった私。
今日初めてお帰りになったお嬢様に、いろんなことされてしまう…。
素肌の脚を触られたり…お尻を触られたり…。
そんなに触られたら、私どうにかなっちゃうよ!?
どうにか翼さんに助けてもらえたけど…。

これで、少しはお嬢様から解放されると思いきや…。
コートを脱いで、席に戻ったお嬢様に空いたスペースに座れと言われてしまう…。
「し、失礼します…」
私はおどおどしながら座る…。
正直、このお嬢様の横に座るなんて気がすすまないけれど…。
なんたら法に引っかからないといいけど…。
お嬢様は、私の手を握ってきた…。
私は思わず、身体がビクッとしてしまう…。
身体がびっくりして、こわばってしまう…。
お嬢様は、私の指、手の甲、色々なところを撫で回してくる…。
私は無言で耐えるしかなかった…。
お嬢様はついに、恋人つなぎをしようとしてきた…。
私は、頑なにそれは拒んだ…。
恋人つなぎをする人は、翼さんだけだと決めていたから…。
私の身体がこわばっているのを、お嬢様は勘違いしたのか…?
お嬢様は私に、緊張しているのかと聞いてきた。
それとも、私のこと嫌いなんでしょ?とも聞いてきた…。
お嬢様のことは、正直苦手だけど…。
まさか、そのまま伝えるわけにはいかないので…。
私は、お嬢様は素敵です…みたいな内容を伝えた…。

「怯えちゃってかわいそう…。嘘はいけないわよ、子猫ちゃん…」
お嬢様は、私の指と自分の指を絡ませながら言った…。
「私のこと嫌いなのわかるもの…。子猫ちゃんのことはなんでもわかるの…」
お嬢様は、執拗に指を絡ませながら言う…。
「でも、嫌われても私は諦めない…。子猫ちゃんは私の獲物よ…」
お嬢様は、ギュッと私の手を握って言ってきた。
私の瞳を、じっと見つめてくる…。
お嬢様の綺麗な瞳の中には、怯えた表情の私がいる…。
「私は諦めが悪いの…。狙った獲物は絶対に逃がさない…」
お嬢様の瞳が一瞬、黄金色に光ったような気がした…。
私はお嬢様の瞳に取り込まれそうな気がして、目を逸らした…。
お嬢様は黒く長い髪の毛を靡かせいる美人だけど…。
瞳の色も、今見たら黒い虹彩だった…。
でも、このお嬢様、常人離れしているような…?
気のせいかな…?
ずっとこちらを見ている、ショートボブの連れのお嬢様も不気味だった…。
私、無事に接客できるのかな…?
お嬢様にずっと握られている私の手が、じっとり汗ばんでいる…。

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