四百十七話 ポニーテール

『デモンズファンタジア』

それは勇者軍と魔王軍の戦い…。

魔王軍の熾烈な戦いに手を焼いた王国は。

異世界より勇者たちを召喚した…。

それでも魔王軍をなかなか倒せず…。

魔王軍の四天王…。そして…。

魔王は強烈に強かったのである…。

そのとき光の勇者が召喚され…。

四天王を封印し魔王を斃したのである。

こうして王国には平和が訪れた…。

かに思えたが…。

魔王軍の残党と魔王の子が…。

また王国に脅威をもたらしたのである。

王は光の勇者を探し召喚するように…。

宮中魔術師たちに命令した…。

果たして勇者プレイヤーは召喚に応じ…。

四天王と魔王の子を斃せるのだろうか?

しかし、此度召喚された勇者は…。

かなり変わった勇者だったのである…。

『デモンズファンタジア』という…。

VRゲームのテストプレイヤーをやることに。

なった私…。

バイト先で眠子さんという女の子と…。

紆余曲折あってお知り合いになった。

その子に頼まれたのだ…。

眠子さんはそのゲームの原作者であり…。

ゲームのシナリオも書いているという…。

すごい人なのであった…。

秋葉原の街はそのVRゲームの広告で…。

いっぱいになっているぐらいの…。

人気作なのであった…。

私はあまりゲームはやらないけれど…。

昔はスマホぽちぽちゲームを…。

やったぐらいだった…。

でもそのVRゲームは…。

ファンタジーを題材にしたゲームで…。

女の子モンスターがいっぱい出るという…。

私は女の子だけど女の子大好きなので…。

俄然、やる気が出て来たのであった…。

次の日、眠子さんの家に向かう私たち…。

私たちというのはズッ友の藍さんと…。

私の2人ということ…。

秋葉原の街を通り過ぎると…。

すぐに眠子さんの家…。

というかビルが見えてきた…。

VRゲーム『デモンズファンタジア』

そのゲームのテストプレイヤー…。

というかバイトを頼まれたのである…。

原作兼ゲームのシナリオライターの…。

眠子さん直々のお願いであった…。

お友達を誘ってもいいというので…。

ズッ友でギャルの藍さんを連れてきた。

眠子さんの部屋に着くと…。

ゲーム会社の運営さんが待っていて…。

すぐにVRゲームのスーツを着ることになった。

運営さんは運営Lさんという謎の人だ…。

私たち2人はスーツが着やすいように…。

服を脱いで下着だけになった…。

本当は服を着ていても何の支障もない…。

けれども藍さんがこっちの方が動きやすい。

と言うのであった…。

VRスーツを着てベッドに横になる2人…。

運営Lさんはスマホを操作している…。

すぐにゲームの世界にダイブするのであった。

ゲームの世界に入ってすぐやったのは…。

自分のキャラメイクだった…。

このゲームは現実世界の自分を…。

精密なCGで再現できているという…。

鏡に映ったような自分の姿を…。

色々と変えられるようだった…。

私はすっごい美少女なので…。

あえて姿をあんまり変えなかった…。

でも、恥ずかしいのだけれど…。

すっごい貧乳なので…。

最近Aカップになりつつあるお胸を。

Bカップぐらいに変えておいた…。

そのぐらいゲームの世界だし…。

ちょっと大きくしてもいいよね?

もっと大きくしたかったけれど…。

リアルフレンズの藍さんもいるし…。

いきなり大きくなったら変なので。

やめておいたのである…。

このゲーム、色々種族も選べる…。

人間と変わらないヒューマン…。

金髪で耳が長いエルフ…。

エルフの亜種のダークエルフ…。

背が小さい種族、ドワーフ。

天使のような種族エンジェリック。

反対に悪魔のような種族デモンズ。

私は迷ったのだけれど…。

ヒューマンを選んだ…。

職業ジョブも選べる…。

私は召喚士を選んだ…。

召喚士は読んで字の如く…。

モンスターを召喚するジョブ。

召喚するには最初に…。

モンスターと仲良くならないといけない。

このゲームは女の子モンスターが…。

結構いるというので仲良くなりたい。

そんなことを考えてしまう私…。

召喚士は本人の戦闘能力はほぼ皆無らしい。

代わりにモンスターが戦ってくれるのか。

めんどくさがりな私に向いてるかも。

そんな感じでキャラメイクを終えた私…。

キャラメイクを終えると…。

何かワープしてるような…。

不思議な感覚に襲われて…。

次に目を開けたら…。

ファンタジーゲームの世界にいたのだ…。

ヨーロッパのような城下町の風景…。

石畳の道路に木造の建物たち…。

そこを行き交ういろんな種族の人たち。

前もお試しで来たけれど…。

私は辺りを感動して眺めた…。

本当にゲームの世界に入ったようだ。

あらためて私は自分の身体を見てみた。

なんと私は下着のままの姿だった。

現実世界の下着のままかと思ったけど。

上は白い布地のスポーツブラのような布。

下は白いパンティーのような布だった。

それしか身につけてないので…。

私は恥ずかしくてしゃがみ込んでしまう…。

「最初は装備なしなのでそういう格好なのです」

運営Lさんの声が脳内に聞こえた…。

なんだそういうことなのか…。

辺りにも下着のような格好のキャラが歩いている。

そういう人たちは始めてたばかりなのだろう。

私と同じように…。

恥ずかしがっていてもしょうがないので…。

私はゆっくり立ち上がった…。

「恥ずかしいのならログインボーナスの…」

Gゴールドでお買い物したらどうでしょう?

とまた運営Lさんが言ってくる…。

ログインボーナスなんてもらったのか…?

どうせなら装備もくれればいいのに…。

私はどこにあるのかな?と思うと…。

勝手にステータス画面が開いて…。

持ち物ボックスの中を見れた…。

5000Gもお金があった…。

このままだと恥ずかしすぎるので。

私はとりあえず装備のお店に行くことに。

そういえば藍さんはどこに行ったのかな?

そう思ったそのとき…!?

私の下着だけのお尻をなでなでする感触が!

ひゃぁん!誰!?私のお尻触るのは!?

ゲームの世界でも痴漢っているの!?

私は思わず全身に鳥肌が立ってしまう。

恐る恐る後ろを振り向くと…。

なんと触っているのは藍さんだった…。

なんだぁ、藍さんが触ってるのか…。

拍子抜けして、私は安堵した…。

しかし、こんな街の往来で…。

こんな破廉恥なことをするなんて…。

「ノアっちの小さいお尻かわいいし!」

藍さんはご満悦な表情で…。

まだ私のお尻を撫で回している…。

「やめて!エッチなのはダメェ…!」

私はそう言って、藍さんの手をどけた…。

藍さんはつまんなそうな顔をしている…。

藍さんはいつものポニーテールを…。

ほどいて、髪を下ろしていた…。

金髪の髪がサラサラ風に揺れている。

私はその様子に見惚れてしまった…。

そして、なぜか耳が長くなっている。

かなり印象が変わった藍さんのことを。

じっと見つめてしまう私であった…。​

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