三百八十四話 小心者

「ごきげんよう」「神のご加護を…」

朝の清冽な空気の中、女子生徒の挨拶がこだまする…。

学校の校門をくぐると、そこは身も心も清らかな乙女の園…。

そう、ここは神田ミカエル女学院…。

中庭の大天使ミカエル像が、通う女子生徒たちを守護している…。

天界の大天使ミカエルは、ここに通う女子生徒たちを見て何を思うか…?

その御心は、まさに神のみぞ知るということなのだろう…。

ここに三年間通えば、お淑やかなお嬢様になって卒業できるという…。

制服は翻さないように、静かに歩き…。

清廉潔白で文部両道、それでいて純粋無垢な心を持った乙女たち…。

この学院には、そういった生徒しか存在しないのです…。

否、今日から新たに校門をくぐった、たった一人の生徒を除いて。


『小悪魔の休憩所』と言うお店で…。

数時間?バイトしていた私…。

前にズッ友の藍さんに…。

数万円分のお洋服を…。

買ってもらった私…。

私はそのお金を返したいと思ったのだ。

謎のマダムKという女性の紹介で。

今日から働くことになったのだ。

このお店は女の子が各自寛いでいて。

その様子をお客様が眺めて楽しむ。

そんなシステムのお店なのだ。

私もちょいギャル風制服に着替えて。

寛ごうと思ったのだけれど。

紆余曲折、色々あって…。

隣の眠子さんという女の子を…。

なでなで撫で回してしまうのであった。


何かチャイムのような不思議な…。

音楽が店内に流れて…。

他の女の子達が立ち上がり始めた。

私の膝枕で寝ていた女の子も…。

立ち上がって歩いていく…。

今日の仕事は終わりだと教えてくれた。

私も後をついて行って部屋を出る。

部屋の外ではマダムKが待っていた。

マダムKは今日のお給料をくれて…。

なんと一万円以上くれた…!?

そして、真門圭子という本名を教えてくれた。

なんと私がなでなでしてた女の子が…。

真門さんの娘さんだとも教えてくれる。

名前は眠子さんと言うことらしい…。

私は眠子さんのお母さんの前で…。

眠子さんの色んなところを…。

なでなでしまくっていたらしい。

私はなぜか恥ずかしくなってしまい…。

顔が赤くなってしまう…。


眠子さんたちは、衣装部屋に入っていく。

そうだ、来た時の私服に着替えないと…。

恥ずかしくてそのまま帰りそうになってしまった。

私も衣装部屋に入る…。

衣装部屋では数人の女の子が…。

着替えていた…。

みんなもう服を脱いでいて…。

下着姿の子が多かった…。

真っ白なブラとパンツの子とか。

大人っぽい黒の下着の子もいる。

私の隣の子はミントグリーンの…。

下着を付けていて、超かわいい。

女の子のいい匂いが充満していて…。

みんな色とりどりの下着をつけていて。

私は着替えの様子をじっと見てしまう。

よくよく考えたら…。

私の学校も女子校なので…。

体育の時間の着替えとか見てるわけだけど。


今日いる女の子はみんな美少女ばかりで。

もしかして、マダムKさんの目利きなのかな?

と思ってしまうのであった…。

マダムK、真門圭子さんと会った時も…。

私の姿を見て、すぐに採用されたし…。

自分で言うのもなんですけれど…。

私、結構見た目は美少女なのですよ…!

すみません、図に乗りました…。

しかも、胸はぺったんこだし…。

あははは、なんか情けなくなってきた…。

そんなことを考えながら…。

私も私服に着替えるのであった…。


やっと、『小悪魔の休憩所』を出て…。

帰路に着く私…。

人混みの中を歩いていく…。

かなり混んでいるので…。

歩いている人とぶつからないように。

歩いて行かないといけなかった。

秋葉原の街並みはビルが立ち並び…。

今流行っている電脳ゲームの看板が…。

ビルにいっぱい飾ってあるのであった。

今流行っているのは多分…。

オーソドックスなファンタジーな…。

ゲームであった…。

VRのゲームでファンタジー世界の中に。

あたかも自分が入っているような…。

リアルな世界を楽しめるゲームであった。

私はあまりゲームをやらないので…。

よくわからないけれど…。

秋葉原の看板がほとんど…。

そのゲームなので…。

すごい流行っているんだろうなぁ…。

私はそんなことを考えながら…。

帰路に着くのであった…。


秋葉原の中心街を抜けて…。

有名な神社の横を通る…。

その近くには、以前…。

私が働いてた喫茶店があるので。

何か居た堪れなくて…。

私は神社の裏を通った。

普段はあまり通らないので…。

道に迷いそうになったけれど。

神社の裏の大きな石段を通って。

どうにか見慣れた通りに出れた。

毎回こういうルートを通らないと?

いけないのかなぁと思った…。

前に働いていた喫茶店で…。

色々一悶着あったので…。

あまり前を通りたくなかったのである。

うぅ、小心者な私が憎い…。

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