三百八十五話 帰還

「ごきげんよう」「神のご加護を…」

朝の清冽な空気の中、女子生徒の挨拶がこだまする…。

学校の校門をくぐると、そこは身も心も清らかな乙女の園…。

そう、ここは神田ミカエル女学院…。

中庭の大天使ミカエル像が、通う女子生徒たちを守護している…。

天界の大天使ミカエルは、ここに通う女子生徒たちを見て何を思うか…?

その御心は、まさに神のみぞ知るということなのだろう…。

ここに三年間通えば、お淑やかなお嬢様になって卒業できるという…。

制服は翻さないように、静かに歩き…。

清廉潔白で文部両道、それでいて純粋無垢な心を持った乙女たち…。

この学院には、そういった生徒しか存在しないのです…。

否、今日から新たに校門をくぐった、たった一人の生徒を除いて。


『小悪魔の休憩所』と言うお店で…。

数時間?バイトしていた私…。

前にズッ友の藍さんに…。

数万円分のお洋服を…。

買ってもらった私…。

私はそのお金を返したいと思ったのだ。

久しぶりのバイトで…。

結構私は緊張しているのである…。

友人?の花子さんのお知り合いの、

謎のマダムKという女性の紹介で。

今日から働くことになったのだ。

このお店は女の子が各自寛いでいて。

その様子をお客様が眺めて楽しむ。

そんなシステムのお店なのだ。

私もちょいギャル風制服に着替えて。

寛ごうと思ったのだけれど。

紆余曲折、色々あって…。

隣の眠子さんという女の子を…。

なでなで撫で回してしまうのであった。


何かチャイムのような不思議な…。

音楽が店内に流れた…。

この音楽がこの仕事の終わりを…。

告げる音楽らしい…。

他の女の子達が立ち上がり始めた。

私の膝枕で寝ていた女の子も…。

立ち上がって歩いていく…。

今日の仕事は終わりだと教えてくれた。

はぁぁ、やっと終わった…。

数時間ぐらい?の働きだけど。

なんか色々あったし…。

緊張したのか、すごい疲れた…。

私も後をついて行って部屋を出る。

部屋の外ではマダムKが待っていた。

マダムKは今日のお給料をくれて…。

なんと一万円以上くれた…!?

そして、真門圭子という本名を教えてくれた。

なんと私がなでなでしてた女の子が…。

真門さんの娘さんだとも教えてくれる。

名前は眠子さんと言うことらしい…。

私は眠子さんのお母さんの前で…。

眠子さんの色んなところを…。

なでなでしまくっていたらしい。

私はなぜか恥ずかしくなってしまい…。

顔が赤くなってしまう…。


眠子さんたちは、衣装部屋に入っていく。

そうだ、来た時の私服に着替えないと…。

恥ずかしくてそのまま帰りそうになってしまった。

私も衣装部屋に入る…。

衣装部屋では数人の女の子が…。

着替えていた…。

みんなもう服を脱いでいて…。

下着姿の子が多かった…。

真っ白なブラとパンツの子とか。

大人っぽい黒の下着の子もいる。

私の隣の子はミントグリーンの…。

下着を付けていて、超かわいい。

女の子のいい匂いが充満していて…。

みんな色とりどりの下着をつけていて。

私は着替えの様子をじっと見てしまう。

よくよく考えたら…。

私の学校も女子校なので…。

体育の時間の着替えとか見てるわけだけど。

というわけで…。

私も着替えて帰ることにしたのである。


私は秋葉原の街を歩いて行く…。

今流行りのVRゲームの広告が…。

いっぱい飾ってあるビル群がある…。

中央通りを抜ける…。

アンドロイドのメイドさんがいっぱいいて。

一生懸命客引きをしているが…。

私は悪いが全員無視した…。

メイドさんの客引きのお店は…。

結構高いのである…。

客は2000円ぐらいで飲み放題だが。

お店に行くと、メイドさんが勝手に。

高いお酒を飲み始めて…。

お会計がとんでもないことになるらしい。

今日のお給料、全部飛んでいってしまう。

メイドさんとお話しするのは楽しそうだけど。

私には高嶺のお店なのである…。

アンドロイドのメイドさんたちは…。

みんなすっごい美少女たちで…。

いかにもオタクの人が好みそうな…。

かわいい容姿をしている…。

髪型も身体も人工頭髪と…。

人工皮膚で作れるからいいよね。


メイド服からもわかるぐらい…。

身体の凹凸がすごい…。

もちろんお胸がデカくて…。

ウェストは細くてお尻もでかい。

いいなぁ、人工の身体だから…。

好きに作られていて…。

私は顔は美少女だけれど…。

身体はまだまだ発展途上だ…。

ぺたんこで凹凸がない身体…。

胸がもう少し大きくならないかな?

と思う今日この頃なのである…。


私はとある事情で…。

秋葉原の街並みから離れ…。

有名な神社の裏を通った…。

神社の裏の大きな石階段を…。

通って…。もっと歩いていくと。

今お世話になっている家が…。

見えてきた…。

今、私は女悪魔グレモリーに…。

お世話になっている…。

そもそも私は家出して…。

秋葉原に来たので…。

本来なら働いて1人で…。

暮らさないと、いけないのだが…。

運がよかったのかな…?

最初に大好きな人の家に…。

お世話になって…。

その次になぜか悪魔の女性に。

お世話になっているのである。

私はその家に入っていく。


「ご主人様!どこに行ってたのですか!?」

家に入ると、女悪魔グレモリーが…。

腰に手を当てて、待ち構えていた…。

そういえば、バイトすることを…。

誰にも告げていなかった…。

「ちょっと、秋葉原に行ってた」

私はそう言うしかなかった。

グレモリーの後ろでは藍さんが…。

心配そうに見ている。

藍さんは私のズッ友のギャルだ…。

そのまた後ろには半透明の身体の。

花子さんがこちらを窺っている。

花子さんはとある事情で…。

半透明になってしまった…。

不憫な少女だ…。

この3人と私は一緒に住んでいる。


「心配しますから連絡してください」

グレモリーはちょっと怒っているようだ。

「わかったよ、ごめん」

私はもう疲れてたので、そう答えた。

あと、数日間遅くなるかもと伝えた。

少なくとも数日バイトする予定だ。

グレモリーたちは怪訝な顔をしている。

貴方たちにお金を返すために…。

働いているとは何か言い出せない。

私は遅い夕食を食べて…。

お風呂に入り、寝てしまう。

数日のバイト、頑張らないと…。

そんなことを思いながら…。

いつの間にか寝てしまうのであった。

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