四百五十一話 悲しい涙

『デモンズファンタジア』

それは勇者軍と魔王軍の戦い…。

魔王軍の熾烈な戦いに手を焼いた王国は。

異世界より勇者たちを召喚した…。

それでも魔王軍をなかなか倒せず…。

魔王軍の四天王…。そして…。

魔王は強烈に強かったのである…。

そのとき光の勇者が召喚され…。

四天王を封印し魔王を斃したのである。

こうして王国には平和が訪れた…。

かに思えたが…。

魔王軍の残党と魔王の子が…。

また王国に脅威をもたらしたのである。

王は光の勇者を探し召喚するように…。

宮中魔術師たちに命令した…。

果たして勇者プレイヤーは召喚に応じ…。

四天王と魔王の子を斃せるのだろうか?

しかし、此度召喚された勇者は…。

かなり変わった勇者だったのである…。



私、真島乃亜は…。

『デモンズファンタジア』

というVRゲームの…。

テストプレイヤーをしている。

エルフでギャルの藍さんと。

スライム娘のライムが …。

私の仲間のPTメンバーだ。

途中でこのゲームの…。

シナリオを書いている…。

眠子さんという少女も…。

PTに入ったのだった…。

私たちPT一行は…。

魔王の娘を助けることに。

とりあえず近くの村に。

向かって歩いている…。

やっと私たちは…。

名もなき村に…。

辿り着くことができた。

村に着いて宿屋に入った…。



そのあと酒場に行って…。

ノンアルコールドリンクと。

食事をした…。

そして宿屋に戻って…。

すぐ寝てしまったのだ…。



目覚めると午前3時だった。

宿屋の大浴場に…。

行くことにしたのである。

お風呂に入っていると…。

誰かが服を脱いで…。

浴室に入ってきた…。

なんとその人は…。

私の初恋の人…。

天上翼さんだったのだ…。

私は驚いてしまう…。

私と翼さんは泡まみれに…。

身体をお湯で流して…。

髪をお互い洗った…。

お互いきれいになったので。

お風呂に入ったのである。

私の初恋の人…。

翼さんがお風呂で…。

隣に入っているのが…。

すごく不思議な気分…。

翼さんは…。

お風呂一緒に入るの…。

すごい懐かしいわね…。

とそんなことを言う。



私も一緒のことを…。

考えていたので…。

すごい嬉しくなってきた。

私は翼さんに…。

東京に来てから…。

バイト先でお世話になったこと。

翼さんの部屋に住ませて。

もらったこと…。

いっぱい感謝の気持ちを…。

伝えたのだった…。

私は翼さんとの生活が…。

思い出されてしまって…。

いつしか涙が溢れていた…。

私は翼さんの身体に…。

抱きついてしまう…。

翼さんは私の頭を…。

優しく撫でてくれた…。

翼さんとは訳あって…。

突然お別れしてしまって。

嫌われてしまったのかと。

思ったのだけれど…。

そうではなかったようだ…。

私はすごい嬉しかった…。

翼さん好き愛してる…。

私は想いが溢れてしまって。

より一層抱きついた…。

ずっとこのまま時間が…。

止まってしまえばいい…。

そう思ったのだけれど…。

何十分そうしていたか…。

浴室の窓の外が…。

明るくなってきたのである。



もう夜明けになってしまった。

「そろそろ出ましょうか」

翼さんは私の身体を…。

優しく離してしまう…。

「ノアちゃんよく聞いて」

翼さんはそう言った…。

今は店長がいないから。

こうやって一緒にいたけれど。

私は天使側の人間で…。

ノアちゃんは悪魔側の人間。

今度会ったときは…。

敵同士になるかも…。

私はノアちゃんのこと…。

好きだけれど…。

もう会わない方がいいかも。

こういうのは今晩…。

限りにしましょう…。

そんなことを翼さんは…。

言ってきたのである…。

私はわかっていたけれど…。

首を横に振って…。

いやいやと拒否をした…。

「私ずっと翼さんのこと好き」

私は泣きながら言った…。

それだけ言うので必死だった。

翼さんは少し頷いてくれて…。

湯船から立ち上がって…。

浴室から出て行ってしまった。

さっきまですごい嬉しかったのに。

今は悲しい涙が溢れてくる…。

私が普通の女の子だったら…。

ずっと翼さんと一緒にいれたかな?

そもそも家出して東京に…。

来なかったかもしれない…。

そしたら翼さんとも会わずに…。

地元の学校に通っていたのか?

そんな考えが頭をよぎる…。

会わなかったほうが…。

お互い幸せだったのかも…?

でも私にとって…。

翼さんと過ごした…。

数ヶ月はキラキラとした。

宝物のような日々だった。

悲しいけれど…。

やっぱり会えたことは…。

すっごい嬉しかった…。

少し涙が出なくなって…。

私はようやくお風呂から。

出ることが出来たのである。

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