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食生活と投げっぱなしの罪悪感

私はコレステロールが高いらしい。健康診断で要経過観察と診断された。去年は大丈夫だったので、油断していた。私の食生活は、そこまで乱れてはいない。夜遅い時間は食べないし、間食をする習慣も無い。体重の増減は気にかけているし、むしろ痩せている。しかし、度々自分に言い訳をして、食生活を乱している自覚はあった。薄い罪悪感の靄に気付いていないフリをしていた私に突き付けられた要経過観察。

診断結果を告げられた翌日、会社の食堂でかけ蕎麦を頼むつもりだったが、欲に負けてカレー蕎麦を頼んだ。「イチローも毎日食べているから大丈夫」罪悪感を抱えそうな自分に、そう言い聞かせた。後で調べてみると、イチローは胃潰瘍になってから刺激が強いという理由で毎日カレーを食べる習慣を止めていた。私はイチローじゃないので、胃潰瘍にならないし、毎日カレーを食べても大丈夫だと思うようにした。

サラダへ多めにドレッシングをかけているとき、“思ってたより多めに出ちゃってるなぁ”と心の中で言ってみて、罪悪感を減らす。本当は多めにかけただけなのに。

炊飯器に中途半端な量のお米が残った。冷凍するにも一人前には少し足りない。食べてしまえと、空になった茶碗におかわり。炊飯器にあった時には足りないと思われたその米は、ほぼ一人前だった。お米をいっぱい食べることは偉いことだと、28歳の自分を褒めた。子供の頃、お婆ちゃんに同じことを言われた時のことを思い出して、罪悪感をかき消した。

夕食後、家族が買ってきていた団子を食べる。家族の好意を無下には出来ない。ただ食べただけなのに、家族への愛ということにした。

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