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ちょっとタメになる海外生活ネタ 自分の血は自分で運ぶ ケベック州モントリオール

 こんにちは。訪問ありがとうございます。

 夏休みは、私にとって健康診断を受ける季節です。ど田舎に住んでいるので、検診を受けるなら旭川や札幌などの都市部に行かねばなりません。ほぼ1日かかるので子どもが夏休みの間に行くようにしています。

 今日は、ケベック州の病院で妊娠のための血液検査を受けた時の話を書こうと思います。


 

カナダの医療事情


 カナダでは、医療が無料なので安心だと思ったら大間違い。タダなのでみんな簡単に病院に行くし医師の数も少ないので混雑しています。私がいた2007年は、骨折しても5時間廊下で放置されていました。

 私の初めて妊娠がわかったのが、ケベック州のモントリオール。夫とは、ニューヨークとモントリオールにわかれて各自留学中。私は社会人留学で学生寮に住んでいたのでとりあえず大学の提携病院の電話窓口に電話しました。日本ならエコーで週数の確認や子宮外妊娠ではないかチェックするからです。

 日本からの海外保険は妊娠はカバーされませんが、大学の保険はカバーされます。

恐ろしい音声案内

 電話をすると音声案内が流れます。

「中絶を希望される方は1を、病院の予約を希望される方は2を押してください」

フランス語で確かにそう流れました。

 ひえ〜。こんなデリケートな話をボタンで選んでしまうんだ。文化の違いを感じました。2番を押して、電話がつながりました。

 係の人「用件は何でしょう?」

私「妊娠したのでエコー検査をしてほしいのですが」

係の人「予約が取れるのは7月ですね。」

 え?4か月後の7月?遅すぎやしないか??

私「今3月で、そんなに待ったら子宮外妊娠だった場合危険ではありませんか?」

係の人「子宮外妊娠は痛いからすぐわかる。本当に痛いからその時は救急車。」

私「でも、子宮外妊娠だったら卵管破裂するんですよね?」

係の人「そういうのは、珍しいことだけど、その時は諦めるしかない」

私「持病もあるので、血液検査だけでも受けたいのですが」

係の人「それなら近くのクリニックで血液検査をしてきて」

 そうして電話が終わりました。

 恐ろしや。日本だったら慎重に経過を観察してもらえる妊娠初期にこの扱い。切なくなりました。

 

採血を自分で届ける


 後日、一般的な血液検査と風疹の抗体があるかどうかの検査を受けました。今はどうかわかりませんが、当時カナダやアメリカの日本人妊婦には風疹の抗体が消えている人がチラホラいました。そのため、風疹の抗体がなければ子どもに近づかない、人混みを避けるなどかなりの制約がありました。胎児が風疹症にかかるのを避けるためです。

 少しでも安心して妊娠生活を過ごすため、自腹で風疹抗体も追加で受けることにしました。

 クリニックの予約がすぐに取れ、採血。確か、5本ほど血液を取りました。会計でお金を払うと、封筒を5つ渡されました。

「ここに届け先が書いてあるから、自分でそれぞれのラボに届けて下さい」

 そう言って、自分の採血のボトルを渡されたのです。カルチャーショックです。

 コロナ前なので、カナダでマスクをしている人は重病人と考えられ人々は近づきません。もうそれでも構わないと思い、私は真っ赤なサクラ柄のマスクをしてラボに向かいました。

 言われた住所を頼りに歩いていくと、そのラボの住所に行きつきました。そこは、住んでいた寮のすぐ近くのビルディングで病院の一部のようです。明らかに具合の悪そうな人が、廊下に並べられたベッドに横たわっていたり地べたに座り込んでいたりします。怪我をしている人もいます。

 そんなところを通って、研究棟のようなところにたどり着き、私は何とか採血を届けたのでした。

 検査の結果、風疹抗体はギリギリ。次に妊娠するならワクチンを受けてからが良いとのこと。

 検査は受けて良かったけれど、やっぱり日本の医療はいたれりつくせりなのだなと実感しました。



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