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「自分はコミュニティにどう貢献する?」学びが自分ごと化されたデンマークの学校の魅力【そのまんまフォルケホイスコーレ自己紹介 vol.1】


自己紹介とデンマークのお話

はじめまして!現在、北海道の旭川から車で1時間、大雪山国立公園麓にある人口三千人の町で地域おこし協力隊をしている大城美空(みく)です!「そのまんまフォルケホイスコーレ」の運営メンバーの一人です。

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写真は美瑛と私。ハイジみたいな風景がとれる北海道、最高!

北海道に来る前は、デンマークの「フォルケホイスコーレ」という大人向けの全寮制の教育機関に1年間ほど留学をしていました。これから数回にわたって、運営メンバーが北欧で浮かんできたそれぞれの問いをシェアしていきながら、「どんな人が何を考えてこのプログラムを考えているんだろう?」を知ってもらえたらと思っています。

さてさて、北欧は福祉国家で、税金がとても高い分、医療費や学費が無料など公共が手厚い国で有名。さらに「世界幸福度ランキング」でも常に上位国であることも有名ですよね。(ちなみに、日本は56位です)首相が女性で44歳と若く、投票率も常に80%と国民の政治や社会に対する意識が高いのも印象的でした。

実際には、例えば20歳のデンマーク人ジャスミンと23歳のニーナの会話では「最近投資を始めたの〜」「大事だよね、どこに投資してるの?」「Aってところ(デンマーク国内の再生可能エネルギーの会社)」「え!私も!応援しなきゃだよね」といった感じ。投資が自分のお財布にとって得だから、という観点と同時に、社会に対してどうお金を使うべきなのか、という姿勢の高さが窺えた瞬間でした。

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森で採ってきた植物で染めた綿でものづくりをする授業の様子

問われる「コミュニティへのコミットメント」

そんな学校生活の中で、シティズンシップ教育(社会に対して当事者意識をもってアクションを起こせる人を育てる教育)などにもともと関心があった私にとって、とても印象的な出来事がありました。

それは、朝のモーニングアッセンブリー(朝礼)の時間のお話。
毎朝8時30分〜9時の間、先生が自分の好きなものについて小話をしたり、みんなでフォルケホイスコーレソングブックから歌を歌ったりと、必ず出席しないといけない授業の時間があります。

コースの最初はみんな眠たい目をこすりながら起きてきたものの、後半になるにつれて出席者は1/3程度に・・・。
かくいう私も朝が弱く、前日夜遅くまで友達と喋ってた日は「ああもうめんどくさいから行くのをやめよう」となる時も。

もちろん先生たちは呆れと怒りといろんな感情が現れる状況に。
しかし私にも不満はあって、朝イチからよくわからない本の話やつまんない説教をされても誰も起きたくならない!
「もっと楽しいプログラムを提供できない先生が悪い!」と思っていました(図々しい。笑)

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これは週末の過ごし方をみんなで話し合って決めてる様子

それを思わず他の授業を担当している先生に呟いてみたところ、
「じゃあ、それを朝礼の担当の先生に伝えてみたらどう?それか、みくがこんなプログラムをやりたい!って考えてみたらいいんじゃない?」

目から鱗。そして、自分の他力本願さに、穴があったら入りたい気分に。。

「お金を払っている=お客さんに要求することか?」「生徒(授業を受ける側)が口を出すなんていけないことだわ」と思う人もいるかもしれませんが、フォルケホイスコーレの大切にしてることの一つに生徒も先生と同じように対等で、全員が学校を構成する1部分である=コミュニティにコミットメントをする必要がある、という価値観があるよ、というお話をしてもらいました。

先生が授業を提供する人、生徒である私は受ける人、ではなくて、どうしたらみんなが楽しく過ごせるようになるのか?と当事者意識をもって考えたらいいのではないか、と問い返されたのです。

自分が所属するコミュニティは、家族・学校・地域・仕事場・国・地球など、小さいものから大きなものまで色々あります。
今回のやりとりから、「自分がいるコミュニティでは何が起きていて、自分はどんな影響を与えていて、自分に何ができるのか?」を考えなさいと問われた時に、「自分ごと化する視点」=シティズンシップ教育の土台や民主主義へ向き合う姿勢を感じました。

また、生徒が先生へ意見を言ってもOKでとってもWelcomeであるし、むしろそのクリティカルな思考が求められる環境という前提があるのも、日本のルールが絶対!な教育に慣れてきた私からするとびっくりした部分でもありました。

コミットメントを「果たす責任」と訳すと、すこし強い言葉な気がしますが、別の場面では「みくが”ここに存在している”ということにとてもパワーがあるの。授業に出て意見を言って、相手の話を聞くことだけで価値があるの」と言われた時に、この学校に関わる全ての人がコミュニティーを構成する一員であるという「全体性」や「居るだけでいい」ような温かみのある言葉でもあるようにも、私は感じています。

そのまんまフォルケホイスコーレも、みんなでつくりたい

今回の2泊3日のショートプログラムでは、最大12名の日本全国から来る人々と共に過ごす豊かな時間をつくっていきます。素の自分で、誰かと対話し、自然に溶け込み、手触りのある時間を楽しむことに価値があると信じています。そのために上川町というフィールで「こんなことも、あんなこともやりたい!」と妄想は膨らむ一方です。

でも、それを創るのは私たち運営メンバーだけじゃなくて、その日その場に集う12名のみなさんも一緒である、ということ。

「プログラムを与えられたものと考えず、今ここに湧き上がるものを感じて、よりその場を愉しむには何ができるんだろう?」
「そのために、自分も相手も大切に尊重しあえる場ってどんなものなんだろう?」
「そもそも”ただその場にいること”はどうしてこんなに難しいんだろう?」

そんな問いが、今は私の中にあります。この問いを紡いでいく仲間に、最後まで読んでくださったあなたがなってくれたら嬉しいな、と思っています。

9月17日(土)から、みなさんに会えるのが楽しみです!(みく)
お申し込みは、こちらから↓
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSesUxqBdhhHKBPKAPFj50cZ87q1UsN8jkBUk1fbI9b9nUY8gQ/viewform?vc=0&c=0&w=1&flr=0


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