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東京-大阪という私たちの距離感は「遠くて、近い」

「パートナーとは週末に1回は会いたいなあ。家が近ければ平日も1回くらい、夜ごはんを一緒に食べるのが理想」

かつての私はこう考えていました。「願えば叶う」というのは本当らしく、走って15分の距離に住む人がパートナーだった時期もあります。

しかし、現在のパートナーは、door to doorで4時間の距離に住んでいます。自宅から羽田まで1時間、羽田から関空まで1時間半、関空から彼の最寄駅まで1時間。

私はそれを「確かにちょっと遠いけど、近さがある」と感じていて、人から「遠距離(恋愛)なんだね」と言われると「そうかなあ」と思うのですが、一般的には遠距離に該当するようです。

毎月初旬に大阪へ行き、彼の家で10日ほど暮らしています。彼は毎朝7時半過ぎに家を出て、夜まで戻ってこない、外で仕事をする人。対して私はPCとネット環境があれば、だいたいの仕事ができる人。

平日は朝夜の4時間くらい、土日は数時間別行動を挟むこともありますが、たいていは共に行動しています。

彼はときどき、大阪と東京の間にある県で仕事をすることもあり、そのタイミングで東京にやってくることもあります。移動しやすい生活スタイルの自分が大阪に行く方が自然で無理がないのですが、わざわざ会いに来てくれるのはうれしいものです。

大阪を発つ日の朝は、彼を「行ってらっしゃい! また来月来るね」と送り出し、夕方には東京へと戻り、夜になれば帰宅した彼と画面越しに話をします。

「今朝まで大阪にいたのにね、なんか不思議。毎度おなじみの感想だけど、ほんとに不思議なの。遠いようで近いのよ」

国内であること、4時間で移動できること、前もって飛行機をとっておかなくても、新幹線+電車でもその日のうちに行けること——。

そういった物理的な要素が「近くて、遠い」ではなく、「遠くて、近い」と感じさせるのかもしれません。

別々の国に住むカップルの多くは、コロナ禍で1年8ヶ月くらい会えていないと聞きます。自分がそんな状況になると胸が張り裂けそうになります。その点、東京-大阪なんて今は移動もできるし、決して遠くないとも思えるのです。

ただ、遠すぎない距離感は、彼と私の日々の「つながり方」も大いに関わっています。厳密にルール化したわけではないものの、「(互いに話せる日は)顔を見ながらオンラインで話をする」のが恒例になっています。

生身の相手と画面越しの相手だと、私は前者の方を好みます。画面の奥にいる彼をハグすることはできないからです。

ただ、それでも顔を見ながら話すというのは、決して悪くないもので、1日の終わりを温かく、穏やかな気持ちにさせてくれる時間です。

彼が彼ではなかったら、この距離感は成立しただろうか——。そう考えることがあります。「根っこ」の部分が合う相手だからこそ、そこそこ距離があっても、関係構築がうまくいくのかもしれません。

根っこの話はまた別の回で書くことにします。


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パートナーシップ関連のマガジン(全50本・完結済)です。

<マガジン概要>普段は東京にいますが、月の1/3は大阪で、パートナーとふたり暮らしをしています。平日共に過ごすのは朝に約30分、夜に3〜4時間。日頃は距離的に離れているからこそ、共に生活する時間は穏やかで心地よく、自然と笑顔になるひとときにしたい——。そんな「編集方針」をもとに送る日々の中で、大事にしていることを綴ってみます。参考になる「本」も交えて。


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