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取材相手・杉原拓のメール 【小説】どの顔もあの女#24

Fwd: 【NKP】※11/13午前までのお戻し希望です※ 杉原様へ原稿チェックのお願いです
To: 江藤桐花 <kirikaeto@gmail.com>

高梨さんの彼氏さんへ

こんにちは。
高梨さんと仕事で繋がりがあった、ライターの江藤桐花と申します。

この一連のメール、当時、高梨さんから受け取りました。
丸ごと転送しますね。

・取材で出会った、まったく恋愛対象ではない30歳くらい上のおじさんから、1-1での食事に誘われて困っている
・ネットストーカーされていて怖い
・何年も前に書いた文章をメールに引用されて、最近の行動との矛盾点を指摘されて怖い
・取材中、胸元ばかりに視線を受けて気持ち悪かった(取材中、目か胸しか見てなかった)
・上手く断ろうとしたけれど、ドツボにハマってしまった。
・「あなたとは二人きりで食事に行きたくない」と暗に伝えているのに伝わっていない
・結局原稿も見てくれなくて、クライアントに謝罪するしかなかった
・原稿を回収できなかった事情説明の際、クライアントにもこのメールを見せたら「大変でしたね…」と労われた。でも原稿料はもちろん入ってこなかった

とか話してましたね。

執念深いおじさんに絡まれて、不運だったと思います。

最後に、、高梨さんのご冥福をお祈りします。

江藤桐花

---------- 転送メッセージ ----------
From: 杉原佑 [mailto:info@sugiharayu.com]
Sent: Friday, November 13, 2015 11:43 AM
To: '高梨真矢'
Subject: RE: 【NKP】※11/13午前までのお戻し希望です※ 杉原様へ原稿チェックのお願いです

高梨様

お世話になります、杉原です。

高梨さんの昨日中の反論メールをお待ちしていましたが、結局来ませんでした。

これで高梨さんは自分の嘘を完全に認めたことになります。

私も、もしかしたら、反論してくれるかなと思い、原稿のチェックをしました。

しかし、このような結果になったため、私も高梨さんからご依頼のあった
今日午前中期限の原稿戻しについては中止します。

「嘘をついて、それが判明すれば、
お互いの信頼関係は全て崩壊し、失うことはあまりにも大きい」

今の高梨さんに私が言いたいのはそれだけです。

今後、高梨さんが猛省し、私に対し謝罪でもしない限り、

もう二度とメールや電話をすることもないでしょう。
土下座したら許して差し上げるかもしれません。

さようなら

杉原 佑


From: 杉原佑 [mailto:info@sugiharayu.com]
Sent: Thursday, November 12, 2015 1:57 PM
To: '高梨真矢'
Subject: RE: 【NKP】※11/13午前までのお戻し希望です※ 杉原様へ原稿チェックのお願いです


高梨様

お世話になります、杉原です。

普段はレスの早い高梨さんが1日待っても
私のメールに対する反論の返信が全く来ないということは
高梨さんが私に対して、嘘をついていると確信せざるを得ません。

前のメールにも書きましたが、高梨さんの過去5年分のツイッターを私は熟読しました。
フェイスブックの投稿やブログなどもすべて読みました。

それらに書かれたことと、以下に挙げるメールの記述には矛盾があります。
つまり、高梨さんは嘘つきであり、私を騙そうとしたということです。

以下に証明します。

高梨さんからのメールで
抜粋した下記①、②、③のメール。

①受信トレイではなく、普段見ない別のフォルダに振り分けられていて、今までいただいていた4〜5通のメールが未開封になっておりました。
16日の件もとてもうれしいお話だったのですが、お誘いいただいたことを知らず、仕事の予定を入れてしまっておりました。

②実は11月下旬〜年末年始にかけて、スケジュールをあけておかなければならない事情があり、せっかくお誘いいただき恐縮ですが、その間はお約束ができかねる状況です。
私事で恐縮ですが、その間、2名ほどの著者の書籍の構成・編集協力を担当していまして、
来年2-3月の刊行に向けて、聞き書き&執筆&確認作業を集中的に行う予定があるのです。
そのためできるだけ体をあけて待機しておきたいと思っています。

③ただ、私の現状としましては、フリーライター/編集者という職業で、当時本を書いたときより先のことが不確かな仕事も増え、先程のメールでお伝えした状況となっております。
スケジュールに関しても、ご迷惑をおかけしては申し訳ない、目上の方に失礼にあたるという私なりの意図がございました。
どうかご理解いただけますと幸いです。

繰り返しになりますが、
上記、①、②、③、全て嘘だということですね。
11月9日に高梨さんがツイッターでつぶやいた
「これから二週間は女の子たちとごはんに行く予定がいくつか。
興味のある女の子たちからの誘いは断らず全受けモードで。」というのが全てを物語っています。

私に対しても
断らず全受けモードでお願いしたかったですね。
受け入れてもらいたかったですね。

まあ、今更、食事のことなんかどうでもいいんですけど、
ただ、明らかにわかるような
見え透いた嘘をついたことだけは許せません。
一生許すつもりはありません。

信頼関係は少しずつ構築していくものですが、、
それが崩れるのは一瞬だということを覚えておいて下さい。

また、原稿チェックを明日までに高梨さんから依頼されていましたが、
高梨さんが嘘をついたことがわかった以上、私自身やる気も無くなりましたし、
記事も掲載しなくて結構です。

もし、高梨さん自身、「私は嘘をついていません」と主張したいのであれば、
今日中に、この返信メールで反論していただいても構いません。
ただし今日中です。今日、返信をください。

もしそうであれば、私は自分の非を認め、高梨さんに謝罪するつもりですし、記事についても鋭意チェックするつもりです。

杉原 佑

From: 杉原佑 [mailto:info@sugiharayu.com]
Sent: Wednesday, November 11, 2015 1:31 PM
To: '高梨真矢'
Subject: RE: 【NKP】※11/13午前までのお戻し希望です※ 杉原様へ原稿チェックのお願いです


高梨様

お世話になります、杉原です。

ご返信ありがとうございました。

>実は11月下旬〜年末年始にかけて、スケジュールをあけておかなければならない事情があり、

せっかくお誘いいただき恐縮ですが、その間はお約束ができかねる状況です。

私事で恐縮ですが、その間、2名ほどの著者の書籍の構成・編集協力を担当していまして、

来年2-3月の刊行に向けて、聞き書き&執筆&確認作業を集中的に行う予定があるのです。

そのためできるだけ体をあけて待機しておきたいと思っています。


>確かに3年前に書いた文章に関して、無責任だと思われたかもしれません。

ですが、あの文章は私が「独身・恋人ナシ」というステータスの、25〜26歳時点で書きました。あれから年を重ね、状況も変わりました。

もうじき三十路に突入する既婚者となっては、そういったお誘いも皆無に等しい状況です。

ですので、杉原様が私に声を掛けてくださったのは、とてもうれしいことでした。

ただ、私の現状としましては、フリーライター/編集者という職業で、当時本を書いたときより先のことが不確かな仕事も増え、先程のメールでお伝えした状況となっております。

スケジュールに関しても、ご迷惑をおかけしては申し訳ない、目上の方に失礼にあたるという私なりの意図がございました。

どうかご理解いただけますと幸いです。


→ 11月9日の高梨さんのツイッターでは

  「これから二週間は女の子たちとごはんに行く予定がいくつか。興味のある女の子たちからの誘いは断らず全受けモードで。」と書かれてあります。

先のことがわからない仕事を多く抱え、できるだけ体をあけて、待機しておきたいと言って私の誘いを断った高梨さんが、なぜ、二週間先の食事の予定まで入れられるのですか?

とても不思議で理解に苦しみます。

また、お誘いは皆無とおっしゃっていますが、高梨さんのツイッターを直近5年分遡って読む限り、とてもそのように思えませんでした。

私には、高梨さんは多くの男性から誘われ、それに応じているように思えてなりません。

>また、杉原様もかなりお忙しいことは、以前取材させていただいた際にお話を伺って、存じ上げております。

そのため、年始以降に時間をあけておいてください、今からこの日をあけていただけませんか?と、私のような者からはお願いしづらいですし、

それこそ私のために日程を確保していただくのも恐縮だと感じ、先ほどのようなメールを差し上げた次第です。

→それは高梨さんが思っているだけのことで、私にとっては何の問題もありません。

 別に年始以降でもこの日を明けといてくださいといってくれれば、そのように対応するだけのことです。

つまり、前回のメールともかぶりますが、高梨さんはご自分の著書やご自身のツイッターで書いたことと、私に対する言動とが全く違います。

このような「表」と「裏」の対応をされて、私の気分が悪くならないと思いますか?
私の声がけには応じない、というのは一体何故なのでしょうか。

きちんと考えてみて下さい。

杉原 佑


From: 高梨真矢 [mailto: mayatakanashi@gmail.com]
Sent: Tuesday, November 10, 2015 11:09 PM
To: 杉原佑
Subject: Re: 【NKP】※11/13午前までのお戻し希望です※ 杉原様へ原稿チェックのお願いです

杉原様

ご返信ありがとうございます。

大変申し訳ありません。。

確かに3年前に書いた文章に関して、無責任だと思われたかもしれません。

ですが、あの文章は私が「独身・恋人ナシ」というステータスの、25〜26歳時点で書きました。あれから年を重ね、状況も変わりました。

もうじき三十路に突入する既婚者となっては、そういったお誘いも皆無に等しい状況です。

ですので、杉原様が私に声を掛けてくださったのは、とてもうれしいことでした。

ただ、私の現状としましては、フリーライター/編集者という職業で、当時本を書いたときより先のことが不確かな仕事も増え、先程のメールでお伝えした状況となっております。

スケジュールに関しても、ご迷惑をおかけしては申し訳ない、目上の方に失礼にあたるという私なりの意図がございました。

どうかご理解いただけますと幸いです。

また、杉原様もかなりお忙しいことは、以前取材させていただいた際にお話を伺って、存じ上げております。

そのため、年始以降に時間をあけておいてください、今からこの日をあけていただけませんか?と、私のような者からはお願いしづらいですし、

それこそ私のために日程を確保していただくのも恐縮だと感じ、先ほどのようなメールを差し上げた次第です。


2015年11月10日 22:40 杉原佑 <info@sugiharayu.com>:

高梨様

お世話になります、杉原です。

本件についてはとりあえずは了解しました。

しかし、高梨さんが私宛に書いたメール内容は明らかに矛盾点が多いです。

その理由は以下の通りです。

私は高梨さんのご著書「フリーランスな生き方」を読みました。

そこで、高梨さんはこんなことを書いています。

第3章の7 「可愛がられ力」の一節です。

(112ページ 5~10行)

ここの該当箇所を抜粋します。

『ずいぶんと年上のおじさんたちから、

よくお食事に誘っていただきます。私、おじさんにはモテるのよ

と笑いを取るために言うと、周囲から「面倒じゃないの?」

「気を使っちゃうから疲れるでしょ?」と言われます。

確かに「飲みニケーションは死語」と言われて久しいですが、

飲み会を断る若者たちへ「分かっていないな、君ら!」と

説教したいです。おじさんたちから気に入られると、

お得なことが多いのに。』

これって、高梨さんが書いた文章ですよね?

私もおじさんですから、その部類に該当しますけど、

高梨さんはあなた自身が本に書いてあることと、私に宛てたメール内容とでは言っていることが180度違います。

「説教したい」という言葉をそのまま高梨さんに投げつけてやりたいくらいです。

それはさておき、高いお金を払って、本書を買った読者がこの事実を知ったらどう思いますか?

この事実とは、高梨さんが僕に対してした行為のことです。あなたは僕に嘘をつきましたよね。

高梨さんのことを信頼していた方々は残念に思い、落胆することでしょう。

本は出版すれば、その度に国立国会図書館に寄贈され、自分が亡くなったあとも永遠に残ります。

つまり、著者は自分が書いた本の中身については一生涯、その責任がつきまとってくるのです。

私は高梨さんのご著書で、上記のように書かれていた箇所を読んだので、食事にお誘いしました。

もし、高梨さんが、

「11月~年末年始は難しいですが、
それを過ぎたらおそらく大丈夫かと思いますので、
その頃にまたご連絡していただけますか?」

などといった類の内容だったら、まだ私自身、納得もいきましたが、
残念ながら高梨さんは自分で書いたことに対して、責任を持つ行為を見せることは全くありませんでした。

今回の、本の文章と実際の対応とが全く異なる高梨さんの著者らしからぬ対応は、一読者である私にとってもとても残念で、呆れを通り越して、苛立ちを感じています。

杉原 佑


From: 高梨真矢 [mailto: mayatakanashi@gmail.com]
Sent: Tuesday, November 10, 2015 5:22 PM
To: 杉原佑


Subject: Re: 【NKP】※11/13午前までのお戻し希望です※ 杉原様へ原稿チェックのお願いです

杉原様

お世話になります、高梨です。

ご返信いただきまして、ありがとうございます。

実は11月下旬〜年末年始にかけて、スケジュールをあけておかなければならない事情があり、

せっかくお誘いいただき恐縮ですが、その間はお約束ができかねる状況です。

私事で恐縮ですが、その間、2名ほどの著者の書籍の構成・編集協力を担当していまして、

来年2-3月の刊行に向けて、聞き書き&執筆&確認作業を集中的に行う予定があるのです。

そのためできるだけ体をあけて待機しておきたいと思っています。

杉原様に対し、不確定なお約束をさせていただくのも失礼ですので、今回はご遠慮させてください。

私の仕事の都合で、大変申し訳ありません。。

引き続きよろしくお願いいたします。


2015年11月10日 8:56 杉原佑 <info@sugiharayu.com>:

高梨様

ご返信ありがとうございました。

食事の件ですが、11月16日以降の11月、12月で、高梨さんのご都合のつく日時を複数教えていただけませんか?

可能な限りで調整したいと思います。

よろしくお願いいたします。

杉原 佑


From: 高梨真矢 [mailto: mayatakanashi@gmail.com]
Sent: Monday, November 9, 2015 11:03 PM
To: 杉原佑
Subject: Re: 【NKP】※11/13午前までのお戻し希望です※ 杉原様へ原稿チェックのお願いです

杉原様

ご返信ありがとうございます。

大変申し訳ありません。。

受信トレイではなく、普段見ない別のフォルダに振り分けられていて、今までいただいていた4〜5通のメールが未開封になっておりました。

16日の件もとてもうれしいお話だったのですが、お誘いいただいたことを知らず、仕事の予定を入れてしまっておりました。

無礼をお許しください。

何卒よろしくお願いいたします。


2015年11月9日 20:35 杉原佑 <info@sugiharayu.com>:

高梨様

いつもお世話になります、杉原です。

ご返信ありがとうございました。

原稿については期日までにチェックしてお送りします。

あと、11月1日にメールしました、11月16日のお食事の件についてはどうしますか?

こちらについては高梨さんよりまだ、ご返事をいただいていないので、私の期日と同じ、11月13日の午前中までにご回答をお願いします。

よろしくお願いいたします。

杉原 佑

iPhoneから送信


2015/11/09 15:07、高梨真矢 < mayatakanashi@gmail.com> のメッセージ:

杉原様

お世話になります、高梨です。

「NKP」の掲載前原稿をお送りいたします。

11/13午前までに、お戻しいただけますと幸いです。

ご修正箇所がある場合は、ワード内に履歴を残してご対応ください。

よろしくお願いいたします。


2015年10月25日 23:43 杉原佑 <info@sugiharayu.com>:

高梨様

杉原です。こちらこそ本日はありがとうございました。

短い時間でしたが、お役に立てて幸いです。

原稿が来るのを楽しみに待っています。

今後ともよろしくお願いいたします。

杉原 佑

iPhoneから送信


2015/10/25 12:23、高梨真矢 <mayatakanashi@gmail.com> のメッセージ:

杉原様


お世話になります。高梨です。
本日はお時間をいただき、ありがとうございました。

本題のお話以外にも有益な情報を話していただき、感謝申し上げます。

来月原稿をお送りしますので、今後もよろしくお願いいたします。


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