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ここまで見る!小児の尿路感染症で評価すべきエコーのポイント

「小児の熱源精査」で尿路感染症(以下、UTI)は念頭に置かなければならない病態の一つです。UTIは、腎盂腎炎、AFBN、腎膿瘍、膀胱炎といった、エコーの本を開けば出てくるような疾患なので、経験された(指摘した)方も多いでしょう。

しかしながら、UTIを見つけただけでは解決に至らない場合があります。
というのも、上部UTIを発症した小児は腎尿路異常がある可能性が高いため、その異常を見つけないと炎症を繰り返します。

そこで今回は、腎尿路異常でも頻度の高いVUR(膀胱尿管逆流)の評価を書いていきます。VURのメカニズムについてはこちらの記事を読んでください↓


結論から言うと、膀胱にカラードプラを当てて、尿の噴射JETを見るだけです。
下の図をご覧下さい。


VURの可能性がある方は、尿管と膀胱の接合部異常のため、尿管口jetが55度より高くなります。
小児の場合だと体動が激しく、評価が難しいことも結構ありますが、この評価は多少時間をかけてでも評価してほしいところかなと思います。

UTIの中でも特に評価に苦労するのがAFBNです。
なぜなら実質のムラや血流の低下部位を見つける必要があり、それをエコーで指摘するのは、AFBNをそれなりに疑ってないと結構難しいものです。
しかしVURの所見を得ることでAFBNがあるかも?と予測することができ、検出率を上げることができるので、ぜひとも活用して頂ければと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。




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