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【読書記録】豊岡メソッド 人口減少を乗り越える 本気の地域再生手法
「朝晩もだいぶ暖かくなってきたし、城崎にでも車中泊旅行に行こうか」と家族で話していたときに見つけた本書。
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家庭や地域に深く根づいた男尊女卑的な因習が、伝統的なコミュニティを形成するとともに、企業活動における男女格差も生み出している。そうしたジェンダーギャップこそが、とりわけ若年女性の都市部への移動を誘発し、まちの人口減少に拍車をかけているのではないか ― 。
「男性と女性は異なる状況にあり、異なるニーズを持っている」というジェンダーの考え方を人口減少の問題に引き寄せた豊岡市。
ジェンダーギャップ解消を目指してどのように戦略を立案し、実行に移していったかを詳細に知ることができます。
普段、家庭や地域、職場の中で、無意識のうちに「男性だから」「女性だから」とひと括りにして考えてしまっている事があるかもしれないと感じました。
また、「人口減少とその要因である若年女性の流出は『フェアネスの問題』」という元市長の中貝氏の言葉から、「男性だから」という理由で私もたくさん恩恵を受けてきたかもしれないと思い、ドキッとしました。
私は現在、岡山県の瀬戸内市役所で勤務していますが、「豊岡市ワークイノベーション戦略」「豊岡市ジェンダーギャップ解消戦略」などの策定や各種施策の実行に奔走された豊岡市の職員の方々の姿勢からは学ぶべき点が非常に多いなと感じました。
瀬戸内市においても、令和5年4月に「ダイバーシティ推進室」が新設されており、持続可能な地域社会づくりを進めていくうえで、大きな強みであると思っています。
防災施策においても、ジェンダーギャップの解消は重要な課題となっており、部署横断的に連携を図りながら啓発・人材育成に取り組んでいきたいと考えているところです。
豊岡市役所・市内企業の方々の努力の根底には、「すべての人が働きやすく、働きがいのあるまちにしたい」「まちの魅力を活かしたい」という純粋な想いがあるように思います。
これまでの慣習を改め、より良い地域社会を目指すためには、地域住民・企業と行政との連携が不可欠です。
そのために、「まず市が真剣に取り組む姿勢を見せる」ことが大切だと感じました。
【お気に入りの一文】
豊岡の挑戦は、日本の古きよき伝統を破壊するのではないか、という意見もあるかもしれない。しかし、豊岡市役所で実働部隊を率いてきた上田の「ジェンダーギャップの解消は、過去の社会のありようや人々の生き方を否定するものではない。産業構造や人口構成の変化に対応しながら、すべての人にとって生きやすい社会、持続可能な地域社会をつくっていくための取り組みだととらえています」という言葉からは、変化し、適応するという柔軟な姿勢こそが豊岡の伝統である、という思いが伝わってくる。
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