見出し画像

「インサイド・ヘッド」は大人のほうが泣ける。

5年ほど前の映画「インサイド・ヘッド」をどうして今頃見ることになったのか。
そして、どうして子供はケロッとしているのに、大人の私が号泣することになったのか。

いやこれね、子供向けだよねって気を抜いてると、しっかり泣きます。
少なくとも私は泣いたよ。

しかも子育てをしている方ならきっと、泣ける上に子育てにも活かせるのではないかと思ったので、ちょっとまとめてみることにしました。

インサイドヘッドとは?

全く見たことのない方のために、少しだけ説明しますね。
見たことあるよーって方はすっ飛ばして下の方見てください。

「インサイド・ヘッド」は2015年に公開されたディズニー/ピクサー映画で、人間の頭の中が舞台になっていて、感情の揺れ動くさまを描いています。

この中に出てくる感情は次の5つ。

・喜び=ヨロコビ
・悲しみ=カナシミ
・怒り=イカリ
・嫌悪=ムカムカ
・恐れ=ビビリ

を擬人化した5人です。

■4人じゃないの?■

感情を表す4字熟語では「喜怒哀楽」って言いますよね。

だから私は4人じゃなく5人なことに最初違和感を持ちました。

そして、ヨロコビ、カナシミ、イカリ、はわかりますが、ムカムカとビビリについては、私は最初しっくりきませんでした。

だって、嫌悪や恐れがあるなら、ほかにも「楽しみ」とか「痛み」とか「悔しさ」とか「焦り」とかあってもいいと思ったから。

なんでこの5つだったんだろうかと。

そこで、感情について調べると、いろんな方がいろんな分け方をされていることがわかり、5種類のほかに、6種類に分けていたり、8種類に分けていたり、27種類、46種類という場合もあるようでした。

ちなみに・・・
<6種類の場合>
喜び、恐れ、悲しみ、怒り、驚き、嫌悪

<8種類の場合>
喜び、恐れ、悲しみ、怒り、驚き、嫌悪、信頼、期待

※28種類とか、46種類というのは、5つの基本感情を分類分けしてでてきた数字のようです。

結局、いろんな分類方法があるけれど、この映画では5つの感情を採用した、ということかな。知ってる方いたら教えてください。

■基本的な感情の仕組み■

この映画の基本的な感情の仕組みとしては、一つ一つの出来事が思い出の玉になって保管されていきます。
その時の感情で玉の色が変わり、時系列でちゃんと保管所に並べられていきます。
その中でも、人生に影響のある「特別な思い出」という玉が性格にをつくる「島」をつくっていき、よりいろんな特性が出てきます。

ただし、指令室からは主人公ライリーの目から見えるものが見えていて、それをもとにいろいろな感情たちが指令室から指示を送って主人公ライリーが行動していくという流れです。

「インサイド・ヘッド」を見るきっかけ

そもそもどうしてこの映画を見ることになったのか。

それは、冬の発表会で次男が保育園で「インサイド・ヘッド」を題材に発表会をするから、です。

はい、分かりやすい理由。

息子は「イカリ」になったらしく、嬉しそうに報告してきたんです。

でも、どんなストーリーでどんな役柄なのか全然わからなかったので、DVDを借りに行くことにしました。

そもそも、見てみないときっと発表会だけでは理解できないだろうなと思ったからというのが大人側の都合。(笑)

ここだけの話、正直この映画が公開された当初は、あまり興味がなかったんですよねー。
むしろ、こんなきっかけでもないときっと見なかったでしょう。
はい、そんな印象の映画でした。

でも、見たらまさかの自分の感情の波にびっくりです。
何回鼻をかみに行ったことか。。

感動ポイント

※以下ネタバレになります。見たくない方はスルーで。

最初は、子供にいいなと思ったんです。
というのも、ヨロコビが、感情の説明をしてくれるんですね。

例えば、
・ヨロコビは人生が幸せになるために働いている
・ムカムカはいやな気持にならないようにしている
・イカリは曲がったことが大嫌い
            ・・・・とか

なので、感情にはいろいろな役割があって、いろいろな気持になったりするだろうけど、「全部が自分なんだよ」って伝えるのに、すごーくわかりやすいなーって思ったんですね。

しかも、思い出の一つ一つがボールになって、棚に保管されていくんです。
その時の感情の色で。
・ヨロコビ→黄色
・カナシミ→青
・イカリ→赤
・ムカムカ→緑
・ビビリ→紫

幼いときはほとんどが黄色で、キラキラ光り輝いてる。
そして、それをヨロコビはとても喜んでいるんです。

「こんなにキラキラ輝いて、素敵な人生♪」って。

ただ、気になったのは最初、ヨロコビはカナシミをのけ者にするんですね。

あなたがいたらライリーの素敵な思い出が悲しいものになっちゃう!って。

ヨロコビが一番。
カナシミなんていらない。
そんな感じ。

カナシミが特別な思い出に触れると黄色の思い出が青に染まっていくので、それをヨロコビが断固阻止する。

まるで、自分の感情を否定しているかのようです。

①ヨロコビがカナシミを受け入れる

ただ、最後にはヨロコビがカナシミを受け入れるんですよ!

つまり、ヨロコビの裏にはカナシミがあると気づいたわけです。
すべてのヨロコビは悲しみの裏返しだというわけではないですが、悲しいことがあったからこそ、周りのに気づいて、それがヨロコビに変わる。

そう、ヨロコビ+カナシミ=愛

こんな方程式が見えてきました。

そしたら、思い出ボールが今まで一色だったのが、なんと黄色と青色の2色になるんです。

感情がより複雑になっていく過程をうまく描いているんですよ。

しかも、最後、指令室の機械がどんどんバージョンアップされていくんです。
より複雑な感情や表現ができるようになっていくということを表しているんですが、その期間たったの1年。
この物語は主人公ライリーの11歳から12歳の1年を描いているので、1年でこんなにも変わるんだね、という描写がまた、感情の奥深さを表していると感じました。

②ビンボンが消えていく

ビンボンとは、主人公ライリーが子供のころ、空想の世界で作ったキャラクター。

あなたにもいませんでしたか?
オリジナルの、自分だけのお友達。

私にもいました。覚えてないけど。

・・・で、ライリーが考えたビンボンは、象と猫とイルカとマシュマロの体がピンク色した相棒なのですが、「最近あまり呼ばれないんだよね」と途中つぶやくんですよ。
そして、最後思い出のゴミ捨て場で消えていくんです。

私の覚えていないけど、小さいころにきっといた相棒もこうして寂しそうに消えて行ったのかと思ったら、もうなんだか「忘れてしまってごめんね」という思いでいっぱいになり、涙があふれました。

あー、こうやって書いてるときもまた目頭が熱くなりますね。

もちろん「インサイド・ヘッド」の設定ではありますけど、思い出って、頭の中に処理班がいて、「もうこれいらないね」っていうものは、どんどん記憶の棚から吸い取ってごみ箱へどんどん捨てられていくんです。

ヨロコビはすごく前向きだから、「全部素敵な思い出だから捨てないでー!!!」っていうんですけど、処理班はバンバン捨てていく。

これもまたとても印象的でした。

そうやって空間を開けないと新しい思い出が入らないもんね。

現実世界の断捨離と同じだなー。

③「カナシミ」に寄り添うと次に進める

上に出てきたビンボンですが、途中でビンボン自身がもう必要とされてない自分に気づいて悲しくなるんです。

その悲しい気持ちをうまく表現できなくて、シュン。。。ってするんですね。

で、そこでヨロコビは、必死に励まそうとか楽しいことを考えようよ!とか前を向こうよ!てきなメッセージを伝えるんですが、全然ビンボンには伝わらないんです。

でもそこにカナシミがやってきて、「それは悲しいね。」って気持ちに寄り添うんですね。
すると、ビンボンが、「そうなんだよ~!」って言って泣きながら自分の気持ちを吐き出し始める。
カナシミはウンウンと聞いて寄り添うだけなのに、自分の気持ちを吐き出しきったら、「もうだいじょうぶ!」ってビンボンは自分で進むことを決めるんですよ。

これって、すごく子育てに必要なスキルだなと感じました。

まあ、子育てだけじゃないと思うけどね。
今ある気持ちにまずはよりそうってことの大切さってさ。

ただ、「こわいよー」っていう子供に、「こわくないよー」っていうより、「うん、こわいよねー」って言ってあげるほうが落ち着くし、自分だって、辛いときに「もっとがんばりなよー!」とか「次があるよ!」とか励まされるより、「辛かったよね。」ってまず受け止めてもらえるって嬉しいですよね。

そうそう、共感だよな、って。

これは、感動ポイントというより、大事だよね、と感じたポイントでした。

さいごに

感情って目に見えないからこそ、こうやって色や形でイメージできるようにしておくことって、自分の気持ちをうまくコントロールするうえでとても大事だなと思います。

それを伝えるツールとしてこの映画を一緒に見るのも、いいんじゃないかな。

「イカリ」は”曲がったことが大嫌い”という特性をわかっていると、息子が怒った時も、なにか納得できないポイントがあったんだな、とか、頭の中で今イカリが指示ボタン押したんだな、とかイメージしてそれを伝えてあげると、相手の怒りに対して反射せずに対応できるかなと思いました。

あと、家族と(特に子供と)一緒に映画を見るとき、感動して涙が出そうなときって結構あるともいますが、そんな時は思い切って泣きましょう!

大人が感動して泣いてる姿を見せることって、子供にとっても自分の感情をそのまま受け入れて表現する練習になると思うし、少なくとも、親の前では自分の感情を否定しないで自分を出してもいい場所なんだよって伝える方法なんじゃないかなって思ってます。

だから、私は結構子供たちの前では感動するね!と言いながらずびずび泣くしね。もちろん、どういうところに感動したかとか、終わった後でシェアするようにしてます。

というのも、自分の感情が動いたポイントを伝えることで、みんなが自分と同じではないということを知る機会にもなるし、また、同じだったとしたら、それは共通点として共有したらいい。

また、感じたことを話すというのは、自分の気持ちを言語化する練習にもなるので、映画を見た後ぜひシェア会してみてくださいね☆

ちなみに、息子に「心に残ってる場面ってある??」って聞いてみたら、「イカリとムカムカが力を合わせて最後頭から火を出してガラスに穴をあけたところ!!」と言ってました。

同じ映画を見ていても、響くところが違う。

面白いですよね。(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?