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1000冊…!

中1の頃からつけていた読書メモが遂に1000冊突破しました!
約20年、本を読み終えたら作品名、作者、出版年、時には感想をメモ帳につけてきました。現時点でメモ帳は半分くらい使用しました。
死ぬまでに2冊目にいけるだろうか…
見返すと作家、作品の名前から風景、年代、季節まで思い出されて、10代の私は間違いなく作家と物語によって支えられてきたんだなと実感しています。

大人になってからのあなたを支えるのは子ども時代のあなたです
-石井桃子

私の行っていた中学・高校は図書室が充実していて、『装苑』や『MOE』、『NATIONAL GEOGRAPHIC』『ROADSHOW』『SCREEN』など確か10種類以上の雑誌が毎月追加されていたし、ライトノベル、文庫、ハードカバー、絵本に外国文学から専門書まで揃っていました。しかも毎月リクエストされた本が追加されるので、ワクワクしながら追加された新刊をチェックして、読みたい本があればせっせとリクエストしていました。
毎月のお小遣いはほとんど漫画やお菓子、単価の高いゲームソフトに消えていたので、読書は学校の図書館と市立図書館の恩恵に預かっていたのです。

読書メモ_01a

今思い返すとそれは本当にありがたかったと思います。
まず行動範囲の狭い子どもにとって家か学校で出会う本で読書体験が決まってきます。そこで好きな作品に出会えるかどうかでその後の読書習慣が変わってくるのです。
私は別に「読書がいいから読書する子どもになれ」という訳ではなくて、選択肢が多いことはとても豊かなことで、その状態にいられることは幸せなことだと思ったのです。

子どもにとっては与えられた環境が全てですから。

私は読書が嫌いな子どもでした。
小学校の低学年のとき、お友達のお母さんに誕生日のプレゼントで絵本『木を植えた男』をいただいたときはひどく落胆しましたし(せっかくのプレゼントになんで絵本なんてつまらないものをくれるんだろう!と思ったことを覚えています)、小学校4年のとき、夏休みに母親に本3冊(『十五少年漂流記』『マチルダは小さな大天才』『モモ』)をもらったときは手も出しませんでした。

祖母の家で渡され、はじめは読む気がなかったのですが、あまりに暇すぎて十五少年漂流記を読んでみると続きが気になり、初めて最後まで読めました。マチルダも読んだと思います。
夢中になって読んだ訳ではなく、どう終わるのか気になって少しづつ読み進めていった感じです。
全て外国の文学だったので良くわからない言い回しや好きじゃない描写もありました。(母親が子どもが可愛いと表現するとき私のサファイア!とか言うじゃないですか。アレです。)

それでも10歳だった私にとって同じ年代のこどもが活躍する物語はワクワクしたし、何より1冊読み切った達成感ですっかり自分が読書家になった気がしたのを覚えています。

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読書家になった私は自宅に戻り、さっそく市立図書館で表紙に惹かれた1冊を借りてみました。『木かげの家の小人たち』です。題名がいいですよね。小人って全ての子どもの憧れだと思うんですが、どうでしょう。
本読んでる私かっこいいじゃない!と思いながら読んでみたのですが、なぜか思うように頁が進まず、半分の読めずに返却しました。
悔しくて3回位同じことを繰り返しましたが、最後まで読めませんでした。自分の思い上がりを自覚し失望するような寂しい感覚でした。
完全な敗北です。

その後は本のことなど考えず外で遊びゲームをして放課後過ごしました。何より漫画に夢中でジャンプの発売日には近所の友だちみんなで外で回し読みをしていました。男の子女の子関係なくみんなジャンプが好きでした。

小学校の5、6年になったら少しは読みましたが、初めて読み終えることが出来た本が海外文学だったので、外国の本ばかり読んでました。
たった一度の挫折体験で日本の本に苦手意識が生まれていました。
(あとどれを読んだらいいかわからなかった)

それでも中学に入り、同じクラスの友達からはやみねかおる先生を教えてもらって見事にハマり、また、読書の成功体験を得た私は少しずつ本を読んでいきました。

そして『精霊の守り人』シリーズに出会ったのです。

読書メモ_03


初めてのめり込むように読書をしました。
時間を忘れて読みふけり、本を読むというよりもう文字通り物語の登場人物と一緒に生きている状態です。この感覚、読書好きならわかってくれると思います。
こうして、私の読書習慣は始まりました。

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ちなみに『精霊の守り人』にどれだけ影響を受けたかというと、上橋菜穂子先生が文化人類学者ということを知って、中1で大学では文化人類学を勉強しようと決意したり(結局色々あって文化人類学ではなく宗教と宗教美術を勉強しました)、颯爽と馬を操るバルサを想像し、馬にも乗れない自分はなんて情けないんだと謎に恥じていました。中学生でした。

ファンタジーや歴史もの好きな方なら共感していただけると思うのですが、馬に乗れるって割と基礎能力じゃないですか。誰だって一度は馬に乗ってる自分を想像しますよね…しないですか…?私だけ??
ちなみにこの夢は大学で叶いました。中国の新疆ウイグル自治区まで行き草原を駆け抜けるというツアーに参加したのです。私は大草原を疾走しながらバルサや『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルンを想像し、中国の武将を想像し、ふと案内してくれたカザフの人々の日常が馬と共にあると気づいたとき、なんて世界は広いんだろうと震えるように感動したのを覚えています。
馬に乗るツアーは最高に楽しいのでおすすめです。
(あとスペインの巡礼路も正にリアルRPGなので最高におすすめです。ファンタジーと言えば旅じゃないですか。地図を見ながら徒歩で街を目指し、仲間と出会い、共に目的地を目指す。最高です。)
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今回いつもつけている読書メモが1000冊超えたことをきっかけに、メモを見ながら感じたことを書いてみました。

思えば私は本のおかげで沢山の冒険をしてきました。
様々な世界を見聞きし、老若男女問わず時には動植物になって他者の人生を生きてきました。
初めての感情に出会い、友情を学び、喧嘩をした際には先に謝る勇気を学びました。
多くの人の死にも触れ、人を殺し、罪に苛まれながらも希望を探したり、失意のまま人知れず消える事の普通さに憤りと恐怖を覚えました。

物語には世界の真実が描かれているということを知りました。

願わくば、今後も本が傍らにある生活を送っていきたいです。
長くなりましたが読んでいただきありがとうございました。
(ちなみに『木かげの家の小人たち』は数年後に挑戦したら読めました。その本と読むのにちょうどいい時期ってあるんですね)

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