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オススメ映画を紹介するよ! 大人だけの嗜み編

今回は、R18+など、年齢制限のある映画を紹介します。当然性的描写があったりしますが、それ以上に作品として面白かったり印象に残ったものです。大人以外は視聴注意です!

※一部【ネタバレ】しています。

お嬢さん R18+

1930年代、日本統治下の韓国。スラム街で詐欺グループに育てられた少女スッキは、藤原伯爵と呼ばれる詐欺師から、ある計画を持ちかけられる。それは、莫大な財産の相続権を持つ令嬢・秀子を誘惑して結婚した後、精神病院に入れて財産を奪い取ろうというものだった。計画に加担することにしたスッキは、人里離れた土地に建つ屋敷で、日本文化に傾倒した支配的な叔父の上月と暮らす秀子のもとで、珠子という名のメイドとして働きはじめる。しかし、献身的なスッキに秀子が少しずつ心を開くようになり、スッキもまた、だます相手のはずの秀子に心惹かれていき……。

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この映画、滅茶苦茶面白いです。簡単に言うと詐欺師とその手先として潜り込んだスッキが、いかにして「お嬢様」を手中にし、財産を手に入れるか、と言う物語なのですが、当然騙し騙されがあるわけで、その虚々実々の騙し合いが息をつかせません。3部構成になっているのもミソで、スッキ、秀子それぞれの視点から語られる物語さえ、果たして真実なのか。

そしてR18+たる性的描写は、回数こそ少ないですが、美しく、愛らしい。誰もがスッキを好き(ベタなダジャレ…)になること間違いなしです。さらにこれらのシーンを含め、全体に淫美な雰囲気を漂わせる根源とも言えるのが、登場人物の話す日本語です。もともとイギリスが舞台であった原作を、日本占領下の朝鮮に翻案、結果として日本かぶれした人々が、辿々しい日本語を喋るという、滑稽さを醸し出しています。さらにある登場人物に卑猥な文章を日本語で読ませ、変態趣味である男たちが日本語で反応したりする場面は、いやらしくも悍ましい欲情を露わにします。けっして日本批判とかいう安易な使い方でなく人の愚かさまでも映し出すパク・チャヌク監督の手腕には脱帽です。

後半はエロだけでなくグロな描写も冴え渡ります。「映画」として楽しすぎる作品です。大人は是非ともご覧ください。

愛の渦 R18+

閑静な住宅街にあるマンションの一室。バスタオル1枚で気まずそうに思い思いの場所に座っている男女8人。終始俯いている暗いニートの男、茶髪のフリーター、真面目そうなサラリーマン、工場勤務の太った男、メガネの女子大生、気の強そうな保育士、可愛らしい今どきのOL、大量のピアスを付け、痩せぎすの女。社会では友達関係にはなり得ない、バラバラな風貌だ。ここは「セックスがしたくてたまらない人たちが集まる」店。行為に及ぶまで、ぎこちないやり取りがあるが、一度してしまえば、欲望は気持ちいいほど剥き出しになっていく。しかし同時に、「やりたい相手」と「やりたくない相手」、それにともなう駆け引きや嫉妬など、それぞれの本音も露わになっていく。そんな中、ニートは女子大生に特別な感情を持ち始める。ぶつかり合う心と体、真夜中に途中参加してくるおかしなカップル、欲望渦巻く一晩は一体どこへ向かうのか―

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門脇麦が大胆な演技で注目を浴びた本作。登場人物がほとんど裸のままというぶっ飛んだシチュエーションで、エッチなシーンが続出します。複数の絡みを上からグルグル映すショットはまさに「愛の渦」。門脇麦もなんの衒いもなく、「◯◯◯」と叫んでいます。

今回紹介する映画の中でも、特に性的描写は激しいのですが、見ているうちに気にならなくなっていきます。それよりも、それぞれの「駆け引きや嫉妬」など、人間の本性が露わになってくると、それは誰にとっても普遍なことだったりして、コチラまでいたたまれなくなってきます。特にラストシーン、身体で通じ合っていると思っていたニート(シン・仮面ライダー池松壮亮)と女子大生(門脇麦)の決定的な心のすれ違いは、表世界での立ち位置の格差をも炙り出し、「うわぁ」ってなります。それが現実です。

うみべの女の子 R15+

海辺の小さな街で暮らす中学生の小梅。彼女は憧れの三崎先輩に振られたショックから、かつて自分のことを好きだと言ってくれた内向的な同級生・磯辺と関係を持ってしまう。初めは興味本位だったが、何度も身体を重ねるうち、磯辺を恋愛対象とは見ていなかった小梅は徐々に磯辺への思いを募らせていく。その一方、小梅が好きだったはずの磯辺は小梅との関係を断ち切ろうとする。2人の気持ちがすれ違う中、磯辺は過去にイジメを苦に自殺した兄への贖罪から、ある行動に出る。

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R15+ですが、直接的な表現はかなり多いです。中学生という設定が信じられない無軌道ぶり。いろいろな中学生いると思いますが、最近は真面目な子が多くなっているのでは。地方による違いはありながらも、ヤンキー文化は衰退しているはずです。でも映画の中には金髪ヤンキー中学生必ずいるんだよね。

まあそれは物語としてしょうがないとして、この磯辺という男に共感できなくて。途中彼の内面が窺える部分もありますが、小梅に感情移入していると磯辺のクズぶりにイライラしてきます。磯辺を演じる青木柚は時折神木隆之介に見えたり。神木くんはこの役受けないだろうなあ。前田旺志郎は「彼女が好きなものは」と同じくいい人役。中田青渚が小梅の親友役としてお笑いやったりします。前田旺志郎も中田青渚も地味に売れっ子ですね。

ロマンスドール PG12

美大卒業後、ひょんなことからラブドール製作工場で働き始めた北村哲雄。やがて彼は美人で気立ての良い園子に一目ぼれして結婚するが、自分がラブドール職人であることを園子に隠し続けていた。毎日が平穏に過ぎていく中、哲雄は仕事にのめり込み、園子とは次第にセックスレスになっていく。そんなある日、園子はずっと胸の中に抱えてきた秘密を哲雄に打ち明ける。

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PG12ですが扱っているのがラブドールということでラインナップに入れました。主人公の哲雄は高橋一生、園子は蒼井優が演じます。前半は2人の出会いなど、コメディタッチで進行します。高橋一生は飄々とした役が似合っていますね。ボソッと面白いこと言ったり、独白(クララが立った!)したりします。「花とアリス」の頃から蒼井優好きですが、相変わらず可愛いですね。超顔小さいし。

中盤以降は2人の間に不穏な空気が流れ、死と生を考える深い展開に。互いに身体を求め合う激しいラブシーンも、意味あるものとなっています。

途中まで、哲雄がラブドールを作っているのが園子には内緒になっているのですが、パートナーのに職業隠し切るのは至難の業ではないでしょうか。同僚のお葬式にも行ってるんだからバレると思うんだけどな。

明け方の若者たち R15+

明大前で開かれた退屈な飲み会に参加した“僕”は、そこで出会った“彼女”に一瞬で恋をする。世界が“彼女”で満たされる一方で、社会人になった“僕”は、夢見ていた未来とは異なる人生に打ちのめされていく。

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わりと清楚だったり、明るい元気な役のイメージがある黒島結菜が、ヒロインとしてかなり生々しいラブシーンを見せます。そのあたりでR15+なのかな。

物語自体はおそらく誰もが体験するであろう青春時代、そして社会人となっていく「明け方」を生きる若者たちを描いたストーリーで、少なからず共感性羞恥を味わうことができるはずです。黒島結菜と北村匠海のこそばゆい恋愛映画と思わせておいて、途中とある理由で彼女が退場してからも、”僕”の生活は続きます。大学時代の名残りを持ちつつも、会社や仕事に軸足が移っていく社会人の、何とも言えないあの頃を淡々と描きます。刺さる人も多いと思います。歳をとりすぎていますが、自分も少し刺さりました。

実はDISH//のライブをちょっと見たこともあって、北村匠海には好印象を持っています。役者さんとしてもいいですよね。

因みに「ある夜、彼女は明け方を想う」というスピンオフがあり、彼女側視点のストーリーです。今泉力哉監督作品に多数出演している若葉竜也も出ていますが、ちょっと使われ方が違うと思いました。特に見なくてもいいかな。

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