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オススメ映画紹介するよ! 今が旬!マイク・フラナガン編

ネトフリで配信された「アッシャー家の崩壊」、最高に面白かったです。監督したのはノリに乗ってるマイク・フラナガン。以前他の記事でオススメした「真夜中のミサ」も傑作でした。今回はドラマ・映画をまとめて紹介します。

アッシャー家の崩壊

エドガー・アラン・ポーの名作「アッシャー家の崩壊」を下敷きに、その他「黒猫」「モルグ街の殺人」「大鴉」等のポー作品を換骨奪胎し、ひとつの物語とした、フラナガン監督の真骨頂とも言えるドラマシリーズ。貧しかった兄妹が、権謀術数の渦巻く製薬業界を牛耳った裏には、ある秘密があって・・・ということで、現実の薬害事件もモデルになっているとか。毎回誰かが残酷な死に様を見せるので、グロ&ネコ注意です。隙のない映像美も見どころだし、最初から最後まで緊張感マックスで突っ走ります。最初は名前が覚えられなかったり、なんだかわからないまま話が進んでいきますが、絶対第二話まで見てください。あとはノンストップ確実なので。

ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス

古い屋敷に引っ越してきた一家が、ヒルハウスで様々な怪異に出会う過去パートと、ある人物の不幸をきっかけに再び一家が過去と向き合う現在パート。「死霊館」シリーズを思わせるホラーでありながら、死や生を考える人間ドラマにもなっています。本筋とは関係ないところで映り込む幽霊に常にゾクゾクされられ、謎が謎を呼びつつ最後には伏線回収されるストーリー的な面白さ。驚異の長回しで緊張感が振り切れる回があったりと、フラナガン節を堪能できます。個人的には「真夜中のミサ」に軍配を上げますが、コチラがお気に入りになる人もいるはずです。

ミッドナイト・クラブ

余命少ない若者が最期を過ごすホスピス。ここで暮らす8人は、真夜中の地下室に集い夜な夜な物語を語り合います。彼らの約束は、自分の死後、あちら側の世界からメッセージを送ること。死が終わりでないことを伝えるために、というストーリー。本来「生」に溢れているはずの若者が、「死」に直面しているというのが切ないです。果たして最後に掴むのはなんなのでしょう。日替わりの真夜中の話が劇中劇になっていて、語り手がその主役になっているのがミソ。ホラーだったりSFだったり、主役によって味わいも違います。シーズン2も期待されたのですが、残念ながら打ち切り。それでもここで登場した若い俳優さんが、「アッシャー家の崩壊」でちょっと大人になって登場してくるのが嬉しいです。

ジェラルドのゲーム

フラナガン監督が敬愛するスティーヴン・キング原作の「ジェラルドのゲーム」。マンネリ解消のため、湖畔の別荘で妻と拘束プレイを楽しもうとした夫が突然死。手錠でベットに繋がれた妻は脱出できるのか? 飢えた犬や謎の存在が忍び寄り・・・というストーリー。この妻のサバイバルに主眼が置かれそうなんだけど、夫や彼女自身の幻覚が現れ、次第に自分の過去と向き合うことになります。途中凄く痛い描写があります。自分、ああいう描写苦手です。

ドクター・スリープ

前述した通りキングフリークのフラナガンが、「シャイニング」続編の「ドクター・スリープ」を監督。そもそも「シャイニング」と言えばキューブリック監督が傑作ホラーたらしめました。

ところがキングは原作に込めた思いを汲み取ってもらえなかったからか、キューブリック「シャイニング」を毛嫌いします。小説版「ドクター・スリープ」は原作「シャイニング」の続編ですから、本来は映画版の続編にはなり得ないのですが、フラナガン監督は周到に換骨奪胎、キューブリック「シャイニング」の正統続編でありながら、小説版のエッセンスを損なわないという芸当を見せます。キングも絶賛、だそうです。「ドクター・スリープ」のあらすじは省略しますが、超絶超能力バトルで個人的には大満足。キューブリック「シャイニング」ファンが納得いかないのも理解できますが、本来スティーヴン・キングってこうだよね、って思いました。因みに「ジェラルドのゲーム」と同じような痛い描写やキングも残酷さに眉を顰めたという殺害シーンには要注意です。

真夜中のミサ(再び)

こうやって見ていくと、フラナガン監督作品は、「換骨奪胎の妙」「過去と向き合うこと」等がキーワードでしょうか。どの作品も素敵かつ完成度が高いです。

「アッシャー家の崩壊」も最高ですが、個人的には「真夜中のミサ」がまだ一位です。この作品について下記記事で触れました。


「真夜中のミサ」もキングの影響ありありです。検索していたら、フラナガン監督のエッセイが出てきました。アレコレ言うより、本人の弁を聞けば、キングへの思いとか、「真夜中のミサ」制作にかける意気込みが理解できると思います。最後にどぞ。

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